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鬼女  作者: I
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鬼女

最終章

 その灰を姉弟の祖父が集めて、コンクリートの混ぜて、何重も重ねた鋼の箱の中に収めて鞍馬寺にある魔王殿の中に封印した。

 〈でてこい! 我一族、宗盛、教盛、教経、知盛、有盛〉

 平家の怨霊やその服属が、妖刀からでてきた。将門は、怨霊たちを悟した。

 〈いつまで、生き血を貪り食う。悪行は、やめなさい。平家は滅びたが、生き延びた者も血を引き継ぎ、今の時代を精一杯生きている。中には、お前たちが殺した中にも平家の血が、混血している者も殺している。お前たちは、公家、源氏を恨んでいるのではない。ただ、殺戮を楽しんでいるだけだ。人を恨むのは、もう、やめろー。人を殺しても恨みや憎しみがなくなるわけでない。憎しみは憎しみを生み、憎しみの連鎖は断ち切れない。どこかで蟠りや恨みの連鎖を断ち切らないと解決しない。もうー、断ち切れ。その自分の姿を見ろ! その姿は、平家一族の姿ではない。清盛と安徳天皇には、そんな姿は見せられないぞー〉

 有盛の怨霊が、悟り涙すると悍しい姿から凛々しい武者姿になった。

 神になった平将門命。生き神になった麻理亜の放射光が怨霊を悟し、見る見ると醜い姿から、平家の怨霊だけでなく、そして中央に対する怨霊や恨み恨んで死んだ怨霊たちもが、悟り甲冑を纏った凛々しい武士姿や輝いていた頃の姿になった霊たちがいた。

 「光が…。光が、温かい」

 そして、天から一筋の光が差し、天から聖観音菩薩が降り魂魄を、あの世に導いた。

 将門は、麻理亜に妖刀を渡した。

 〈魂は抜けたものの、刀は妖怪になり、まだ、邪悪な氣が残っている。麻理亜殿の力で妖怪化した妖刀を消してくれないか〉

 麻理亜は、般若心経の一部を唱えた。

 「色不異空 空不異色」

 妖刀をきつく握り締めるや、麻理亜の掌から迦楼羅炎が激しく燃えた。妖怪化していた妖刀は、くねくねと曲がり、くねって踠き苦しんだ。

 「くるしい~。くるし……。錆びるー、錆びるー。皇子さま……」

 妖刀は、錆びて塵と消えた。

 〈さすが、麻理亜殿じゃ。ほうー、西洋の女神も守護なされているとは!〉

 セーマンは透明な球體の中に體を隠し、麻理亜の側に降りてきた。麻理亜の正面には将門命がいたが、セーマンには、霊的な者は、まだ見えなかった。

 〈この子が、ルシフエルの輪廻した姿かー。まだ、子供とはいえ凛々しい面構えしている。この事件で、大分成長したな! いい面構えになった。まだ自分の能力に覚醒していないようだな!この事件は、まだ解決していない。結界の古墳が破壊され、黒幕が再び目覚め動きだした。麻理亜、セーマンの能力を開花させる。いいなぁっ!。〉

 麻理亜は躊躇したが、頷いた。

 〈えっ、えー……〉

 平将門命は、セーマンに向けてをし光線を放し球體の中まで光が突き抜けてセーマンの眉間に光線が当たっており、セーマンの目にも光が見えていた。そして、その光線に沿って一羽の白い鳩が飛びセーマンの眉間から白い鳩が入り松果體を刺激し體は輝き、體の疲労もとれセーマンも自分の能力に目覚めて平将門命の姿が、見えるようになっていた。

 「見える! 俺を助けてくれた平将門命の姿も見える」

 〈見えるかー〉

 〈はい〉

 〈これからも、もっと自分の能力に目覚めるだろう〉

 〈ありがとうございます〉

 〈これから、もっと凄い試練が待っている…。自分の宿命を受け入れろ。精神・體・頭脳・能力を磨くのじゃー。神々はをいつでも見守っているぞー〉

 平将門命は、その場から消え神田明神の元の位置に帰った。

 麻理亜は球體になり、その中に日出美も入りると神田明神の上空を旋回して、総理官邸にいる田中石破総理の許によった。

 その時。石破総理は、防衛省長官から電話で事件解決の連絡をうけていた。既に姉弟は総理官邸の中に入り総理の前にいた。事件解決に閣僚達も、安堵な顔をして部屋から出ていった。

 「石破総理!」

 総理には、姿が見えない声に吃驚することなく、総理は毅然としていた。

 「誰かな……」

 「陰陽師です」

 「姿を現わしてくれないか、話づらい」

 麻理亜は、総理が座る机の前に、マスクを被ったインナー姿で現れた。

 「ほうー」

 総理は、突然現れた麻理亜に吃驚することなく、麻理亜の方、一点を見ていた。

 「初めまして」

 麻理亜の妖艶なオーラが、総理を魅了していた。

 「美しい…。名は何という?」

 「名は、ありません」

 総理は、微笑んでいた。

 「名前をつけなければなぁー。何がいいか?」

 だが、姉弟には総理の腹黒い心が見えていた。

 「名前など、いつでもいい。本題と入りましょうか」

 総理は、椅子に座り考えていた。

 「分かった。総理府直属の捜査官として主に、怪奇事件や未解決事件や国に関わる重大な事件を担当してもらいたい。警視庁、公安部とは、別の組織であり。この陰陽寮は内閣総理大臣直属の捜査官である。警視庁や公安部からも未解決事件の情報提供がある。その事件の捜査を担当してほしい。これからは、国の為に動いてもらう」

 「和多志たちは、人に関わる事件には関わらない」

 麻理亜は、神通力で総理の脳に直接に語った。

 〈和多志たちの技術を狙っても駄目よ。あんたの心は、全部お見通しよ〉

 「人の心が、読めるのか?」

 〈未解決事件や奇怪な事件は、協力するが。アンタらの政治の利用には、ならないわ〉

 総理は、机の上に置いてあったバッチを取り手渡した。

 「本日をもって総理直属の捜査官として任命する。表向きは、総理直属の捜査官だが、好きに動きなさい。報酬は、ひとり一カ月、一千万円でどうだ」

 麻理亜は、ふたつのバッチを受け取った。

 「じゃー。契約成立ですね!」

 透明だった腕釧の球體が銀色に変わり、球體が麻里亜を包み安定し、宙に浮かび動きだすと、セーマンの球體も銀の光を放ち、ふたつの銀の球體は、プラズマのように壁を通り抜けた。

 総理は、UFO型の機體に興味を示し、狙いはセーマンの技術であった。

 (あの技術を手に入れて、日本は国旗のように太陽になる)

 総理は、日の丸は太陽であり中心的な存在である。星は、太陽の周りを回るものだと、日本を中心とした世界を思い描いていた。

 姉弟は、京都に向かって飛んで山科上空。

 〈セーマン。和多志は、ここでお別れだ〉

 セーマンの體から光が離れた。その光は、セーマンと麻理亜の目の前に止まった。すると甲冑を纏ったひとり武将が現れた。

 〈あなた様は?〉

 〈名は、田村麿。平安京の守護神なれど、国家の危機のため参上いたした。何かあれば、いつでも呼べばいいぞー〉というと光は二つに別れた。ひとつの光は、光を放った甲冑の形になると将軍塚の中に戻り、もうひとつの光は、将軍の坂上田村麻呂の姿になると光が墓の中に入り、残光が小さくなり消えた。

           

 その日の朝刊の見出しに。

 『鬼女。白と黒の陰陽師が鬼退治。皇居・総理官邸、上空に二機のUFO現れる。UFOか、それとも大きな桃か? 二人の桃太郎の乗物か!』

 父と母が新聞を読みながら笑っていた。

 「パパ。ママ。おはようございます」

 「おはようー。桃太郎!」

 「何それー」

 父が麻理亜に新聞を渡した。

 「何これー。何が、桃太郎よー。失礼ね!」

 父と母は、この件については、家族会議が開かれたが、纏まらずに夫婦間で意見の食い違いがあった。父は納得がいかなかったが、祖父や父の兄弟たちが中に入り説得したが、それでも納得がいかずに、その日は、蒲団に入った。霊的なことを全く信じない父・高明の夢枕に、亡くなった母・つるが現れ話し合ったという。別れるときに母が一輪の桔梗の花を渡してくれた。朝になり起きると、何かを握っているのに氣づき高明は目覚めた。手を見ると一輪の桔梗の花を握り持っていた。桔梗の開花は、過ぎていたが、花は咲いていた。その根のない桔梗の花を庭に植え、真冬にも関わらずに一カ月間は咲き続き、節分が過ぎた頃には、花は枯れだした。だが、土の中には根が生え、生きており秋には白や紫の花を開花させた。なぜ、父が庭に植えたのか本人も無意識に行動していたという。花を植えて根が張るのも不思議なことだ。

 そして、高明は渋々ながら理解をしてくれた。

 但し、条件があった。親を泣かさないこと。勉強と手伝いを怠らないこと。友達を大切にすることであった。

 姉と弟は、日本政府の陰陽師として日本のみならず世界を見守っていた。

 事件が解決をして、鬼女が地獄に落ちた。

 次の日に、桔梗が日出美と散歩に行くために、家を飛び出た。

 「巖助行くよ!」

 家から出た時。巖助が異常な霊的エネルギーを感じ取った。巖助は爪を立て急に止まり身構えた。

  ガァー。

 巖助は止まる。桔梗は家から勢いよく飛び出す。巖助の首輪が締まった。

 「痛たたた! 急に止まらんといてーやー」

 桔梗は、手を引っ張られて、足が滑り転倒した。

 〈桔梗! さがって!〉

 日出美は、素早い動きで、桔梗の前で威嚇をしていた。

  グゥゥゥー。

 家の門の前には、平安時代、鬼女に無惨な殺された公家達の魂魄たちがいた。

 日出美は、牙を剥き身構えていた。

 〈巖助。よく見てっ!〉

 血だらの白い着物や深く斬られた傷口が、見る見る消えだした。公家の娘たちは、一礼すると一言、礼の言葉をいい残し、小さな光の玉になると、天から神の使者達が現れて優しく包み一緒に天に召された。

 〈ありがとう……〉

 桔梗は、手を合わせ一生懸命に『南無阿弥陀仏』と唱えた。

 西の空に、薄らと阿弥陀如来が姿を現れると、光の玉は、光の世界である極楽浄土の光の国へ帰っていた。

  南無阿弥陀仏

  南無阿弥陀仏

  南無阿弥陀仏

  南無阿弥陀仏

  南無阿弥陀仏

 その時。麻理亜とセーマンは、窓から成仏する魂魄を眺めていた。 

 そして、同時に今回の鬼女の封印を解いた者が、誰なのか分からないままで、鬼女の事件は解決となった。

 (一體、誰が封印を解いたのか……? 皇子とは一體誰なの? それとも鬼の異星人のDNAが活発になり鬼にしたのか? 平安に続き令和でも鬼による人間狩りが始まったのいうのか! 我々、アジア人が誕生したのも異星人の遺伝子操作によって誕生した。その目的は、奴らの餌…)

初めての小説です。最後まで読んでもらえればうれしいです。お願いします。

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