72、激震の女神祭 家族写真
クルイの血液が瞬時に凝固したかのようだった。シェリスが下した「巨大な脅威」という評価は、氷で作られた短剣のように、父親として、最も柔らかく、最も脆い彼の心臓へと容赦なく突き刺さり、彼を戦慄させた。
彼は魔王の冷酷無情な行動準則を思い出した。彼女がかつて言った「全ての障害は排除される」という宣言を。恐ろしく息もできないほどの考えが浮かび上がる。
「まさか…ローランを…やめろシェリス…頼むから、そんなことは…」
彼の声は恐怖で激しく震え、もはや声にもなっていなかった。彼は恐れていた。目の前の彼が深く愛するこの女が、その壮大で冷酷な野心のために、実の娘をその手で殺めてしまうのではないかと。自分がこれほど幸福を感じ、唯一の心の支えとさえ言えるアーシュ家が、これほど早く、しかも自らの妻の手によって、破壊されてしまうなどと考えたこともなかった。
だがシェリスは恐怖に歪む夫の顔を見て、一瞬呆気に取られた後、まるで救いようのないアホを見るかのように、あきれた様子で白目を剥いた。
「何を馬鹿なことを考えている。お前は私が、ローランが遠い未来で私の計画の邪魔になる可能性を防ぐため、今のうちに彼女を殺すとでも思ったのか?」
シェリスの口調は、まるでクルイの頭がおかしくなったとでも言っているかのようだった。
「え? ち…違うのか?」
クルイは完全に恐怖に支配され正常な論理的思考ができなかった。だがシェリスの先ほどの言葉は、彼にそうとしか理解させなかった。そうでなければ、一体どういう意味だというのか。
そしてシェリスは確かにそう言いはしたが、それはクルイが理解したような結論ではなかった。
巨大な脅威であることはさておき、もし今のうちにローランを殺してしまえば、別の問題が浮上する。
「そんなことをすれば、あまりにもつまらないではないか…」
シェリスの顔に、クルイには理解できない、興奮と退屈が入り混じった複雑な表情が浮かんだ。
シェリスは身を翻し手、すりに寄りかかりながら星空の下の森を遠望する。夜風が彼女の黒く長い髪を撫でていた。その双眸に映るのは、より遥かな未来。
「敵を育てて楽しむようにも聞こえるだろうが…その方が面白い」
彼女の声には微かな笑みが含まれていた。それは棋士が全力で戦うに値する相手を見つけた時の笑みだった。
シェリスにとって、今のこの世界にもはや自分と肩を並べる存在はいない。自分が本気を出せば、世界征服など赤子の手をひねるよりたやすい。たとえ結界を解かずとも、結界の内部から攻撃を仕掛け、エルフの森の政権を奪い、エルフの女王に降伏を迫ることなど、シェリスにはとうに可能だった。
そして彼女がそうしない理由はただ一つ。それは「世界征服」というゲームにさらなる「紆余曲折」を加え、より多くの「楽しみ」を創造するため。そうでなければ自分の目的があまりにも容易く実現してしまい、今後シェリスはどうやって刺激と新しい娯楽を求めればいいというのか。
そんな人生はあまりにも退屈だ。
「私はローランの姿に、昔の若い頃の自分の影を見る…。まあ、今も十分若いがな。ローランの同級生やソラは、私のことをローランの妹のようだと言っていた」
彼女は自画自賛を一つ挟むと、話を続けた。
「だがローランは確かに、まだ魔王になる前の私によく似ている…。あの過剰な自信と、それに見合うだけの過剰な強さ。あの全てを見下す傲慢さと、より強い力への、本能的な陶酔と渇望…」
シェリスの独白はここで一度途切れ、まるで遥かな過去の追憶に耽っているかのようだった。クルイには感じられた。彼女が今語っているのはローランのことだけではなく、彼女自身の、誰も知らない、茨と栄光に満ちた成り上がりの道程でもあるのだと。
「だが」
彼女は話の矛先を変え、その口調はさらに面白がるような色を帯びた。
「あの子はこの平和な森で育ち、この森の教育と影響を受けてきた。屍の山血の海から這い出し、弱肉強食と力こそが全てという法則を信奉する私とは違う。あの子は一見、個性的に見えるかもしれんが、その骨の髄まではやはりお前たちエルフ族だ。余計な正義感と責任感に縛られた、救いようのないお人好しでもある。だから、あの子は私とは全く異なる道を歩む宿命にある」
シェリスは手を伸ばし、まるで夜空に浮かぶ月をその手に握ろうとするかのようだった。
「もし私が影であるなら、ローランは光だ。あの子は、私が実現することのなかった、もう一つの人生の可能性。私はこの目で見届けねばならん。あの子が最後に、一体どこまで行けるのかを」
彼女の声には期待が満ちていた。それは未知の運命に対する、ほとんど病的な好奇心だった。
「果たして成長したあの子が、この史上最強の魔王である私をも超え、私の計画を阻止するのか。それとも、どれだけ成長しようと、私という『母親』の名を冠した、揺るぎない大山を越えることはできないのか…。これは実に、期待できるな」
シェリスは常に自分の行為と思考が絶対の「正義」であり、絶対の「法則」であると信じてきた。だがローランの出現は、シェリスに物事がそう単純ではないことを告げているようだった。
ローランはあたかもまだ若く、立場を決めていないシェリスのようだ。そして彼女が最終的に自分を超えることができるか否かこそ、シェリスの選択が正しかったのか、彼女がエルフ族の信念に対して抱く侮蔑と否定が「傲慢」なのか、「世の真理」なのかの、直接的な証拠となる。
果たして「覇道」を選んだ自分が勝るのか、それとも「仁道」を選んだ娘が自分の考えを覆すのか。シェリスはその全てをこの目で見届けると誓った。
クルイは妻のあの月光に照らされた、興奮と戦意に満ちた横顔を見ても、やはり全く理解できなかった。彼は実の娘を「好敵手」や「楽しみ」と見なすその思考様式を理解できない。それは君主だけが、戦士だけが思いつく論理。普通の農夫である彼がどうあがいても共感できるものではなかった。
「君は言わなかったか…君を阻むものは全て、根絶やしにすると。ではローランが万一…」
「例を挙げよう」
シェリスは直接答えず、比喩を用いた。彼女は手すりのそばの花壇から、今を盛りに咲く白い小さな花を一輪、無造作に摘み取った。
「もしローランがこの花のようであるなら…ふんっ!」
その言葉が終わらないうちに彼女は一声唸ると共に、激しく五指を握りしめた。その古今無双の恐るべき握力で、脆い花を固く握りつぶす。その一握りの力は、世界で最も硬い鉱石さえも粉々にできるほどだ。
花の芳香を放つ翠色の細胞液が数滴、シェリスの白く細い指の間からゆっくりと滲み出し、一滴また一滴と、音もなく冷たい石の床に落ちていく。
「ならばローランの今の魔王の力は、せいぜい全力を尽くしてようやく絞り出せる、この程度のものに過ぎん。芳醇ではあるが、爪の先ほども満たない量に、何ができる?」
彼女が手を開くと花は既に、花弁と枝葉が混じった、原形を留めない残骸と化していた。彼女は手を掲げ、花弁の残骸と細胞液を共に、夜風にゆっくりと舞い上がらせ、散らせた。
花弁が全て風に飛ばされると、シェリスは手のひらを払い、説明を続けた。
「私は先代の魔王を殺し、その王位を奪った。先代の魔王は私が容易く打ち破ったとはいえ、それでも奴も魔王。魔王の力を巧みに使いこなしていた。今、私の部下で魔王の力に触れられるのは、ただ一人だけだ。だが彼らは皆、百戦錬磨の戦士。ローランが魔王の力に触れたからといって、無条件に、それに触れていない全ての魔物に勝てるというわけではない。今のあの子は、私の配下の『四天柱』にも遠く及ばん。今のローランは魔王の力の片鱗に触れただけ。発動はできても、その代償は相当重いはずだ。私が彼女にぶつかった時、彼女が疲労で意識を失ったのは、そのためだ。その程度では、私が彼女をこれほど早くから好敵手と見なすには値しない」
「四天柱」とは、シェリス配下の最も勇猛な四人の将軍であり、外部からは四天王、四大将などとも呼ばれている。彼らは皆、最上位の魔物種の中でも、最上位の能力を持つ恐るべき個体であり、シェリスが最も重用する爪牙であり、魔王軍の難攻不落の砦でもある。クルイは以前シェリスと雑談した際、その四人の将軍の名前やいくつかの逸話を聞いたことがあった。だから彼はそのことについてはそれ以上追及せず、引き続きシェリスがローランをどう処遇するのかを気にかけ、問い詰めた。
「では君の言いたいことは…」
「覚えているか? 先ほど私が彼女たちにこの森が好きかと尋ねた時、ローランがどう答えたか」
クルイはもちろん覚えている。ローランは、誰にもこの森を傷つけさせないと、言った。同時に、ダッシュの責任感からくる守護の意志、ランシェの親族への愛情、そして二人の部外者の心からの愛着も、シェリスに十分な参考材料を与えた。
あの問いはシェリスがただ口にしただけのものではない。彼女が問うた以上、必ずや何かを感じ取ったはずだ。
「私がこの森をどう処遇すべきか、ローランをどう扱うべきか、今私には私なりの考えがある。私が以前お前に障害は全て抹殺すると言ったのは、昔の話だ。何しろあの頃の私はまだ子供たちのことや、彼らの考えを深くは知らなかった。今、私は多少やり方を改めるべきだと思っている。ダッシュたちのことは言うまでもない。私から見ても、ソラとキアナはまあまあ良い子供たちだ。お前は私が、彼女たちを傷つけ、彼女たちをこの上なく苦しませ、絶望させるようなことを躊躇いなくするとでも思うか?」
クルイは頷きもせず、首も振らなかった。そしてシェリスは、単刀直入に、自分の考えを述べた。
「正直に言えば、私もそこまでする必要はないと思っている。私もそれほど冷血でも、非情でもない。この世に、自分の子供の苦痛と悲しみを喜ぶ母親などいない。私も例外ではない。だが」
彼女の口調は再び固いものになった。これまでの発言は、シェリスが諦めるという意味ではない。
「私の目的は、あくまで世界征服だ。それは揺るがない。ただ、具体的にどう実行するかは、改めて見直す必要がある。だが、この森がいずれ私のものになることに変わりはない」
「そうか…」
クルイはそれを聞き、心の中で多少安堵した。彼はとうに、妻がどれほど頑固な人かを知っていた。彼女に完全に世界征服の目標を諦めさせることは、ほとんど不可能だ。だが、彼は多少感じ取ることができた。シェリスが以前のように極端ではなく、もはや暴力と破壊を唯一の手段とは見なしていないことを。ならば、事態にはまだ転機があるかもしれない。事態を自分が想像するほど最悪なものにはさせないかもしれない。
クルイはゆっくりとシェリスに近づき、手を伸ばし、そっと彼女の肩を抱き、ほとんど囁くような声で言った。
「君に時間をあげよう。ゆっくり考えればいい。私は君を待っている」
彼はもちろん自分の祖国が侵略され、征服されることを望んではいない。だが、彼のシェリスに対するあの深い愛が、彼にもはや妻の目的を百パーセントの過ちと悪とは見なさなくさせていた。愛は人を盲目にし、妥協させる。それは空言ではなかったのかもしれない。クルイにとっても、シェリスにとっても、それは同じだった。
そしてシェリスは、結界に関する、あの驚くべき真相をクルイには説明せず、自分自身の胸の内に秘めた。なぜなら、その真相は非常に厄介で、たとえ彼女であっても「改めて考慮する」という選択をせざるを得なかったからだ。だがシェリスは、クルイがそこまで深く知る必要はないと思った。彼女はただ、クルイにこう言った。
「言ったはずだ。私が本当に戦争を始めると決める前に、部下にお前と子供たちを連れ出させると。だから誰もお前たちを迎えに来ないうちは、私がまだ戦争を始めるつもりはないということだ。そのことだけ覚えておけ」
これはシェリスがクルイに交わした約束。彼女が決して反故にしない、最低限の約束。シェリスがどれほど魔王であろうと、自分が交わした約束を覆すことはない。ましてや自分の親族に対しては。
「いずれにせよ、この森の生殺与奪の権は、既に私の手にある。そしてお前は危険に遭う心配もない。仮面の男たちのことなど、ローラン一人で十分に対処できる。だからお前が今唯一すべきことは、自分の仕事をしっかりやり、子供たちの世話をし、余計なことを考えないことだ。それはお前が考えるべきことではない。そんな暇があるなら、料理でも習ったらどうだ。私は私がここを去った後、お前がまた何か変なものを作って彼らに食べさせるのではないかと心配している。もしローランが、お前の作った飯で腹を壊し、十分に成長できず、強くなれなかったら、私は必ずお前に責任を取らせる」
「はは…時間があれば、必ず…」
クルイは苦笑いを浮かべて、頷いた。どうやら自分の、あのひどい料理の腕こそが妻にとって最も頭の痛い問題のようだった。
そしてシェリスの声が不意に小さくなり、その頬が月光の下でわずかに赤らみ、彼女はどこか不自然に続けた。
「それと、お前自身の体も疎かにするな。お前はエルフの年齢からすれば、まだ若い方だろう? どうしてそんなに病気がちなんだ? 子供たちから聞いたぞ。お前は何度か腰痛でベッドから起き上がれなかったと。実に情けない。そんな体で、まだ八人も子供が欲しいと? 本当に、夢物語だな…」
クルイは一瞬固まった。まさかシェリスが突然、話題を自分自身のことに変えるとは思ってもみなかった。十数年前に、シェリスにプロポーズした時、自分が口にした一言を、まさかシェリスが今でもそれほどはっきりと覚えているとは。
シェリスの気持ちを理解した後、クルイはどこからともなく勇気が湧いてきて、彼はからかうように尋ねた。
「まさか魔王様、私のことが心配している?」
シェリスはぷっと頬を膨らませた。まるで風船のように。
「何を言っている? お前は私の夫だ。私が心配して何か悪いか? お前も私が征服すべき天下の一部だ! 私が目標を達成する前に、お前に何かあったら、許さん…」
チュッ
彼女の言葉がまだ終わらないうちに、クルイは不意に顔を近づけ、彼女のあの饒舌な唇に、口づけた。
長く、離れなかった。
シェリスの顔の温度が急激に上昇し、その熱さがクルイにさえも熱く感じられた時、彼はゆっくりとその唇を離し、笑って、シェリスに言った。
「これで、おあいこだな」
先ほどシェリスが情報を集めに行った。その去り際に、彼の顔に残した一筋の口づけを、クルイは決して忘れない。そして、彼は今、それを倍にして、シェリスに返した。
この突然の襲撃に、いつも冷静で、落ち着き払っているシェリスでさえもが、熟したトマトのように顔を赤らめ、彼女は自分の唇を押さえ、しどろもどろに言葉を失っていた。
「お…お前、この…痴漢め…エロおやじめ…」
そしてその光景は、ちょうど背後の遠くない場所で遊んでいた子供たちの目に入った。
「あ…」
子供たちは両親の会話を聞いてはいなかった。だがクルイが身を屈め、シェリスに口づけるその動きは、月光の下ではっきりと見えた。それが子供たちを大いに驚かせた。
ダッシュの顔も赤くなり、彼は気まずそうに顔を背けた。
「父…父さん、母さん…少しは場所を考えろよ…俺たちがまだここにいるんだぞ…」
「なんて熱々なんだ、あの二人…」
ローランは仕方なさそうに首を振った。
ランシェはなぜか興奮して、彼女は無邪気に尋ねた。
「え? もしかしてあたしに弟か妹ができるの? あたしもお姉ちゃんになるの?」
そして部外者であるキアナは直接その思いを口にはしなかったが、あの月光の下で口づけを交わす二人を見て、思わず心の中で感嘆していた。
「おじさん、おばさんの仲、本当にいいな…僕と、ダッシュも…いつか…」
ただソラの反応だけが最も直接的で、彼女は即座に身を翻し、ローランに向かって、両腕を広げ、大声で叫んだ。
「ローラン様! わたくしたちも、一ついかがです…」
そして彼女は、ローランに一蹴された。
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最後は、ランシェの提案が、このピンク色の泡に満ちた気まずい雰囲気を打ち破った。彼女はソラが持ってきた、あのローランを撮影するための魔法の記録計で、アーシュ家初の家族写真を撮ることを、提案した。
ローランは少し恥ずかしそうにソラの方へ歩み寄り、記録計を貸してもらえるかと尋ねるとソラはもちろん喜んで、同意した。
「もちろんですわ! ローラン様とご家族のために、何かできるなんて、わたくしにとっては大変な名誉ですもの!」
そしてソラの指示の下、一家はポーズを取り始めた。クルイは一番後ろに立ち、両腕を回し、そっと目の前のシェリスを抱きしめる。そしてシェリスは、真ん中に立ち、両腕を広げ、彼女の三人の子供たちを皆抱きしめた。
左側のローランは、顔にまだ少し「本当にしょうがないな」という不本意そうな表情を浮かべているが、そのわずかに上がった口角は、彼女の内心の喜びを隠しきれていない。真ん中のダッシュは、彼特有の明るく快活な笑顔を見せ、両手を頬の両側で大きくVサインを作っている。右側のランシェは、固くシェリスの腕を引き、もっと強く抱きしめてと甘えている。
ソラはあの小さな魔法の記録計を掲げ、レンズの中の、この完璧な一幕を見て、大声で叫んだ。
「はい、撮りますよー! さん、にー、いち!」
「カシャ」という軽い音と共に、女神祭の夜の最後の光景、この笑いと涙と、秘密と愛に満ちた瞬間が、こうして永遠に記録された。




