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第28話 ギルドからの直々の依頼は中々にハードなもの

「あー、うん、またこのパターンね」


 目を開けるとそこは見慣れた天井な訳だが。この展開はもう読める。というか経験したことあるもん。

 俺の両隣には裸で眠る美女達が。金髪と青髪の美女は俺の腕に抱き付いてきているわけだが。

 いかんなこれは。胸の感触がヤバ過ぎて勃ってきた。何がとは言わんが。


「…………おはよう」

「っ!? びっくりした……」


 いつの間に起きてたんだ!? ちょ、今ヤバ!?


「…………大きい」

「いや! これはだな!? せ、生理現象であって!」

「…………ん、気持ち良くする」


 だから何でこいつらは朝から痴女るんだ!? いや、気持ち良いからいいんだけど。

 1人増えても変わらなかった。その後ルナも起きてまさかのフルで動くことになろうとは。ギルドに行く前に疲れたのだった。

 ギルドへやってきた俺達のテンションは恐ろしいくらいに低かった。それはもう絶望の淵に立たされているかのように。


「ど、どうかしたのかな?」

「いや……朝からハッスルし過ぎた……」

「えっと……こ、腰が痛くて……」

「…………疲れた」


 もう既に瀕死の俺達にリアは微妙な表情を浮かべていた。


「その……ほ、程々にしないと駄目だぞ?」


 リアはよくドン引きせずに受け入れられるな……。いや、軽く引いてるな。うん、これは俺達が悪い。


「と、とりあえず肉体的には疲労たっぷりだが精神的には満足してるから大丈夫だ」

「いや、冒険者なんだから肉体的な疲労の方が危ないだろう……」


 ですよね。マジ反省してます。


「でも本当に大丈夫なんだね?」

「あぁ、問題ない」

「はい」

「ん…………」


 とりあえず今日はギルドの依頼をこなす約束だ。俺も金を貯めて家を買いたいしな。家があれば心置きなくエッチなことが出来るし。


「す、すみません刀夜様」

「ん?」


 珍しく受付の女性ことアイさんが話し掛けてきた。ギルド内だから不思議ではないと思うものの受付を無人にするということは結構緊急事態なパターンだ。


「どうかしたのか?」

「は、はい。こちらをご覧いただけますか?」


 渡された資料を受け取り目を通す。ルナ達もひょこっと俺の隣から覗き込んでいた。胸当たってんだけど。後リア近い。

 どうやら調査の依頼のようだ。場所は森のようだがかなり広いらしくとても1日で終わるような場所ではないらしい。


「実は先日そちらで見るはずがない魔物がいまして、恐らく生態系に変化が生じているのだと思います」

「それを調査報告して危険度を再度見直すって感じか?」

「は、はい。ご理解がお早くて助かります」


 まぁこのくらいは誰でも分かることだろう。さて、問題はこれを俺達がするという点だが。


「んー…………」


 俺達はパーティーを組んで間もない。連携に期待はあまり出来ないのが痛い。俺も戦闘経験は少ない方だしな。危険過ぎる依頼を受けるのもどうかと思う訳だが。


「どうする?」

「ご主人様のご判断にお任せ致します」

「ん…………刀夜に従う」


 お前らは自分の意思はないのかよ。というかいつの間にか俺がリーダーみたくなってる。ま、まぁ最強だしな。


「リアは?」

「…………」


 ん? 何で無視? いや、普通にボーッとしてるな。大丈夫かこのパーティー?


「リア?」

「っ! ご、ごめん。何?」

「いや、考え事してるみたいだったから。大丈夫か?」

「う、うん。それよりどうかした?」


 本当に大丈夫だろうか? 結構深刻な様子だが。でもその年でボケてるわけじゃないだろうしな。何か心配事か?


「これ、どうする?」


 ひとまずリアの事情は置いておいて話を進める。何か相談してくれるのを待つのみだ。リアには世話になってるし力になりたいのはあるがプライベートのことを踏み込むのはやめている。

 リアは優しいが案外自分のことを話さない。多分その一線は越えさせないようにしているのだと思う。


「うーん……そうだね。僕達にはまだ早いような気がするんだけど」


 リアも俺と同意見のようだ。やはりこれはお断りするべきことなのだろう。


「なんとかお願い出来ませんか?」


 お、おう。アイさんが困ってらっしゃる。依頼主はギルドだし、確かに早めに処理したいものなのだろう。


「あー……はぁ。分かった……」


 ルナも世話になってるしな。仕方なく依頼を受けることにした。


「ありがとうございます!」


 勢い良く頭を下げられた。これで狙ってやってたら悪女だな。ま、まぁそんな人ならルナが親しくすることもないだろうが。


「悪いリア」

「ううん。やっぱり刀夜くんは優しいね」


 そうだろうか。人に甘いだけの気がしてきた。厳密には親しい人に、という方が正しいか。知らない人からなら間違いなく断ってた。


「それじゃあまずは買い物かな?」

「俺達はもう用意はしてあるぞ? テントとかその他諸々」

「あ、そうなんだ。僕も準備は終わってるから行こうか」

「そうだな」


 しかしギルドからの依頼がこんなにもハードなものだとは。それだけ俺達が期待されていると思ってもいいのだろうか。

 これがギルドの陰謀とかで騙し討ち、みたいだったらどうしよう。あの街にいられなくなりそうだな。


「場所は誰か行ったことあるのか?」

「私はありません。申し訳ありません」

「いや、ないなら仕方ないだろ。アスールとリアは?」

「…………ない」

「僕も直接はないかな。でもこの近くの街になら行けるよ」


 また楽が出来そうだ。これで数個街越えなんて来たら大変だなことになりそうだ。

 それに新しい街というのはテンションが上がる。俺はこの街以外は既に壊された後の街しか知らないからな。

 リアの転移魔法で新しい街へとやってきた。これで俺も転移魔法でここに来れるようになったわけだし、いつか遊びに来よう。


「ご主人様、遊びに来る際には是非私達も誘ってください」


 お、おう。口に出してないのにルナに心情を見抜かれてた。ルナさん怖い。


「…………私も」


 そしてそれにアスールも便乗して来る。うーん、この2人実は手を組んだら最強なんじゃ?


「何で俺の考えてることが分かるんだ?」

「目が輝いておりましたので」

「ん…………無邪気、可愛い」


 そんなに子供っぽかっただろうか? 自覚がないし自分じゃよく分からないな。


「も、もういいだろ? ひとまずこの街は置いておいてその森に向かうぞ?」

「うん、そうだね」


 ひとまず目的地へと向かうわけだからその道中にも当然魔物がいるわけで。


「こいつは?」


 どう見てもカマキリなんだが。いや、大きさは2m近くあるんだけどな? でもどう見てもカマキリ。まんまカマキリ。色も同じ。


「カマキリンですね」

「お、おう」


 名前もそのまんまだな。ならもうカマキリでいいじゃないか。


「鋭い鎌で敵を切り裂く草原のギャング様です」

「そうなのか」


 どうでもいいがギャング様って何だ。様はいらないだろ。

 ひとまず戦闘というなら油断はしない。鎌を振り回すということは迂闊に間合いに入るのは避けた方が良さそうだな。


「サンダーボール」


 ルナが雷魔法を放つとカマキリンはそれを鎌で切り裂いた。瞬間電撃が身体を巡ってそのまま倒れて黒い粒子となった。


「カマキリンはとても弱いので大丈夫ですよ」

「お、おう」


 草原のギャング様じゃないのかよ。もっと頑張れよ……。


「カマキリンはじっと敵が来るのを伺っている魔物なんだ。だから近付いたらすぐに殺されてしまう」

「なら近付かずに中、遠距離からってことか?」

「うん」


 ということは必然的に魔力を消費させてくるのか。数が多ければきつい相手だな。


「でも足が遅いから走って逃げればいいよ?」

「お、おう」


 日本のカマキリも花などに擬態してじっと獲物を待つ。多分その習性はこの世界でも変わらないのだろう。

 いや、大きくなった分こちらの方が目立つから弱い気がするが。ま、まぁいいか。深く考えるのはやめておこう。


「とりあえず先に進むか」


 どんどんと草原を歩いていると遠くの方に森が見えてくる。あれが今回の目的地か。

 この草原は無駄にカマキリンが出てくる。試しにルナより弱い俺の魔法を撃ってみても楽々倒せるので残念だ。草原のギャング様の名が泣くぞ。


「刀夜くん」

「ん?」

「森に入る前に今日1日の予定を立てておきたいんだけどいいかな?」

「予定?」


 何の予定なのだろうか? 調査するのに予定とかいるのか?


「具体的に言うと今日は何する、今日は何するというのをギルドに報告に行かないといけないんだ」

「そうなのか?」

「うん。もちろん今日の予定と結果を同時に届けるんだけどね」


 なるほどな。つまりその予定を決めてそういう風に動けばいいわけか。それでギルド側もこちらの状況を逐一把握しているということだな。


「報告がなければ死んだとみなされるわけか?」

「えっと……報告がなくて3日経ったらかな」


 まぁそうか。転移魔法をする魔力が残っていない場合は報告も何もないな。その辺りもしっかりしてるわけか。


「本来なら大パーティーでするべき仕事なんだけどね。何で僕達に声が掛かったのかな?」

「そういえばアイさんが調査の効率化のことで頭を悩ませていましたよ? ご主人様なら何か見つけてくださると思ったんじゃないですか?」

「何で俺?」

「…………シャドウフレイムの調査を進言したから」


 何だその理由。


「あー……うん。そうかもしれないね」

「認めるのかよ。はぁ……当たり前のことを言ったつもりだったんだけどな……」


 この世界は何となく学力が低い。もちろん戦闘面に関してはかなり凄い人もいるのかもしれない。俺以上に頭の回転が速い奴も絶対に存在する。

 そういうところから学ぶということを多分知らないのだろう。学校などではそういうことも自然と身に付いていくものだが。

 周りから遅れたくないや浮きたくないなんてものは恐らくそういうものだ。例え無意識だとしてもそれが逆に自身の考えるということに繋がっているのだと思う。

 まぁ俺は日本の教え方は否定派だけどな。個人差のある頭脳で同じ教え方をして何人が理解出来るんだよって話だ。


「まぁひとまず目標としては最低限の安全だろうな。絶対条件を満たしてないってのは流石に駄目だろ」

「確かにそうなんだけど、そんな抽象的でいいの?」

「話を詰めるのは明日から。ひとまず今日はこの森がどういうものか見ておきたい」


 調査というのはそういうことだ。自分の安全が保証されていないのに調査なんてやってられるかよ。そうしないから命を落とすんだろ。


「まずは拠点に良さそうな所を探して壁を作る。前にゴブリンキングの時と同じ考え方だな」


 これから忙しくなりそうだがまぁそれは別にいいか。俺も戦闘経験を積まないといけないしな。

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