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7.« 世田谷線 » 夜
ムムと二人で、ムムの友だちの家に行った帰りだった。
登戸の駅に着いてから、どうやって帰ろうか?
ムムが考えている。終電にはまだ間に合うみたい。
ムムのほうがわたしよりも都内の道や電車に明るい。
「世田谷線に乗れば、終点の下高井戸に出るけど。
乗り換えの時、少し歩くよ。いい?」
「いいよ。ムムちゃんと一緒だもん。」
「あやが好きそうな、緑色の小さい電車。
2両しかない小さい電車に乗れるよ。」
ホームの階段を降りる時、ムムが振り向いて片手を伸ばして待っていてくれた。
ムムの指は長くてキレイ。それに、手が大きくて暖かい。
いつまでも、わたしの手を離さないでね。