55、夢か、現実か…
まるでとても長い時間が経ったかのようで、それでいてほんの一瞬のようでもあった。かすかに、誰かが彼女の名前を呼んでいるような気がした。その声はとても聞き覚えがあり、焦りを帯びていて、彼女を粘つくような闇の中から必死に引きずり出そうとしている。
「……ランシェ! ランシェさん! しっかりして! 早く目を覚ましなさい!!」
聞き慣れた、そして焦燥感に満ちた呼び声が、まるで幾重にも重なる濃霧を突き抜ける灯台の光のように、無辺の混沌とした闇の中から、ランシェの散り散りになった意識を、少しずつ、だが力強く引き戻していく。
彼女は困難に、苦労して重たい瞼を開いた。暗闇に慣れた目はまだ外の光に適応できず、眩しい太陽の光に思わず再び目を細める。視界はぼやけた光の斑点でいっぱいだった。鼻先には、これ以上ないほど馴染み深い、雨上がりの森特有の青草と湿った土が混じり合った清々しい香りが漂い、耳には、チチチとさえずる鳥の声と、そよ風が木の葉を通り抜ける時の「サラサラ」という音が聞こえてくる。
「……せ……先生?」
ランシェの視界が次第に焦点を結び、身をかがめて心配そうに自分を見つめている人物が、担任のアガサ先生であることがわかった。先生の髪は少し乱れ、その顔には隠しきれない心配、安堵、そして極度の疲労が浮かんでいる。白い額には細かい汗珠がびっしりと浮かび、明らかに、先ほどまで激しく走り回り、必死に探していたことを物語っていた。
「よかった、やっと目を覚ましたのね!」
ランシェが目を開けたのを見て、アガサ先生は全身の力が抜けたかのように、長く、重い安堵の息を漏らした。その声は、興奮と安堵で、抑えきれずに微かに震えている。
「あなたが、さっき急にいなくなったのよ! 私がいくら呼んでも返事がないから、てっきり…てっきり、何かあったのかと! 本当に心配したんだから!」
ランシェは少し茫然と瞬きをし、無意識に周りを見回した。彼女は自分が、ごく普通の森の中の空き地に横たわっていることに気づいた。周りにはありふれた木々や茂みがあり、太陽の光が木の葉の隙間から、苔むした地面にまだら模様の光を落としている。ここには、悪夢のように、何度繰り返しても逃げ出せなかったあの巨大な木も、不気味な光を放っていたあの銀白色の苗木も、そして……自分と瓜二つの、あの神秘的な少女もいない。
全てが、あまりにも普通で、あまりにも……ありふれていた。まるで、先ほどの、肝を冷やすような、奇怪で幻想的な経験が、本当にただの、熱中症か過労によって生じた、荒唐無稽な妄想だったかのようだ。
「あたし……ここは、どこですか?」
ランシェはもがくように身を起こそうとした。体は異常に重く、全身が深い疲労感に包まれている。だが幸いなことに、まるで生命力を吸い取られたかのような瀕死の感覚と、激しい頭痛は消えていた。ただ、全身に力が入らず、気力も少し萎えているだけだ。
「私が聞きたいくらいよ! いったい、どういうことなの?!」
アガサ先生は慎重にランシェを支え、木の幹に寄りかからせると、その声には安堵と深い戸惑いが満ちていた。
「私たちはさっき、あそこで一緒に薬草を探していたでしょう? なのに、一瞬目を離した隙に、あなたがいなくなってしまったのよ! あなたの名前を呼んでも返事はないし、あの辺りを何周も探したけど、影さえ見当たらない! 急いで集合場所に戻って助けを呼ぼうと思っていたら、帰り道で、遠くにあなたが一人で倒れているのが見えたの! ランシェさん、どうやって一人でここまで来たの? 」
アガサ先生の立て続けの質問の一つ一つが、ランシェの心を沈ませていく。彼女はどう説明すればいいのだろう? 不思議な場所で堂々巡りをしていたと? 自分とそっくりの神秘的な少女に会ったと? 奇妙な苗木に触れたら気を失い、目覚めたらここに瞬間移動していたと?
そんなこと、いつも論理的で常識を信じるアガサ先生はもちろん、ランシェ自身でさえ、思い返しても信じがたい、馬鹿げた夢物語のようだ。先生が聞いたら、きっと自分が道に迷って恐怖から幻覚を見たか、あるいは単に体調が悪くて支離滅裂なことを言っているとしか思わないだろう。
それに、考えてみれば奇妙なことに、あの神秘的な少女の容姿や、あの奇妙な苗木の具体的な様子、そして気を失う前に感じたあの複雑な情報については、目が覚めた後、まるで分厚いすりガラスを一枚隔てたかのようだった。その存在は感じられるのに、詳細は異常に曖昧で、正確に描写するのが難しい。まるで脳が、自らその記憶を忘れようとしているか、あるいは封印しているかのようだ。
「あたし……あたし、多分……歩いてるうちに、道に迷っちゃって……」
ランシェはうつむき、長いまつ毛が瞳の中の複雑な感情を覆い隠す。その声は蚊の鳴くように小さく、最も安全で、最もどうしようもない説明を選んだ。
「そのあと……そのあと、何があったのかは……よく……覚えてなくて……」
「道に迷った?」
アガサ先生は眉をひそめた。彼女は、ランシェが何かを隠していることを鋭く感じ取った。この答えはあまりにも曖昧すぎる。だが、ランシェの青白く弱々しい、怯えきった哀れな様子と、微かに震える肩を見て、彼女は最終的に心の中の疑念と、それ以上問い詰める衝動を抑え、ため息に変えた。
「はあ、だから一人で勝手に歩き回っちゃだめだと言ったでしょう。森の中は危険なのよ…。まあ、いいわ。無事だったのが何よりだもの。今、気分はどう? 自分で歩ける? 急いで戻らないと。これ以上遅れると、他の生徒たちや学校側がきっと大騒ぎになってしまうわ」
アガサ先生はそう言いながら、慎重にランシェの体を調べ、目立った外傷がないことを確認した。
「うん……たぶん……大丈夫です……」
ランシェはそっと頷いた。その声はまだ少し弱々しい。彼女はアガサ先生に支えられ、ゆっくりと立ち上がった。両足はまだ少し震えているが、どうにか力は入る。
彼女は無意識に、先ほど自分が目覚めた空き地を振り返り、そして周りのごく普通の森の景色を見た。心の中は、言葉にできない困惑と、まるで潮のように絶えず押し寄せ、それでいて掴むことのできない、奇妙な感覚で満たされていた。
あれは本当に……ただの幻覚だったのだろうか?
「行きましょう、ランシェさん。私の手をしっかり掴んで」
アガサ先生はランシェが上の空であることに気づかなかった。彼女は今、ただ一刻も早く、この心配の種である生徒を安全に連れ帰りたい一心だった。彼女はランシェの手を固く握り、有無を言わさず、記憶の中の集合場所の方向へと彼女を連れて歩き出した。
ランシェは黙って、どこか機械的に先生の後に続く。先生に手を引かれ、森の中を進んでいく。彼女の足取りはどこかおぼつかず、全世界がまるで薄い紗を一枚隔てているかのようで、馴染み深くもあり、見知らぬようでもあった。彼女は、自分がどこか変わってしまったような気がしたが、具体的にどこが変わったのか、全く言うことができない。その感覚は非常に微妙で、現れたり消えたりして、彼女の心をかき乱すが、どこから探ればいいのかもわからない。
彼女は思わず、またあの自分と容姿が全く同じ、神秘的な少女のことを思い出した。彼女はいったい誰だったのだろう? なぜあんな奇妙な場所に現れたのだろう? 彼女が最後に言った「あなたのもう一つの部分」とは、いったいどういう意味だったのだろう? あの奇妙な苗木に触れたことで、自分にどんな変化がもたらされたのだろうか? 良いことなのか、悪いことなのか?
そして今のランシェには、それについて、何もわからなかった。彼女は依然として、ただ先生のそばで、うつむいて黙々と歩き、心の中が迷いと困惑と不安で満たされた、小さな女の子だった。
アガサ先生は歩きながら、心配そうにランシェを横目で見た。どうもこの子にはどこか違和感がある。その眼差しが、以前よりもさらに……虚ろになったような? だが、きっと恐怖と体力消耗のせいだろうと、先生は頭を振り、深くは考えなかった。ただ、ランシェの手をさらに強く握りしめ、歩みを速めた。
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