表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/23

街中探索

「神様の兵隊のくせに貧乏って絶対におかしいよねっ」

最初は当然レベル1…なのは良いとして、所持金0って何?

一応初期装備で皮鎧と短剣は装備してるんだけどさ…。


とりあえず情報収集とかもしないとだし、お互いの居場所とかレベルとかがわかるようになるフレンドカードなるものを交換して、それぞれ単独行動中。


街中を歩いた限りでは前回とおおよそ同じ作りな模様。

中央に噴水と死亡時とかに戻る復活ポイントがあって、南に商店街、その奥にお城、北は街の出口。

東西にはそれぞれ教会と前回はなかった居住区がある。


居住区の門をくぐり抜けるとマイルームに入れて、そこでは色々な事ができる。


当座使わない荷物をクローゼットに閉まっておく事もできるし、要らないものを店に出品する事もできる。

出品は雑貨屋に売るのと違って自分で値段を設定出来て、欲しい人が同じく出品リストを見ると、現在出品されている全物品のリストが表示されて、購入する事ができる。

その購入ももちろんマイルームで行う。


あとは…日記。

ゲーム内ではもちろん、公式HPからアクセスしてつける事もできて、さらに希望者は公式HP内で公開する事もできる。

ようはゲームに関するブログみたいな感じだね。


あとは…公式HPの内容を見られる水鏡なんて物もあって、今現在行われているイベントとかも確認できてなかなか便利だ。


とりあえずマイルームでできるのはそんなところで…街中を歩いてると前回とは違ってたくさんの参加者とすれ違う。


始まったばかりのゲームだからまだみんなレベルは10未満て感じ。

ジョブは見たところウォーリアやガーディアン、ベルセルクといった近接ジョブが着る金属鎧が目立つかな。

あとはウィザードもなんだか多そう。


まあ…シーフなんてジョブ選ぶ人間は早々いないのか、茶色の皮鎧はみかけない。

意外にエンチャも少ないみたいで赤いマントもいないな。

ポーションが比較的安いせいかプリーストも少ない予感。


まあ…前回のあれやってたら、次第に安いポーションじゃ回復足りなくなって、大金はたいて高い薬品を買う事になるのはわかるんだけどね。

このレベルだと必須感がないんだろうな。

狙ってる対象がネットゲームのライトユーザーなだけあって、みんな深く考えずにとりあえず物理的に強いジョブを選択してるぽい。


あと前回はなかった機能といえば…ショートカット。

装備変更や魔法などをファンクションキーに割り当てて自動でできる機能が追加されている。


その他には…ジョブごとにテクニックと呼ばれる技ができた。

テクニックはグループテクと単体テクに分かれる。


グループテクは3種類に分別されたグループごとのテクで詳細は以下の通り

----------------------------------------------------

○ウィザード、プリースト、エンチャンター

 各魔法=テクニック

○ウォーリアー、ガーディアン、ベルセルク

 ディフェンス=防御倍、オフェンス=攻撃倍(両方同時に発動はできない)

○アーチャー、シーフ

 隠れる=敵にみつかりにくくなる

---------------------------------------------------


さらに魔導師3種以外はジョブごとに以下の単体テクが追加

--------------------------------------------------

○ウォーリア

 プロヴォケーション=敵の注意を自分に引きつける

○ガーディアン

 守る=対象者の代わりに攻撃を受けて守る

○ベルセルク

 バーサク=攻撃倍、防御半分になる

○アーチャー

 コンヴァージョン=HPを半分削って大ダメージ

○シーフ

 トロット=移動速度2倍

○ドラゴンウォーリア

 ライド=自分を含めて二人まで竜の背に乗り飛行移動できる。

 フュージョン=戦闘時に竜と融合してその力を使う事ができる。

○モンク

 相打ち=自分の攻撃が必ず当たる代わりに敵の攻撃も必ず当たる

 再生=自分の最大HPの3分の1を回復。ただし使用できるのは5分に1度。

----------------------------------------------------

モンクとドラゴンウォーリアに関してはグループテクがなく、代わりにジョブテクが2種類ある。


ってことで一気に並べるとなかなかややこしいな。

まあこのあたりはおいおいって感じか。 


試しにトロット使って街中疾走してみた。快適♪

シーフ自体が珍しい事もあって、周りが不思議そうな目をむけてくる。

ふふっ♪


とりあえず街を一周して中央の噴水に戻ったところで、私は他の3人のPCを覗き込んだ。


ユートは…せっせと魔法をショートカットにセットしている。

エンチャはかける魔法多いもんね。


フロウちゃんは…いきなり釣り。

「竿どうしたの?」

と聞いたら、最初の支給品の薬を全部売ったお金で一番安い竿と餌を買ったとのこと。

自己回復できるプリーストならではの選択だね。


んで、最後にコウはいきなりせっせと戦闘してる。


「コウ…何してんの?」

「金稼ぎ」

「なんで?どうせならみんなで行こうよ」

私が言うと、コウは眼前の敵を倒してアイテムを取得して街に戻った。

そのまま雑貨屋さんに直行してアイテムを売り、今度はお城に向かう。


「普通のな、パーティやる前に買っときたい物があるから」

と、城の中の一室に入った。

中には長衣を着たNPC。

そのNPCに今稼いだお金をトレードしたコウは、丸いアイテムを受け取る。


「何?それ」

私の言葉にユートとフロウちゃんも手を止め、コウのPCを覗き込んだ。


「ん、ギルドクリスタル。

今回のゲームではギルドっていうサークルみたいな物作れるんだ。

んで、このクリスタルをつけてるとどこで何しててもメンバーの状態わかるし、ギルド会話ができる」


ほ~、そんな物があったんだ。


「というわけで、だ、ギルドネームはどうする?」

コウは私達を見回した。


「えっとね…」

口を開くフロウちゃんにコウは苦笑いを浮かべる。


「姫…あんまりすごい名前は勘弁な。一応…俺やユートもつける事前提に考えてくれ」


あ~確かに…。

フロウちゃんが考える名前ってなかなかすごい物になりそうだ…。

フロウちゃんはコウの言葉に少し首をかたむけ、じ~っとコウを凝視した。


「じゃあ…ねぇ…Hemp palm…かな。コウさんのイメージで♪」


え~っと…

(ごめん。私さ、学ないからわかんない、どういう意味?)

コソコソっとユートに聞くと、ユートも困ったように首を横に振った。


でも私達に学がないわけじゃなかったらしい。

日本有数の名門高校からT大現役合格のコウですらわからないらしく、

「それどういう意味だ?」

と、聞いている。


「えっとね、棕櫚を英語で♪」

ごめんね…日本語で言われてもさらにわからないんですけど…

ユートも同じくらしい。


コウはかろうじて

「え~っと…植物の名…か?」

と自信なさげに聞き返した。


その言葉にフロウちゃんはうんうんとうなづく。

「えっとね、ヤシの一種♪」


「アロハ~なイメージなの?姫の中のコウって…」

思わずユートが聞き返すと、フロウちゃんはフルフルと首を横に振った。


「花言葉がね、勝利とか不変の友情とかなのですっ。」

おお~~~なるほどっ!ぴったりだっ。


「へ~、いいねっ」

ユートもうんうんうなづいた。

コウも

「姫…変な所で博識だよな…」

と、驚いた目を向けつつ、じゃ、それで、と、ギルドクリスタルに名称を付ける。


そしてコウはその親クリスタルから分割した子クリスタルをそれぞれ居住区と噴水前にいたユートと私にそれぞれ届けに来た。

フロウちゃんもいったん釣りを中断して街に戻るとクリスタルを受け取る。


それを装備するとキャラ名の上にギルド名が表示された。

これ…確かに痛い名前つけるとつらいよね…装備するの。


意外にセンスの良かったフロウちゃんの命名でギルド名も無事決定。

こうして私達のネットゲーム生活は再び始まった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ