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プロローグ

異世界傾奇道中とは違った感じで、頭馬鹿にして書いてみたい作品です。

というか作者は頭からっぽです。

 死んだ。

 きれいに、死んだ。

 誰も夢にも思わねぇよなー。

 まさか自然発火で死んじまうなんて。

 朝学校に向かおうとしてたら、ボンっ。だもの。

 不思議なことにあまり熱くはなかったけど、きっと死の間際にはそんなものなのだろう……

 死んだのは間違いない。なにせ、目の前にこんな奴がいるのだから。


「いやぁまじごめん。殺すつもりはなかったんだけどさぁ。ほんと。違う世界に送ろうとしただけなんだってまじで!」


 などとほざいている自称神を名乗る、神官っぽい服を着ている女。

 気が付いた時に、この宙に浮いてるんだか地に足ついてるんだかわからない不思議空間だったから、きっとここがあの世なのだろうなと思ったとたん、こいつが現れた。


「違う世界に送るってどういう事だよ。というか犯人お前か?」


 笑いながら謝ってくる女に、事情を説明しろと迫る。

 というか、にわかにはそういった存在は信じられないのだが……

 

「いやね? 神の間で流行ってる遊びがあってさぁ。それが、自分の管理する土地の人間を異世界に送り出して、どんな活躍するか眺めるってものなんだけど、あ、私の担当が日本ね。アマテラス知ってる? アマテラス。私、私」


 いまにも「うぇ~い」とか言いだしそうなノリで、自分自身に指をさす自称女神。

 うそつけ。


「ここがあの世だからって、不敬罪に問われかねないぞそれ」


「おい信用してないだろ」


 信用なんてできるわけがない。

 そもそも死後の魂とか信じてたわけじゃないし、ライトノベルとか読んでて、死んだら異世界転生できたらいいなぁ……とか考えたりしてはいたけど、現実にそんなことがあるわけ……あるんですかそんなことが?


「そんな訳で適当に君を選んだんだけど、適当ついでに術式間違えちゃってさテヘペロ」


「舐めてんのかこら」


「ごめんごめん。まあ、どちらにせよ向こうに送り出すから、生き返るみたいなものだし、いいじゃない」


 そりゃ苦しまず死ねたといえば死ねたし、異世界転生とか一つの夢だったから個人的にはなんの問題もない気もするが、扱いが気に食わん。

 いやまて、ひょっとするとあの体が燃えたのはなにかドッキリ的な演出で、何かしらの薬物でこのよくわからん空間に拉致されたのかもしれない。

 ……いやないな。俺みたいな一般人にそんなことして特になることはないし。

 仕方ないので、とりあえず自称女神に話を合わせて会話してみる。 

「で、異世界ってのは、どんなとこに送られるんだ?」


「いくつかあるけど、今回は手違いもあったし選ばせてあげる。特典も付けちゃう」


「へぇ。特典って?」


「あなたたちの世界でいうチートみたいなものよ。望みの願いをかなえて進ぜようっ……て言えばわかりやすい?」


 なるほど。つまり死に戻りとかエスパーとか最強補正をつけられるってことか。いや死に戻りは嫌だな痛そうだし。


「本当はそういう能力与えると、無双するだけで面白くなくなっちゃうからそのまま送り出すんだけどね。サービスサービス」


「で、いくつかある世界ってどんなの?」


 エルフやドワーフのいるファンタジー系も捨てがたいが、個人的には近未来SFとかが好みだ。

 宇宙世紀とかでガンダム的なロボットを操ってエースになってみたい。


「まず現代から1000年くらい先の地球っぽい世界観でしょ? それと王道のファンタジー世界でしょ? あと、人類とかいないジャングルちほーとか、世紀末世界もあるわ」


 なんか後半やばい雰囲気なかった?

 人類が丸々いないとか誰に需要があるんだよ。

 ともかく……


「それだ、最初の千年後くらいの世界観ってやつ。千年も進んでれば、少なくともコールオブデューティーの新作レベルの技術力とか、人間の乗れるようなパワードスーツとかあるだろ?」


「んー。ちょっと違うけど近いかな。じゃあ行先はそことして、ほかに個人的な願いはある?」


 そうだな。どうせ生き返るなら、女子になってみたいな。割と、おしゃれとかしてみたい願望あったし。あの歌の内容を実践できるときが来るとは夢にも思わなかったが……。

 あ、でも女の子大好きです。

 それとチート的な能力については、チート級のロボットとかでいいだろう。


「じゃあさ、まず転生するときに女にしてくれよ。男の人生も悪くないけど、どうせ生き返るならなってみたい。あ、美少女じゃないとだめだからな。あと、チート能力は、能力というよりチート機体が欲しい。あ、でもコーディネーター的な身体能力はほしいかも」


「け、結構がつがつくるね……。女子でチート機体ね。まあ、特典って言っても与えすぎると私がつまらないから、これくらいにしとくわね」


 生き返らせてくれるのはいいが、なんかこいつの娯楽趣味目的の道具みたいでむかつく。

 まあいいか。前の人生もそれなりに面白かったけど、こんな楽しそうな体験はできるものじゃない。

 いっそのこと、まるっと新しい人生でエンジョイしてやろうじゃないか。


「それじゃ、これからの人生に幸あらんことを…………ごにょごにょ……あ、やべ……ごにょ…」


 選別の言葉を送った後、何やら呪文めいたものを唱え始めた。

 やがて周りの景色がぐるぐると回って、どんどんまぶしくなって……おいまて、今なんか「あ、やべ」って聞こえたけど……!?


「そ、それじゃあ、頑張って楽しませてねー。暇があったら語り掛けるからさぁ」


「お前いま絶対失敗したろ!? おい、これちょっととめ……!!」


 言い切ることもなく、俺こと如月悟志は異世界へと転生させられたのである。

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