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痛い、熱い、苦しい、痛い、熱い、苦しい
頭が埋め尽くされて行く
彼の目の前は真っ暗になってきた
そして彼は、意識がなくなりながら、倒れてしまった
彼は自分が死ぬことを悟り、思い出を掘り返そうとしたが、何も考えられない、何も頭に思い浮かばない。
その矢先、痛みという網を掻い潜って一つの"記憶"が頭に浮かんだ。
「私の英雄になるんでしょ?」
その声は絶え絶えで、その声の持ち主もまた死にそうな感じだった。
だが、彼はその記憶には心当たりがない、と考えていた時、ふと気がついた。
痛くない。
そして真っ暗だった世界に光が差し込む
「ここどこだ?」