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第8話 馬車の旅を始めた結果

クリスに準備をさせている間に王様へ報告とあいさつをするため、玉座へと向かう。

あらかじめメイドさんに連絡してもらっているので、たぶんいるだろう。


玉座では王様へ今日の昼に出発する報告と、クリスを連れていくことを報告した。

クリスを連れていくことには文句こそ言わなかったものの、つらそうな顔をしていた。

それもそうか、一人娘を危険な旅へと連れていくと言っているのだから。


しかし、王様として、王国の代表として、この旅での勝算を少しでも上げるため、苦渋の選択をしたのだった。

クリスは魔法使いとしてはかなり優秀だという。

いくらスペックが高いからと言って、一人での旅は危険が伴う。

それ相応の実力があれば、パートナーとなりえる。

そういった意味で、実力のあるクリスは適任といえる。


「決して守ってくれとは言わん。しかし、娘を、よろしく頼む。」


まるで娘の結婚相手に言うようなセリフの王様。

送り出すという意味では似たようなものか。


「任せてください。」


どちらにせよ死なせるつもりはないし、ここに置いていくよりも確実に生き残れるだろう。


そのあとは当面の目標を話し合った。

王様としては東の地にある魔人族の砦『サルベスト城』をつぶしてほしいということだった。

全部の拠点をつぶすのがベストだが、そんなことをしていてはいつまでたっても王国からは離れられない。

魔人族の規模を見る限り、頭を倒したほうが手っ取り早い。

そういった意味では最低限の拠点潰しをしながら、一気に魔王へと進んだほうがいいだろう。


サルベスト城はアルトルージュ王国の周辺にある拠点の中で一番大きく、そこそこ近い地点にあるという。

また、アルトルージュ王国周辺の拠点の指揮をしているということもあり、ここを潰せば指揮系統は混乱を招き、時間を稼ぐことができる。

さらにサルベスト城より北に進むと獣人族の国があるそうだ。


「では、当面の目的地は獣人族の国、目標はサルベスト城の軍勢のせん滅ということでいいかな?」

「うむ。相違ない。頼んだぞ勇者よ」


その後、クリスと合流し、馬車へと乗り込む。

物流が完全に停止してしまっている現状、残り少ない馬車だった。


城壁を超え、いよいよ結界の外へと出る。

結界を超えてから数分もしないうちにモンスターと遭遇する。


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基本情報:

  名前:ゴブリン

ステータス:

 レベル:6

  HP:309 MP:0

  筋力:30

  魔力:8

  素早さ:10

  防御力:3

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この世界での初めての戦闘は雑魚の代名詞のゴブリンだった。

無限収納(エターナルバンク)から『ガブリエル』を取り出し、馬車から下りずに頭を撃ち抜く。


クリスが唖然としていた。


「え、今何をされたのですか・・・?」

「んー・・・この世界的に言うなら風魔法で頭を撃ち抜いた感じかなぁ?」


近からず遠からずな返事をしておく。

特に意味はないけど、秘密にしていたほうが強そうだしね!


サルベスト城に近づくにつれ、モンスターのレベルが徐々に上がっていく。

クリスが言うにはこれも魔人族のせいらしい。

そもそも魔人族が強い理由の一つがモンスターを自分の手足のように操れることにある。

配下のようにしたモンスターを使い戦争に使ったり、町の近くで強いモンスターを繁殖させて、諸々の妨害をさせたりなど、使い方はさまざま。

今回の場合、サルベスト城の防御を固める意味で、周りのモンスターを強化していっているようだ。


とはいえ、サルベスト城まではあと三日はかかる距離にある。

日も暮れてきたし、野営に入ることにした。

馬車を収納して、とあるものを取り出す。


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神造拠点『ベルフェゴール』

見た目は簡易テント。しかし、中は巨大な空間になっており、自由自在に内装を変更できる。

テントの周りには空間を断絶させる結界を発生させ、絶対保障の安全を実現。

温度の自動調節や異空間接続の水道などもあり、快適さも抜群。

ただし、地面に設置しているとき以外は中に入ることができない。

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神話の時代に使った代物で、長期間の戦争や討伐の旅のときに不便さに耐えきれなくなって女神が作ったものだった。

さっそくクリスと馬を中に入れる。

馬は入り口付近に馬小屋(擬き)を作り、そちらにつなぐ。

クリスは外装と内装の違いに驚きながらもついていく。


「こっちがクリスの部屋。そっちが私の部屋だ。奥のほうにキッチンダイニングを作っておいたからそこで夕食にしよう。」


さて、今日の晩御飯は何にしようかな。

快適な旅が始まった。

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