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第67話 言い争いは誰も得しない

 何事もなく過ぎ去る時の中で僕は着々とルナお姉さん達と関係を進めていた。この身体がいつまで僕なのか、そしていつ大人の僕に返されるのか分からない。

 そんな曖昧な時間を彷徨いながらも僕は今日も1日の始まりを噛み締める。


「ん、んぅ……刀夜くんもう起きたの……?」

「あ、アリシアお姉さん。起こしちゃった?」

「ううん……別にいいよ」


 綺麗な肌を大胆に露出させながらもアリシアさんは聖母の如き微笑みで僕の頬を撫でる。あの、胸見えちゃいますよ。


「昨日は素敵だったよ?」

「いや、あれはその……」

「ふふ……甘えてくれて可愛かったし沢山気持ち良くされちゃった」


 そんな恥ずかしいこと言わないで欲しい。自然と熱くなった頬が顔が赤くなっているのだと自覚させる。

 僕はその表情を見られないように思い切りアリシアお姉さんに抱き付いた。


「どうしたの? またしたくなっちゃった?」

「ち、違うよ……」


 この人天然なのだろうか。いや、天然はルナお姉さんの方かな。


「でも少し硬くなってるよ?」

「っ!」


 そ、それはなんというか。朝だから仕方ないといいますか。


「みんなが起きる前にもう一回しよっか?」

「え、ちょ……」


 朝からたっぷり搾り取られた。幸せだった。

 ということで今日も中途半端に寝たりエッチしたりとしながら時間を消費したわけだが……。


「…………僕ってこのままでいいんだろうか?」

「何がだ?」


 僕は今何故か膝枕されていた。コウハお姉さんがうっとりしながら僕の頭を撫でるので立ち上がるに立ち上がれない状態。

 一日中イチャイチャしたりしてるわけだけど。確かに大人の僕の趣味がこうなってしまう理由も分かる。この人達は基本的に人を堕落させることに向いている気がする。


「刀夜殿、耳かきはどうだ?」

「あ、いや……そこまでしてもらうわけにはいかないよ」

「私がしたいんだ。駄目か……?」


 そこまで言われてしまっては断れない。僕が首を横に振ると満面の笑みを浮かべる。


「それじゃあ耳かき棒取ってくる!」


 上体を起こすと超高速で居間を出たコウハお姉さん。すっごいやる気だ!


「あら、ふふ……もしかしてまたおっぱい吸いたい?」

「へ? ど、どうしてそんな話に!?」

「前のエッチの時に私のおっぱい吸いながら手でしてあげたでしょう?」

「や、やめてよ……そ、そんなこと言われたら……あれ? アリシアお姉さんのお陰で全然反応しない?」


 朝しっかりと搾り取られたからかな。全然勃たない。


「あの子そんなにも……一番清純そうなのに」

「バッチリ聞こえているんだけど……。と、刀夜くんが可愛いんだから仕方ないよ!」

「そうです! マオ様もご主人様の可愛さにメロメロじゃないですか!」

「…………メロメロは死語」


 確かに聞かなくなったけど。この世界にもそういうのあるんだ……。


「あら、あなた達よりはマシよ?」

「そんなことありません! 以前だらしないお顔でご主人様を抱き締めながらお昼寝してました!」

「散々からかった後に好き好きってキスまでしてるよね」

「あなた達自分のことを棚に上げてよく言えたわね……」


 そういえばマオお姉さんはそういうの好きだね。でもそんなところまで見てるんだ……。


「そんなこと言ったらルナちゃん? あなたこの前と刀夜さんに向かって赤ちゃん言葉で話していたわよね?」

「っ!」

「でちゅかってつい出てしまったのかしら?」

「くぅ……」


 あ、ルナお姉さんめちゃくちゃ恥ずかしそう。というかそれ全部僕も恥ずかしいんだけど……。


「アリシアちゃんも刀夜さんにお姉さんって呼ばれて一人でしていたでしょう?」

「っ!?」


 えっと……それはなんというか。


「そ、そんなこと暴露しないで! というかなんで知ってるの!?」

「獣人族は耳がいいのよ。部屋でしてても聞こえてくるわよ?」


 プライベートも何もあったものじゃないなぁ……。僕も気を付けよ……。


「うぅ……」


 アリシアお姉さんも恥ずかしそう。ま、まぁこれは仕方ないよね。


「そ、そういえばルナさん、刀夜くんにおっぱいを触ってもらってる時に気持ち良過ぎて潮を吹いたんだよね……」

「なっ!?」

「わ、私がしてもらった時はそんなことなかったし……か、感度良いんだね……」

「アリシア様こそご主人様に膝枕しながらあそこをその……濡らしてたじゃないですか」

「あ、あれは! と、刀夜くんが可愛過ぎて……それに普段あんまり甘えてくれなかったし……」


 えっと、何この暴露大会? 僕も何かした方が良いの?


「アスールお姉さん、僕も何か言うべきかな?」

「…………静観すること。……それが巻き込まれない為の1番の防衛策」


 あ、うん。やっぱりそうなるよね。


「…………ちなみにマオは刀夜が寝てる間に寝顔を見つめてニヤニヤしてる」

「ちょっと!?」


 静観するんじゃないの!? それに何その情報!?


「あなただってニヤニヤしてるじゃない!」

「ん……刀夜可愛いから」


 普通に認めたよこの人。しかも無表情で全くダメージを負った感じがしない。どんなメンタルしてるんだろう。


「刀夜殿! お待たせした!」


 あ、そういえば耳かきしてくれるんだった。目の前で起こってることが印象的過ぎて忘れてた。


「あなたも何デレデレしてるのよ!」

「そうですよ! ご主人様とキスする時に軽く舌を入れるのも知ってるんですから!」

「うん! 他にも隠れて一緒にお風呂にも入っているよね!?」


 あー、うん。バレてるならもう隠れてする意味ないよね。というか僕達のことなんでそんなに詳しいの?


「な、何でいきなり私は辱めを受けているんだ!? わ、私何か皆を怒らせるようなことしたか!?」

「あー……ううん。コウハお姉さん、この人達は気にせずに一緒に落ち着こ?」


 僕はひとまずコウハお姉さんを連れて退散。一緒にソファに座ると様子を見る。


「えっと……これは一体何なんだ?」

「うーん…………暴露大会?」


 僕もよく分からない。でも間違いなく言えるのはもう元の話は関係なく、ただ単に色々と言いたいだけなんだろう。


「あとキスする時に舌を入れるのやめてね」

「あ、う、うむ」


 流石に僕も興奮するんだよ? 確かに僕は反抗期とかないから別にイラついたりはしないけど……思春期であるのには変わりないんだからちょっとは遠慮して欲しい。


「それより刀夜殿。耳かきをさせてほしい」

「あ、う、うん」


 コウハお姉さんに膝枕してもらう。寝心地は良い。寝心地は良いんだけど……。


「私だってご主人様からキスしてもらったことあります!」

「私だってあるわよ!」

「ん……私もある」

「そんなの当たり前じゃない。刀夜さんなのよ?」


 多分もう僕じゃなくて大人の方の僕の話になってるよね。何でこんなにも言い合ってるんだろう。


「刀夜殿、ふふ……」

「あなたは何呑気に耳かきなんてしてるのよ!」

「えぇ!?」

「痛っ!?」


 思い切り奥に刺さったよ!? さ、流石に鼓膜破れたりはしてないけど痛かった。


「あぁ、す、すまない! あ、ああ、アスール殿! 回復魔法を!」

「ん…………任せて」


 アスールお姉さんが回復魔法をしてくれたので一瞬で痛みが引いた。でもこれはきちんと言わないと駄目。


「みんな、ちょっとそこに正座」

「ご、ご主人様?」

「…………落ち着いて」

「いいからそこにせ・い・ざ。従えないかな?」

「従います!」


 4人はさっと僕の前に並んで正座した。でもこれくらいで許す気はないよ?


「何を言い争ってるのか知らないけど人に迷惑を掛けてタダで済むと思ってないよね?」

「はい……すいませんでした」

「謝るのは僕にじゃないよね?」


 一番被害があったのはコウハお姉さんだ。僕は二次災害的なものだろう。


「すいませんでした……」

「い、いいいや、あの! えっと……刀夜殿に被害が及ばないように配慮して欲しい……かな」


 こうはお姉さんはあくまでも僕のことを優先してくれるんだなぁ……。やっぱりここの人達は優しい。


「あの……ご主人様」

「うん?」

「その……何か罰とか償いとかさせて欲しいんですが」

「え?」


 そこまでは考えてなかったなぁ。コウハお姉さんが許したのなら僕がこれ以上掘り下げる必要もないだろうし。


「えっと…………それじゃあコウハお姉さんのお願いを1人一回聞く……とか?」

「え、わ、私なのか!?」


 そりゃあ僕に得をすることをしても仕方ないし。


「えっと……それじゃあ今日一日は私が刀夜殿とイチャイチャしたい……かな。も、もちろん皆も参加してくれてもいいんだけど」


 それって罰になるのかな。まぁこうはお姉さんがそれで納得出来るならいいのかな。

 しかし結局言い合いになっても誰も得しないなぁ。喧嘩とか無駄なことなのかもしれない。

 それでもそこに意味を見出せと言われれば多分相手のことをよく知れる点だろうか。良くも悪くも、だけど。

 こうやって一歩ずつ何かを分かっていって人は成長するんだろう。それが分かっただけでも良かったのかもしれない。

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