表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/190

第16話 神聖な図書館には翼の生えた美女がいるらしい

「ん……んぅ……?」


 朝起きて目を開けるといつもの天井。そして横には気持ち良さそうに眠る裸の金髪の美女が。相変わらずの整った顔立ちで眠る姿も綺麗に見えてしまう。

 今この布団をめくったら色々と見れるわけだが……というかもう散々見たんだけどな?

 ひとまずルナが起きるまでは俺もこのままだな。ちょっとくらいならいい……よな?


「ん……」


 相変わらずルナは抱き心地が良い。流石に見るのは駄目でも抱き締めるのは良いよな? あー、胸の感触が気持ち良い。


「んぅ……ご主人様……?」

「あ、悪いルナ。起こしちまったか?」

「ふぇ……? えへへ……ご主人様が抱き締めてくれてます…… ご主人様ぁ♡」

「うえ!? ルナさん!?」

「あ……ご主人様の大きくなってますね〜………」

「いやなってないから! 待って! さてはお前寝ぼけてるな!?」

「ご主人様大好きです〜……」

「ちょまっ! そんなとこ触るな! うわぁぁぁぁ!!」


 朝からとんでもない目にあった。

 ゴブリンキングを倒して大金を手に入れた俺達はしばらくの間依頼に行っていなかった。というのも俺がルナにお願いして魔法の類を覚えているのだが、めぼしい魔法は全て覚え切ってしまったのが現状である。

 という事で俺達は図書館に向かっていた。この異世界でも図書館はあるらしく俺達はそこで魔法の勉強をするつもりだった。

 本当は朝から向かうつもりだったのだが。まさか朝からあんなことになってしまうとは。


「本当にすみませんでした……」

「いや……俺も途中から我慢出来なくなったし……」


 そう、朝から向かうつもりが朝から盛大に致してしまったわけで。俺達は顔を真っ赤にしながら歩いていた。

 しかし繋がれた手が嬉しい。でもきちんと繋いでくれているのだが手汗とかかいてない……よな?


「あの、ご主人様?」

「は、はい!? 気持ち悪かったですか!?」

「ふぇ? な、何がですか!?」


 あ、手汗のこと考えていたからそんなこと言っちまった。くそ、何言ってんだか。


「あー、悪い。気にしないでくれ」

「は、はい。あの、その、手を繋ぐんじゃなくて腕を絡めても良いでしょうか?」

「そ、そりゃあもちろん」


 何だそんなことか。しかも俺にとっては手汗の心配がなくてとても良い。


「手汗かいてなかったでしょうか……?」

「へ?」

「ふぇ!? き、聞こえちゃいましたか!?」


 いや、思っ切り聞こえてたし何より俺と同じこと考えてるし。


「そりゃあこの距離ならな……。それに俺も同じこと考えてた」

「そ、そうだったんですか。あの……全然気持ち悪くなかったですしその……繋げて嬉しかったですよ?」


 ルナさん可愛い。お持ち帰りしたい。いやいつもしてたな。


「俺も嬉しい」


 ルナもにっこりと微笑んでくれる。俺も笑みを浮かべているところだろう。

 2人でイチャイチャしながら図書館へとやってくる。やって来たのはいいのだが……。


「でか!?」

「そうですか?」


 そうですかじゃない。マジかこれ。日本のドームくらいあるんじゃね? これが図書館? マジで?


「そんなに本あるのかよ……」


 これは探すのだけで時間が掛かりそうだな。借りれたりするのだろうか?


「ですがこの図書館、実はあまり良い噂を聞かないんです」

「そうなのか?」

「はい。利用者がとても少なくて。1日に来ない日もあるくらいらしいです」

「マジか。で、それってどこ情報?」

「ギルドの受付のお姉さんですよ?」


 あー、ガチのやつね。ギルドがそんなこと言っちゃったら駄目なんじゃ?


「行くなら気を付けてって言われました」

「そんなレベルかい」


 マジかよ。何の用意もしてないぞ? まぁいざという時は戦うしかないのか。覚悟はしておいた方が良さそうだな。


「そういえばご主人様」

「ん?」

「建物内では基本的には魔法の使用を禁止されておりまして。魔法陣の展開速度を上げる練習はギルド以外では控えた方が……」

「そ、そうだったのか」


 まぁ普通に考えればそうか。練習するのも駄目なのか? それは図書館の人に聞いてみりゃいいか。多分断られるだろうけど。

 図書館の中に入るといかにも高級そうな内容だった。木造の綺麗に整えられた本立てやテーブルや椅子、それに魔物の素材を使っているのだろう絨毯やらテーブルクロスやらは流石のものだった。


「めちゃくちゃ良いところだな」

「はい。どうして危ないんでしょう?」

「さぁ……」


 ここまでは別に危なくなどなかった。建物自体が危ないんじゃなく人が危ない人なんだろうな。一番面倒だ。


「…………いらっしゃいませ」

「うお、ビックリした」

「驚きました……」


 いきなり後ろに立っていた人に驚いた。いつもは俺よりも先に気付くルナも気付いていないくらいだからかなりの気配のなさだ。

 そして振り返って驚いた。そこにはルナに並ぶかなりの美女が立っていたからだ。

 青く長い髪にルナと同じくらいの高身長。こちらはむっちりとしているルナとは違い全体的にスラッとしている。豊満な胸とは言い難いが充分巨乳と言える大きさだろう。

 とまぁクール系の青い瞳の美女だが何よりも特徴的なのは背中に生えている白い翼だろうか。かなり小ぶりな翼だがあれで飛べるのだろうか? 腕の肘くらいしかない上に背中というより腰に生えてるし。

上下一体となった青い服を着ており、上は長袖のTシャツのよう、下はロングスカートのようになっている。上は白いカーディガンを羽織っており清楚ながらもどこかミステリアスな雰囲気を放っていた。


「有翼種の方ですか」

「有翼種?」

「はい。過去に魔物と交配した人がいると聞いたことがあります。その方々は身体の一部に人にはない何かを持っていると。主に翼を持つ方々が多いので有翼種と言われています」


 あぁ、そういうこと。


「ですが街にいるなんて珍しいです」

「まぁそうだろうな」


 魔物というのは基本的に恨まれている事の方が多いだろう。だからこういう人には厳しい世の中なのだろう。


「…………怖くないの?」


 少し間を置いて美女が聞いてくる。独特の間というか雰囲気があるな。表情も微動だにしないし。


「怖い? いや、別に。人間とそう大差ないんだろ?」

「…………飛べる」

「まぁ翼があって飛べないとか言われたら反応に困るな」


 まぁ本人も気にしてるんだろうな。でも俺からすればエルフ族とかその辺のと変わらない。結局は俺と違うんだしな。


「むしろご主人様のことですから翼に触りたいと思う方では……」

「流石ルナ。俺のことよく分かってるな」


 どんな触り心地なのだろうか? ヤバイ、めちゃくちゃ触ってみたい。


「はい! ふふ……」

「はは」


 ヤバイな楽しい。お互い分かり合ってるってこうも素晴らしいこととは思わなかった。


「…………触るの駄目、くすぐったい」


 駄目らしい。まぁ確かにいきなり触るとかセクハラだしな。この世界にあるのかセクハラ?


「とりあえず俺達はこの図書館のお客さんだ。で、ここって何か入場料的なもの払ったりするのか?」


 日本じゃまず金を取られることはないのだがここは異世界だ。そういうので捕まりたくはない。警察的な役割のがいるかどうかは知らないが。


「ん…………2時間300G」


 おおう、結構高い。でもそうか、魔法とか特技を覚えれるんだもんな。初見でこの広さは金の無駄使いに思えるかもしれんが通えばそれなりになんとかなるだろう。段々効率良くなっていく。


「あ、そうだ。それと魔法陣展開の練習してていいか? 付与魔法にするからもし魔法が発動しても害はないんだが」

「…………問題ない」


 良かった。ついつい癖で出しちゃうんだよな。それだけずっとやってるってことなんだが。

 最近ではルナも結構やっているのだ。既に展開速度早いのだがもっと早くしたいらしい。


「…………付与魔法、覚える必要ある?」

「俺は鍛冶師だからな。覚えとかないと戦えなくてな」

「…………鍛冶師は普通戦わない」


 そうなんだよな。でも実際に戦うしむしろ最前線の一番危険な位置だ。もちろん弓を練習すれば後衛にもなれるというオプション付き。真価を発揮するのは前衛だろうけどな。


「ご主人様は戦う鍛冶師様です」

「そうそう。世界最強だぞ」


 上級属性魔法を覚えた今ではもうゴブリンキングすら敵ではない。もちろん上級属性魔法は魔力消費量的に1日に使える回数が限られているので基本的には中級属性魔法となる。特級属性魔法も覚えたいのだがまだまだ難易度が高く、ルナに他の魔法から手を出した方が良いとオススメされた。


「…………今話題持ちきりの?」

「ん? 流石俺。もうこんなにも話題になっているとは」

「歴史的快挙ですから」


 確かにそうらしい。未だにゴブリンキングを見つけたものはおらず、またその核を入手することすらない。今現在では世界で一番貴重な国宝と言える。


「ということでとりあえずそうだな……2時間ごとだからひとまず夜までの6時間だな。1800Gでいいのか?」

「ん…………」


 金を渡すと美女はそれを受け取ってカウンターへと戻っていく。


「なぁ、出来ればでいいんだが本の場所とか教えてくれるとありがたいんだが」

「…………よく知らない」

「そうなのか?」

「ん…………読むの禁止されてる」


 それは不便な。でもここで働いて読み放題とかだと俺もバイトしたくなりそうだ。1年で使える魔法どんだけ増えることか。


「そうか、なら仕方ないな」

「…………ごめん」

「気にしなくていいぞ、えっと……。そういやまだ名乗ってなかったな。俺の名前は萩 刀夜だ。よろしくな」

「ルナと申します。よろしくお願い致します」

「…………アスール・メディコ」


 アスール・メディコね。メディコって言いにくいなおい。


「アスールって呼んでいいか? 俺のことも刀夜でいいから」

「え? どういうことですか?」

「ん?」


 何でルナの方が反応するんだ?


「お名前は萩なのでは……」

「へ? いや、名前が刀夜で苗字が萩だけど」


 何で今更そんなことを。…………ん? そういやこの世界って。


「あ、あー……俺のいた世界では苗字、名前の順なんだ。だから名前は刀夜だ」

「そ、そうだったのですか」


 もしかしてリアが俺のことを刀夜っていきなり呼んできたのもそれが理由とか? だとしたらいきなり俺が名前で呼んでて馴れ馴れしいみたいになってたんだな……。


「…………刀夜とルナ、覚えた」

「まぁいいか。よろしくな、アスール」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ