第15話:『ブ(以下略)』肝試し大会[その4]
うん、いいペース。
この調子で頑張ってこうと思ってます作者です。
ではどぞ。
<再び幽魔、綾組>
―ドガーン!バキッ!!―
「ギャー足が、足がぁぁぁー!!!」
………肝試しに悲鳴は付き物。それはオレでも知ってる。……でもさ、そこらへん配慮しても――
――おかしいだろこれ!?
今折れたろ、折れたよな足!?
「なぁ綾…」
「ん…?」
縮こまってる綾。そのへんはすっごく珍しくい。いつもとは大違いなその表情に、こいつもこんな顔すんだねぇ〜なんて感慨に浸ることもなくオレは問う。
「これさ…肝試し…なんだよな?」
「あにさんはそう言ってたわね…」
「おまえさ…肝試しで足が折れることあると思うか?」
「………」
沈黙…。なぁ、考えることなくね?
「肝を試すことに変わりはなかろう!」
今のは綾じゃない…。綾は口を開きかけたまま、目を驚きで大きく見開き固まっている。…オレのもっともな質問に答えたのは、さっきまでいなかった第三者。
当然の如くオレはこう叫ぶ。今の状況でこれ以外の言葉を発するやつはおそらくいないだろ。
「誰だ!」
「私だ」
かなりいいテンポで返事が返った。…いや、ちょっとまてや。
「だから誰――」
だ!という前にもう返事が返る。
「だから私だ!」
…なんて言えばよかったのでしょう?『誰だ』以外に。
「……な…名前を言いやがれ!」
「言わん!」
…………あ、わかった。きっとこの人は…
「あのー…一つ聞いてもいいですか?」
「かまわんぞ。申してみぃ」
「介護士さんとはぐれちゃったのかな?…おぉ可愛そうに。見た目はおやじ、頭脳は子供なんだね?おにいさんが一緒に探してあげようか?な、綾?」
「え…おやじはちょっと…」
「違うわ!私は健常だ!くー…ここまでむかつくやつとは。液状になるまでげちょんげちょんにしてくれる!」
げちょんげちょ……
『グロッ』
「くくく…逃げても無駄だぞ」
聞いてないし……まぁいいや、敵なら潰す。それだけだ。
「綾、すぐ終わる。ちょっと待ってろ」
「…わかったわ」
近くの岩影に隠れた綾。
「来いよ。隠れてねぇで」
―シュッ―
「かっこつけおって。それがむかつくというのだ」
木から飛び降りたそいつは…全身真っ黒、この暗闇の中ではよく見えなくなる。そう、それは戦国時代にいたという和製スパイ。
…もうわかったろ?忍者だ。
――ふーん、忍者ね。
え、なぜそんな落ち着いてるかって?
オレは、こんなのよりもっとやばい、空想の作り物…と思ってた、兄曰く魔法使いやらの存在を知っちまったんだ。こいつは実際に実在してたんだ。こんなのじゃもう驚きゃしねぇ。
ま、前なら驚いてたろうけどな。
「ふ、この姿にぴくりとも動じぬとは…いい勝負になりそうだ。本気で行くぞ!」
そいつは顔に着けていたマスクを外した………のわっ!!!
「ブサイクゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!?」
そう、小さな「ゥ」が十個もつくほどブサイクゥ…(以下略)だった。
「やっべ、ちょーブサイク!うわっ!やめろこっち見んな!キモイキモイキモイキモイキモイ!!!」
「一番気にしていたことをぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!だから貴様はむかつくのだぁ!」
さっきと全然口調が違うブサイ(以下略)男は腰蓑から爆弾らしきものを取り出し…。
「もうやだぁ〜死んでやるぅぅ〜」
―ドグワァァァァン!!!―
塵になった♪
……………
「……終わったぞ、綾」
「ホントにすぐ終わったわね…」
「ん…あぁ…。とりあえずさき進もうぜ…。よかったな綾。あのブサ(以下略)男の顔見てなくて」
「『ゥ』がそんなにつくほどブ(以下略)だったの…?」
「あぁ…。う、思い出したら吐き気が…。とっとと行くぞ…うぇ…」
<ひどい言われよう…>
(以下略)な人でした。
どんだけ(以下略)な顔なんでしょうね。見てみたい気もする…いや、やっぱ遠慮しとこ。
どんなことでもいいんでコメントお願いします。初心者なもんでこの小説おもしろいんだかつまんないんだかさっぱりな作者なもんで…いやはや。 えと、次回は明日更新する予定(たぶん)。