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プロローグ

 ──ここはもう終わった場所なんだよ……ぼうや……。

 そのお姉さんはそう言った。

「終わった……場所?」

 そう言って、ボクは周りを見渡した。

 ここは山の中腹にある小さな神社。目の前には小さな拝殿がある。掃除がされていないのか少し汚れていた。建物に近づき、扉の格子状になっている部分から中を覗いてみる。

「がらくたばかり……」

 中には、割れた板や皿のような物、枯れた葉っぱに小さな花瓶みたいな物やお酒の空瓶などが無造作に置かれ、ゴミ置き場の様相を呈していた。そこに神様がいない事はボクでもわかった。

 ──神様は帰っちゃったんだよ。

 苦笑いをして、そのお姉さんは言った。

 帰る? それって天国へ帰っちゃったって事かな。でも、それなら……。

「どうして、お姉さんはここにいるの?」

 ボクはそう言った。何故ならそのお姉さんは正確には人ではなかったからだ。

 ──そうだな……。

 女の人は考えるように少しの間遠くを見て、ボクの方に振り向くとこう言った。

 ──キミみたいな子がたまにこの場所にくるからかな。

 その表情は柔らな笑顔で、少し楽しそうだった。

 それが、ボクと彼女の出会い。小学校三年生の春だった。

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