表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/25

  « 有楽町 »

ある夏の日。


その日は、有楽町駅の近くで待ち合わせをした。

『そごう』を横目に目黒さんが言った。 


「あそこの上の食堂、行ったことある?

なかなか上手いんだよ。

時々、昼飯を食いに行ってる。」


「なんか、ファミリー向けって感じよね。

最近は行かないけど、

ソフトクリームを銀色のグルグルに入れて出してくれるのよね。

あれ、嬉しかったわ。」


「銀色のグルグル? あぁ、あれね。

ソフトクリームホルダーのことだね。

うん、なかなか上手いよ。」


あちこちでセミが鳴いている。

都会のど真ん中だというのに。

今年の夏は暑い。


「セミの鳴き声を聞いてどう思う?

うるさい?」


「私はセミの鳴き声を聞くとオーガズムを感じるわ。

ミーンミンミンミンミーン。

生きてるって感じがする。」


ミーンミンミンミンミーン。

先ほどまで絞り出すように鳴いていたのがピタッと止まった。


「今日はダメ?」


「私、生理だもの。

それにさっきステーキを食べたから血がすごく出るわ。」


「はっはっはっ。?!

今、想像しちゃったよ。

女性の身体って本当に動物的だな。」


「にゃぁ。」


私の瞳孔が開いた。

また、セミが鳴き始めた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ