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特別編ルナ視点第5話 ど天然は可愛いらしい

「ん……んぅ……」


 目を開けると見慣れた天井でした。あ、あれ? 私、いつの間にご主人様のベッドで寝ていたんでしょうか?


「えっと……確かご主人様の銃に魔法陣を組み込む作業をして……」


 あ、あれ? その後に何をしたのか覚えてません。ぼんやりとご主人様を眺めていた気がするのですが……。


「ご主人様は……?」


 隣にもいませんしもしかして私をここまで運んでくださったのでしょうか?


「今何時でしょう?」


 近くにある時計に視線を向けますと既にお昼前でした。わ、私もしかして凄く寝てしまったんじゃないでしょうか?

 慌てて居間へ向かうとご主人様が軽く身体を伸ばしていました。他の皆様ももう起きています。


「あ、おはようルナさん」

「おはようございます」

「刀夜くんから話は聞いたよ? 凄いね、たった1日で銃を完成させたんだって?」

「え!?」


 そ、そうだったんですか!? あの後もご主人様は1人で……。いつもこんなことをされていたんですね。


「あぁ、まぁ出来たのはさっきだけどな。流石に1回作ったことのある武器なら余裕だな」


 ご主人様はコーヒーを少し啜ると一息吐いていた。さっきということは今は休憩中ということでしょうか?


「す、すみません。眠ってしまって……」

「いや、お前むしろ普段のエッチの時以上に起きてたぞ?」

「あらそうなの? 頑張ったじゃない」


 なんだかとても甘やかされてます!?


「あの、ご主人様」

「ん?」

「銃の性能試験なのですが……」


 性能試験はとても楽しみですがその前にすることがあります。


「あぁ、早くやりたいよな」

「いえ、そうではなくてですね!?」


 ご主人様はとても働き者です! ワーカーホリックです!


「むしろお休みになってください!」

「え、お、おう? いや、でも時間ねぇんだぞ?」

「駄目です! お休みいただけないのならご主人様を縛ってでもお休みさせます!」


 ご主人様は今までもずっとこのようなことを繰り返していたんですね。これは身体に悪い上にご主人様が普段どれほど苦労されているのかがよく分かりました。


「縛られたら休むもクソもないんだが……」

「では時間を浪費したくなければ大人しくお休みください」


 既に眠ってしまった私が言ってしまうのは申し訳ありませんがご主人様にも休息は必要です。いえ……頑張ってるご主人様ですから余計に休息を取っていただきたいです。


「んー……でも5日だろ? うーん……」


 ご主人様は腕を組んで考え込んでいました。なんとしてでもこの期間内に方向性を見出しておきたいのかと思います。


「それならこうしちゃいます!」

「え」


 私はご主人様の膝の上に乗りますとそのまま抱き締めます。胸に抱き寄せてしまいますが仕方ありません。


「ちょ、おま」


 ご主人様がやんわりと押し退けようとしますが離しません。ご主人様は私達に対して酷いことはなさらないので力を込めるともう受け入れるしかありません。優しいです。


「私がご主人様を縛っちゃいます」

「これむしろご褒美じゃねぇの?」

「ご褒美ですか……?」


 どこがご褒美なのでしょうか? ご主人様の行動を制限しているのにご褒美……?


「やっぱり天然ねあなた……」

「うーん……これは私もフォロー出来ないね……」

「えぇ!?」


 私そんなに変なことしてますでしょうか!? 皆様にはこれがご主人様にとってご褒美になっていることが分かっているみたいです。


「そもそもお前飯食わないと駄目だろ」

「ご主人様が寝てくださるから食べます」

「俺が寝ないって言ったら食わないのか……」


 どうやらご主人様は1つ忘れているようでした。そもそもですが……。


「精霊は食事を必要としませんが……」

「え? …………あ、そんなことも言ってたな」


 精霊は契約者の魔力を補給して生きています。つまりは食事をして身体の中で栄養を作る必要も魔力を吸い込む力を蓄える必要もありません。常に供給しているのですから。


「でもそれだと寂しいな」

「…………そうですね」


 2人きりの頃に言われた言葉を思い出しました。ご主人様はこうおっしゃっていました。『1人で飯食う方が悲しいだろ?』と。

 あの頃から色々ありましたがやはりご主人様の根本的な根っこの部分は変わってません。やはりお優しいです。大好きです。


「ですが今回は別です。確かに食事を取るのがもう既に当たり前になっていますが今日はいりません。ご主人様にお休みいただきます」

「ちょっ……誰か助けてくれ……」


 ご主人様が他の方々に助けを求めます。ズルイです。


「刀夜殿もまだまだ元気だ。大丈夫じゃないか?」


 コウハ様がすぐに反応しちゃいました。ご主人様のことを理解しているといえばいいのでしょうか……近しい感情を持っているのはコウハ様かと思います。2人とも凛々しい雰囲気が似ているせいでそう感じるのかもしれません。


「……駄目です」


 私は極力にっこりと微笑んだつもりだったのですが瞬間的にコウハ様は顔を蒼白とさせてしまいました。な、何がいけないことがありましたか?


「す、すまない……」

「る、ルナちゃん落ち着きましょう?」

「ん…………」


 あ、あれ? 皆様怯えていらっしゃいます? それに私は全然落ち着いているのですが。


「俺も大人しく休むわ……」

「え? え?」


 何故かご主人様まで視線を逸らしていました。わ、私やっぱり天然なのでしょうか!? 何かしてしまったのでしょうか!?


「というわけでルナ、ちょっと離れてくれ」

「は、はい……」


 私が離れるとご主人様はコーヒーを一気に飲み干します。そういえば……カフェインを摂取すると眠くならないのでは……?


「さて、行くぞ?」

「え、あ、ど、どこにですか?」

「…………俺のこと縛るんじゃなかったっけ」


 そ、そうでした!


「はい!」

「言葉だけ聞いているとルナちゃんがドSに聞こえてしまうわね。…………事実だけれど」

「マオ様?」

「ひゃい!? な、何でもないわよ!?」


 何でもなくはなかったです。私は別にドSじゃないです!


「いいから早く行くぞ」

「え、きゃっ!?」


 ご主人様に抱っこされてしまいました。お姫様抱っこです!? もしかしてお昼頃から私は致してしまうのでしょうか!? 昨日は動きやすさ重視で可愛い下着つけてないです!?

 ご主人様のお部屋でベッドに寝かせられてしまいます。も、もも、もしかして本当に!?


「ご、ご主人様! 寝るだけですよ!? お休みになるだけですからね!?」

「……? あぁ、一緒に寝るだけだろ?」

「はい、寝るだけです。…………うん? 一緒に?」


 一緒にって私は元々寝る予定はありませんよね……? 既に眠ってしまった後ですし……。

 ま、まさか! ね、寝るというのはそちらの意味ですか!? 違うんですご主人様!


「わ、私は寝ませんよ!?」

「いや、だから俺を縛っておかなくていいのか?」

「それはします!」

「なら一緒に寝るんだろ?」


 えぇ!? そ、そういうことになってしまうんですか!?


「ほら早く」

「実はご主人様楽しんでませんか?」

「あぁ、楽しみだな。まぁ俺も男だしな」

「や、やっぱり!」


 本当にそんなことしてしまうんですか! そ、それなら私は着替えたいのですが!


「んじゃおやすみ」

「え? え?」


 ご主人様は寝転がると私の胸元に顔を埋めて目を閉じました。あ、あれ?


「ご主人様……お眠りになるんですか?」

「ん? いや、寝て欲しいんじゃなかったのか? 俺を縛って」

「は、はい……あ、あれ……?」


 なんだか上手くいってます? ですがご主人様は先程から……も、もしかして私の勘違いですか!?


「……? どうした? 顔真っ赤だぞ」

「私のこれは勘違いです!? ってご主人様も真っ赤ですよ!? か、風邪ですか!?」

「風邪じゃなくてだな……。お前恥ずかしくないのか?」

「え?」


 恥ずかしい……ですか? 確かに恥ずかしい勘違いをしてしまっておりましたがご主人様は勘違いされておりませんよね?


「う、うーん……な、何かございますか?」

「お前本当に天然だな……。いや、ど天然か」

「ついにどが付いてしまいました!?」


 どというのが付くとそれだけでとても位が上がった気がします! ドSやドMという言葉があるくらいですから!


「私天然じゃないです!」

「じゃあさっきなんでマオ達がお前のこと天然だって言ったと思う?」

「えっと……もしかして素っ頓狂なことをしてますか?」

「いや、そうじゃなくてだな……。うん、そういうところが天然なんだと思うぞ……」

「え?」


 こ、こういうところですか……。いえ、これは私の不名誉な評価を一新するチャンスでもあります。なんとか考え付かなければ……!


「えっと……あ、もしかしてご主人様は元々お休みになるおつもりでしたか?」

「いや、性能試験するって話だったろ……?」


 そうでした。それじゃあその……。


「ではご主人様が嫌がっていましたか? …………考えただけで泣きそうになってきました」

「それもないっての。はぁ……やっぱりお前はお前だな……」


 ご主人様に呆れられてしまいました。やっぱり私は天然なのでしょうか……もう認めるしかないのでしょうか。


「そういうど天然なところも可愛いんだけどな」

「そう言ってくださるのは嬉しいですが……私としてはあまり好ましくない評価です」

「そんなこと言ったら俺の鈍感もそうだぞ。好ましくない評価だ」


 確かにその通りだと思います。


「まぁちょっとくらい弱点がある方が可愛げがあるものらしい。お前らの弱点は大体把握してるつもりだしそこを含めて俺は好きだぞ」

「ご主人様……」


 そんな素敵なことを言われてしまうと天然も悪くないって思えるじゃないですか。私もご主人様が鈍感なところも好きですし。


「それでどうして先程はお顔が真っ赤だったんですか?」

「あ、そこ掘り下げるのか。…………この体勢はちょっと恥ずかしいんだよ。お前は何故か平気そうだけど」


 この体勢? 胸元にご主人様を抱き寄せて……お、おっぱいと近いです!?


「す、すす、すみません!」

「あぁ……そういうところが天然なんだろうなと俺達は思っただけだ」


 なんて恥ずかしいことをしていたんでしょうか!? たしかに普段愛おし過ぎる時にはしてしまいますが普通にしてしまいました! そんなの意識しないわけないですよね!?


「でも言い出したからには今日は諦めてもらうぞ」

「え?」


 ご主人様は私の背中に手を回すと胸元にギューっと抱き着きます。な、なんでしょうこの可愛さは! ご主人様可愛いです!


「んじゃ、今度こそおやすみ」

「はい! おやすみなさいませ!」


 ご主人様が可愛過ぎてもう私は満足です。少し恥ずかしいですがそれ以上に愛おしいです。ご主人様大好きです!

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