第11話:ぼーいずどりーむ。それは…
サブタイトル名のまんまです。
男の夢。成し遂げられるのか!?
―混浴―それは男のロマンである。
えー、次期内閣総理大臣候補。清水颯太でございますっ!。
私が当選した暁には全ての温泉という温泉をみーんな混浴にして、世の男たちの夢、毎日がうっはうはなどりーむらいふを実現してみせようではありませんかっ!。
『わーわー!いいぞ颯太ぁ!』
あぁ…大歓声が聞こえる。…うーん、どりーむ。
えー皆様ありがとう。私はその期待に応えるため――
「おい、変態。なんか変な妄想してたろ。すっげぇ間抜けな顔になってたぞ」
ぬっ…俺のどりぃむな妄想の邪魔をしおって。このツッコミ魔人めっ!
「ま、お前のことだ。将来首相にでもなって、のぞきをしても罪にならないような国にしたいなぁ的なことでも考えてたんだろ、違うか?」
「へ?いやそのぅ…」
ぐぬぅ…ちょっと違うけど趣旨はあながち外れてないから反論できない…。ていうより、ホントの俺の妄想の方がスケールがでけぇ。
紹介遅れまして只今入浴中の颯太でっす。
…へ、女の子視点にしろって?そんなの作者に言えってっ。俺は知らないよーん。
俺は今ショックを受けているのだっ。あ、変態って言われたことじゃないぜっ。
それはちょっと前のこと…
<回想入りマース>
「えぇー!?混浴じゃないのっ!?」
「はい。今も昔も混浴なんてかなり少ないですからね。」
「いや、考えてもみてくださいよ大地さん。ここは北極です」
「いや、違うだr――」
ユウ。君は何でもつっこみすぎだっ。無視させてもらうぞ。たまには無視される者の気持ちを味わうがいいさっ。
「北極の動物たちはオスは雄湯。メスは雌湯なんて分けたりしてるでしょうかっ?」
「オイ、動物は温泉入らな――」
「だからこの北極(偽)でもご本家を見習って混浴にすべきだと思うのですっ」
「おぉっ!そんな見落としがあったとは…そう言われてみるとそうですね。ではさっそく手配を――」
くくく…計画通り。
「まてやこらぁ!」
うおっ!
「そんなのおかしいでしょうが。大地さんだまされんなぁ!」
う、綾ちゃん…素がでてるよっ?
「大地さん。私たちは人間です。そんなことしたら、私たちも含め女性客の方々からクレームがどっさり来て、ここ…潰れますよ?というよりも潰しますよ?」
楓ちゃん地味に怖い…。
「そうです。二人の言う通りです。そんな変態の言うことを信じないでください。…ったくさっきから無視しやがって。」
――今のがトドメとなり、「北極温泉混浴化計画from颯太」は失敗に終わったのだった…。
はい、回想終わりっ。
スンマセン男性諸君。そんなわけで俺は軽く気持ちが沈みぎみなのです。…しかぁし。いつか必ず首相になって「世界温泉混浴化計画from颯太」を成し遂げてみせますっ。
あ…でも世界は無理かなっ?
ま、いいや。にしても温泉っていいねぇ。大地さんのことだし温泉も北極スタイル?とか思ったけど、ちょっと周りに氷っぽい物があるだけで普通だし(え、普通じゃない?)。…見てよこの風景。みんなそれぞれ違った温泉の楽しみ方をしてる。
しかめっ面して俺を睨んでるユウ。
ブツを思いっきりオープンしながら鼻歌歌ってるお兄さん。
ぶくぶく沈んでぶつぶつ言ってる尋。
は?最後変だったぞっ?(二個目も普通じゃないけど)
「ぶくぶく…また僕の出番が少なくなってる…。颯太、でしゃばんな。作者、くたばれ…ごぼごぼ…」
んー…、まぁ人それぞれでしょっ。
「なぁ颯ちん」
「なんですかっ?」
「のぞき…しようぜ」
「オフコース!!!」
ははは、さすがお兄さん。わかってるなっ。
「何話してんだお前ら」
「ぶくぶくぶく…」
「君たちは邪魔」
―バチッ!!!―
「ぐあっ!!」「ゴブォ!!」
「これで邪魔者はいなくなった」
…ちょっとやりすぎではっ?
「というわけで温泉といえばのぞき!それはわかってるだろ?」
「もちろんっ」
どうせなら混浴で罪も犯さずじっくりと眺めたいとこだけどなっ。
「では颯ちん。計画を説明する。まず兄が男湯と女湯の敷居をぶっ飛ばし……女性の裸体が…オォッエクセレンッ!!!となる。以上だ。尚、『それのぞきじゃねぇじゃん』とかいうツッコミは受けつけん」
俺やることねぇ……まぁいいや。男性諸君には悪いが、一足先にどりーむを体験だっ。
「わかりましたっ。ではお願いしますっ」
「いざゆかん…」
――と、そのとき。
『まてやぁ!!!』
「うわっユウ!尋!」
―ドガッ!バゴッ!―
幽魔は兄を、尋は颯太をぶっ飛ばした。
「変態め…」
「くそっなぜお前ら動けるのだ…?」
「兄さん。僕ら兄さんの弟だよ?」
「あ、そだった……幽魔はわかるが尋君…なぜ?」
「僕が活躍できるチャンスは逃さない。…それだけだよー」
「…なにそれ?」
「どうでもいいだろ。とりあえずくたばれ」
―ドギャッ!!!―
<かくして二人の悪事は未遂に終わり、世界に平和が戻ったのだった>
――温泉から上がって
「ったく。こいつら何考えてんだか」
「あ、幽魔、尋、早いわね…あれ、この二人どうしたの?くたばってるわよ?」
「あぁそれがな―――」
『最っ低!』
―バチンッ!!!―
そして二人はそのまま深い眠りについたのだった(ただ寝ただけ)。
ま、結局こうなるのでした。
えー、あと、ソウタは兄の秘密を知ってるという前提での話でした。 これで一日目やっと終わりです。
明日は肝試をやります。男一人女一人のチームが二つと、野郎が三人のチームが一つ…となる予定。