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エルフの“奥様”は、世界最強の魔王様でした  作者: XMEGA
第一章 エルフの森の魔王様
54/78

54、謎の少女とランシェ

 ランシェの意識は、まるで果てしない氷の深海に沈んでいくかのようだった。周りは無限の暗闇と静寂に包まれ、全ての感覚が奪われ、時間と空間の概念も曖昧になっていく。自分がもう死んでしまったのか、それとも死よりも深く、長い眠りに陥っているのか、彼女にはわからなかった。この永遠の静寂の中で、彼女は自分が塵のようにちっぽけで、空っぽの闇の中を当てもなく漂っているように感じた。

 どれほどの時間が経ったのか。瞬き一つだったかもしれないし、数百年、数千年だったかもしれない。一点の微かな光が、夜空に偶然散らばった星々のように、そっとこの死んだような闇を照らし始めた。

 光の点は次第に近づき、大きくなっていく。その温かい感覚は春風のように、音もなくランシェの冷たい魂と硬直した体に染み込んでいく。彼女は自分が氷の海から引き揚げられ、ぬるま湯の池に浸かっているような感覚を覚えた。重たい意識は、まるで氷を突き破った小舟のように、ゆっくりと浮上し始め、現実に戻ろうとしているかのようだった。

「……起きて……」

 声が、彼女の意識の奥深くで響いた。恋人の囁きのように優しく、それでいて天の果てから聞こえてくるかのように遠い。だが、その声は異常なほど鮮明に、彼女の心の琴線を打った。

 ランシェはもがき、その呼び声に応えようと、重たい瞼を開けて誰が話しているのか見ようとした。だが、瞼は鉛を詰めたかのように、どうしても持ち上がらない。彼女はただ、ぼんやりとした感覚で、誰かが近づいてくるのを感じるだけだった。それは、少女の気配だった。清潔で清々しく、森の奥深くの花や草の露のような芳香を漂わせ、それでいて、言葉では説明できない、どこか空霊で飄々とした、この世のものとは思えない雰囲気をまとっていた。

「……あなた……誰……」ランシェは最後の力を振り絞り、喉からか細く、しゃがれた息を漏らした。それは、自分自身にさえほとんど聞こえないほど小さかった。

 しかし、少女はランシェの問いには答えず、ただ一杯の清水を両手で掬い、喉が渇ききったランシェの前に差し出した。ランシェは相手の顔を見ることができず、ただ、水を湛えた器が、白く細い両手の上で、そっと目の前に浮かんでくるのを見ただけだった。

 本来なら、見知らぬ人から差し出された食べ物に、絶対に手をつけてはいけない。だが、脱水で死にそうだという感覚に襲われていたランシェは、もはやそんなことを気にしていられなかった。残されたわずかな力で、ゆっくりとその器を受け取ると、考える間もなく一気に飲み干した。

「ぷはぁ…。あ、ありがとうございます…」

 あの声の主が持ってきたのが、どんな瓊漿玉液けいしょうぎょくえきだったのか。味は甘く、口当たりは滑らか。そしてそれを飲み干した後、ランシェは疲労と苦痛が大幅に和らぐのを感じた。二分も経たないうちに、彼女の視界ははっきりとし、頭も先ほどのような朦朧とした状態ではなくなっていた。さすがに、満腹になってぐっすり眠った後のように元気いっぱいというわけではないが、ひとまずは飢えと渇き、疲労による瀕死の状態からは完全に脱したと言える。彼女はすっきりと息を吐き出し、礼儀正しく相手に感謝した。同時に、彼女は水を届けてくれたこの親切な人物の姿を、改めて見つめ始めた。

 ぼんやりとした光の輪郭の中に、一人の少女の姿がはっきりと彼女の目に映った。

 一目見ただけで、ランシェの心臓は見えない手に固く掴まれたかのようだった

 ――あの少女……まるでランシェの分身の様に、彼女と瓜二つだった

 同じく、月の光のように流れる金色の長い髪がしなやかに肩にかかり、同じく白い肌、同じく少し華奢な体つき、さらにはエルフ族特有の尖った耳のカーブさえも、寸分違わない。顔の輪郭に至っては、まるで同じ型から抜き出したかのようだ。たとえ実の親であるクルイやシェリスでさえ、おそらく一瞬では見分けがつかないだろう。

 だがよく見ると、そこには微妙かつ本質的な違いがあった。目の前のこの少女の眼差しは、山の頂で万年も溶けない氷雪のように澄み切っている。その眼差しには、ランシェが常に抱いている恐怖や不安、自己卑下といったものはなく、ただ、全てを理解し、全てに頓着しないかのような静けさと、そして、あるようなないような、非常に長い時を経て初めて生まれるかのような、慈悲と優しさがあった。

 少女は、デザインはシンプルだが上質な純白のワンピースを身に着け、その裾は微風にそっと揺れている。彼女は素足で、白い足首がちらりと見え、ただ静かにランシェの前に立っている。まるで、ずっと昔からずっとここにいて、この謎に満ちた奇妙な森と完璧に一体化しているかのようだ。彼女の出現はあまりにも突然でありながら、それでいてあまりにも当然のことのように思えた。

 大きな困惑、言葉にできない衝撃、そして、どこか血の繋がりからくるかのような、不思議な親近感が、一気にランシェの心に押し寄せた。彼女は誰? なぜここに? なぜ自分とこんなに似ているの? 無数の疑問が、沸騰した湯の中の泡のように、彼女の頭の中で次々と湧き上がり、弾けていく。


 神秘的な少女は、まるでランシェの心の中の全ての疑問を見透かしたかのようだったが、彼女は口を開いて説明しようとはしなかった。ただ、わずかに身をかがめ、白く細い、まるで美しい玉で彫られたかのような指を伸ばし、そっと、優しく、ランシェの汗ばんだ額を撫でた。清涼で心地よい気流が泉のように一瞬でランシェの全身を駆け巡り、彼女の頭の中の眩暈と混乱を追い払い、彼女を少しだけ正気に戻した。

 ランシェは少し力を取り戻し、意識もかなりはっきりしてきた。彼女は呆然と、目の前の自分と瓜二つの顔を見つめる。心の中の驚きと疑問は減るどころか、このあまりにも鮮明な類似性のせいで、かえって非現実感と不安が増していく。彼女は気を取り直し、頭の中の疑問がようやく弱った体を突き破り、思わず口に出して尋ねた。

「こ……ここはどこですか? あたし……あたし、さっきまで森の中にいたはずなのに……」

 彼女は、自分を絶望させたあの巨大な木と、終わりのないループを思い出した。

「あたし、いったいどうやってここに?」

 神秘的な少女はただ静かに彼女を見つめている。その眼差しは相変わらず穏やかで深く、どこか読み取れない優しさを帯びていた。彼女はそっと首を振り、その声は空霊に響いた。

「あなたはもう安全よ、ランシェ」

「安全?」

 ランシェはさらに困惑し、いくらか焦ったように問い詰める。

「でも、なんであたしがここに? それに、あなた……あなた、いったい誰なんですか? なんであたしの名前を知ってるの? なんであたしとそっくりなの? 」

 立て続けに質問が口から飛び出した。

 少女は微かに微笑んだ。その笑みは清らかで儚げだが、彼女のどの質問にも直接は答えなかった。代わりに彼女は手を伸ばし、指先でそっとランシェの頬のそばについていた小さな草の葉を払い落とす。その仕草は、まるで怯えた小動物を宥めるかのようだった。

「あまり考えすぎないで」彼女は優しく言った。

 「今は、気分は良くなった?」

 このようなはぐらかしに、ランシェの心はさらに混乱し、無力感を覚えた。何もわからず、体はまだこんなに弱っているのに、目の前の自分そっくりの神秘的な少女は、何も教えてくれない。この完全な無力感は、彼女に、自分がずっと置かれてきた状況を思い出させた……。少女の穏やかで深い瞳から、彼女はまた、奇妙にも言葉にできない静けさと信頼を感じ取った。まるで、彼女の前では、全ての偽りと警戒心を解いてもいいかのように。

 彼女は、首を横に振ることを選んだ。体力は少し回復し、意識もいくらかはっきりした。だが、ランシェの心境は、決して「良くなった」とは言えなかった。

「あたし……このまま死んで、いなくなっちゃった方が、いいのかな?」

 ランシェの声は、深い鼻声と絶望的な震えを帯び、涙が糸の切れた真珠のようにこぼれ落ちた。彼女はなぜ、会ったばかりの、こんなにも神秘的な見知らぬ相手に、こんな恐ろしいことを口走ってしまったのか、自分でもわからなかった。だが、その考えは毒草のように彼女の心の中で狂ったように育ち、今、ついに土を破って芽を出したのだ。

「パパは頼りになる農夫で、家計を支えてる。ママはすごい旅人で、お兄ちゃんは人の世話が上手で、お姉ちゃんなんて……お姉ちゃんはあんなに強くて、未来の騎士で、いつもみんなを守ってくれる……」

 彼女は鼻をすすり、声は次第に小さくなり、完全な自己嫌悪に満ちていた。

 「あたしだけ……あたし、何もできない。薬草が少しできるくらいで……。でも、それさえも、ママやお姉ちゃんの役には立てないみたい…。あたしが作った薬草なんて、二人にとっては、きっと意味ないんだよね……」

 昨夜盗み聞きした母と姉の会話が、今、冷たい毒液のように、彼女の既に打ち砕かれた心を浸していく。

 「あたし、まるで……余計な人間みたい……。ただみんなに迷惑をかけるだけで、あたしみたいな人間、たぶん…たぶん、いなくなっちゃった方が、みんなにとってもっといいんだ……」

 ランシェはうつむき、肩が激しく震える。彼女は自分が、森の中の邪魔な雑草のようだと感じていた。役に立たないだけでなく、他の植物の成長さえも妨げる。消えてしまうのが、一番良い結末なのだと。

 これこそが、この二日間、ずっとランシェを苦しめてきた心の病の正体だった。


 神秘的な少女は静かに耳を傾けていた。その顔には相変わらず焦りも驚きも見られないが、その深い瞳の中の、元々あった慈悲の色が、さらに深まったように見えた。彼女は手を伸ばし、指先でそっとランシェの顔の涙を拭う。その仕草は、先ほどよりもさらに優しく、まるで目の前のこの脆い魂を壊してしまいそうで、恐れているかのようだった。

「ランシェ」

 少女の声は、先ほどより低く、そして優しく、だが、有無を言わせぬ強い力を持っていた。

「私を見て。よく聞いて。命の意味はね、役に立つかどうかとか、誰かと比べることで決まるものじゃないの」

 彼女は一呼吸置き、その眼差しは星のように澄み渡り、まっすぐにランシェの瞳を見据えた。「この森を見てごらんなさい。一枚一枚の葉っぱも、一本一本の小さな草も、目立たない石ころ一つでさえも、その存在自体が、森にとってかけがえのない一部なの。誰も余計な人間なんていない。誰も、いなくなった方がいい人間なんていないの」

「全ての命は、それが生まれたその瞬間から、生きる権利と、唯一無二の価値を持っている。今はまだ、自分の輝きに気づいていないだけかもしれない。今はまだ、道に迷っているだけかもしれない。でも、それは決して、あなた自身の存在意義を否定していい理由にはならないし、ましてや死んだ方がいいなんて選択をしていい理由にもならない。他人の物差しで自分を測らないで。ましてや、一時的な苦境だけで、命を諦めたりしないで。ランシェ、あなたは、唯一無二のあなたなの。あなたがいなくなることは、あなたを愛する人たちにとって、決して埋めることのできない痛みになるし、この世界にとっても、決して埋めることのできない空白になるのよ」

 彼女の慰めの言葉には、華麗な美辞麗句も、あやふやな約束もなかった。だが、それはまるで強靭な光のように、ランシェの心の中に広がる、自己破壊へと向かう濃い闇を、力強く切り裂いた。それは、すぐに温かい希望をもたらしたわけではないが、落下し続けていた絶望を食い止めた。ランシェは涙に濡れた顔を上げ、少女の、異常なほど真剣で、まるで全てを見通すかのような瞳を見つめる。きつく張り詰めていた心の弦が、極めてゆっくりと、ごく僅かに、緩んだようだった。彼女はまだ苦痛と迷いを感じていたが、あの「死んだ方がいい」という考えは、少女の揺るぎない眼差しと言葉の中で、もはや唯一の、当然の出口ではないように思えた。


「こっちへ来て」

 少女は再び手を差し出し、今度はランシェの手を握った。その手のひらは少し冷たかったが、不思議と、抗うことのできない安心感があった。ランシェは一瞬ためらったが、最終的には彼女に引かれるまま、少しおぼつかない足取りで立ち上がった。

 もしかしたら……。本当に、まだやり直せるのかもしれない? もしかしたら……。自分は、このまま消えなくてもいいのかもしれない? ランシェの心に、そっと、ごく微かな、自分自身でさえほとんど認めたくないほどの、生存本能と、未知なるものへの密かな探求心が芽生えた。

 彼女は神秘的な少女の後について、まだ少し不安定な足取りで前に進んだ。


 彼女たちが向かったのは、ランシェに尽きない絶望と恐怖をもたらしたあの巨大な木ではなかった。巨木の広大な根を回り込み、そのすぐそばにある、柔らかな光に包まれた小さな空き地へとやってきた。この草地は少し特別で、草の葉は周りのものより青々として柔らかく、ほのかな清々しい香りを放っている。そして、その草地の真ん中に、ランシェは心を激しく揺さぶられる植物を見た。

 それは、奇妙な苗木だった。

 高さはせいぜい人の半分ほどで、幹は細いが異常なほどまっすぐに伸び、まるで生命が宿っているかのようにゆっくりと光が流れる、奇妙な銀白色をしていた。苗木には数枚の葉がまばらについており、その一枚一枚が水晶のように透き通り、この世の植物とは思えない。まるで、最も純粋な氷の結晶で丁寧に彫られた芸術品のようだ。葉の縁は、絶えず微かで変化する七色の光を放っている。苗木全体が、言葉では形容しがたい雰囲気を放っていた――神聖で、探求心をそそる神秘、そしてどこか不気味な気配が入り混じっている。それは、周りの生き生きとした、緑豊かな森とは鮮やかな対照をなし、まるでこの世界のものではないかのようだった。ランシェは、学校の授業でも、これまでに見たどの薬草図鑑や植物百科でも、この奇妙な苗木に関する記述を一度も見たことがないと断言できた。


「これよ」

 神秘的な少女は苗木の前で立ち止まり、その目に複雑で読み解き難い感情を浮かべながら、そっと言った。

 ランシェは茫然と少女を見つめ、その目には明らかな戸惑いと、隠しきれない恐怖が満ちていた。彼女は尋ねた。

「これ、いったい何なんですか?」

 少女は振り返り、ランシェの視線と合わせる。

「触ってみて、ランシェ。怖がらないで。それに含まれる力を、感じてみて」

「さ、触る? なんで?」

 ランシェの声は、抑えきれない震えを帯びていた。彼女の直感が、狂ったように警報を鳴らしている。この苗木は絶対に普通ではない。その中に秘められた力は未知で強大であり、無闇に触れれば、予測不能な結果を招くかもしれない。

「怖がらないで。これは、あなたの……もう一つの部分だから」

「あたしの……もう一つの部分? どういう意味ですか?」

 この唐突な言葉にランシェはさらに混乱したが、少女はその問いに正面から答えず、ただランシェを安心させるように言った。

「大丈夫。これに触れれば、あなたにも理解できるから」

 その励ますような眼差しは、これが決してランシェに害をなすものではないことを示唆しているようだった。


 もはや、事態はランシェがこの少女の指示に従わざるを得ない状況にまで発展しているようだった。だが、相手は少なくとも、自分が絶体絶命の時に手を差し伸べてくれたのだ。心優しいランシェは、これが悪人のすることだとは思えなかった。

 それに、自分はただの、何の取り柄もない普通の小学生だ。他人が、こんな平凡で価値のない自分をわざわざ陥れて、何の得があるというのか。エルフの森には、人さらいのような話も存在しない。自分が誘拐される心配もないだろう。

 そして、何事に対してもこうして怖気づいていては、ランシェの悩みは永遠に解決しない。彼女は決して、より良くなることはできない。今のこの行動が、彼女の成長に直接関係があるようには見えなくとも、これはランシェが勇気を出し、現状を打破し、前へ進むための一つの試練であり、検証の機会なのだ。もしここで尻込みしてしまえば、今後、自分が再び突破する勇気を持てる保証など、どこにあるだろうか?

 ランシェは、もうこれ以上、何も成し遂げられないままでいるのは嫌だった。

 最終的に、ランシェの好奇心は、恐怖と躊躇いに打ち勝った。

「……わかりました!」

 彼女は深呼吸をし、唇を固く結ぶ。その瞳に、一瞬の決意が閃いた。彼女は震えながら、ゆっくりと右手を上げ、あの、魅惑的で危険な光を放つ銀白色の苗木へと伸ばす。その指先が、氷の結晶のような葉に、次第に近づいていく……。

 ランシェの指先が、その氷の結晶の葉に触れた、その瞬間――。

 ゴオオオオオッ!!!

 言葉では形容しがたい、狂暴で広大なエネルギーの奔流が、数え切れないほどの、宇宙の星屑のように乱れた情報の断片を伴って、まるで古の封印を突き破った巨獣のように、抗いがたい勢いでランシェの体に激突し、彼女のその僅かな意識の防衛線を一瞬で打ち砕いた。

 無数の奇怪で、断片的な映像が彼女の目の前を高速で過ぎ去っていく。様々な、聞き取れない、遥か過去からの囁きと、儚い未来からの呼び声が、彼女の耳元で交錯し、響き渡る。時には神聖な詠唱のように、時には悪魔の呪いのように……。

 この全てが、十二歳の少女が耐えられる限界を、遥かに超えていた。

「ぐああ――っ!!!!」

 ランシェは、人の声とは思えないほどの凄まじい、短い悲鳴を上げ、その体は激しく震え、次の瞬間にはバラバラになってしまいそうだった。彼女の目の前は、一瞬にして、極限まで眩しい純粋な白光に飲み込まれた。全ての思考、全ての意識が、その白光の中で、脆い泡のように弾け、消え去り、完全に無限の混沌の深淵へと沈んでいった。彼女の体は支えを失い、ぐにゃりと後ろへ倒れていく。

 彼女が完全に意識を失う直前の最後の瞬間、そのぼやけた視界に、あの自分と瓜二つの神秘的な少女の姿を捉えたようだった。少女は静かにそこに立ち、その顔には相変わらず優しい微笑みが浮かんでいた。ただ、その微笑みには、どこか言葉にできない慈悲と、そして……まるで、何か重い荷物をようやく下ろしたかのような、安堵の色が加わっていた。

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