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ユーティリシアの箱庭  作者: 村上いつき
第二章

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(四)娘達の目覚め



 少女達から呪いはすべて剥がされ、呪いの核がそこに剥き出しで残っていた。丸い核から伸びた細い紐状のものが、少女達を縛るように残っているのみだ。


「あの核を破壊すれば完全に呪いは消えるのかしら」

「そうだね~。あ、でも待って!ちょうどいいや。今後のためにあの核貰っちゃおう」


 デュティはぱんと手を叩くとゼノの背をつついた。


「あの核から伸びてる紐を斬ってよ。核だけこっちに欲しい」

「はあ? お前、そんな事して大丈夫なのかよ、呪いは」

「この部屋なら平気~。聖女に任せるとそのまま消えちゃうから、ゼノに斬って欲しい。聖女もゼノも呪いに耐性あるし、娘さん達の防御結界は未だ解いてないから心配いらないよ」

「いや、お前は大丈夫なのかよ?」

「え?」


 きょとん、とデュティは首を傾げた。


「この部屋や俺たちが大丈夫でもお前はどうなんだよ?呪いに耐性あんのか?」

 デュティはその言葉に目を見開いて――もちろん外からは見えないのだが――固まった。

 そんな心配をされるとは思ってもみなかったからだ。


「――うん、大丈夫。彼女達をここに寝かせたのはぼくだし」

「私もいるから大丈夫よ」

「それもそうか」


 二人の言葉に馬鹿な事を聞いたと、がしがしと頭をかきながらゼノは右手を上に上げて、剣を顕現させた。

 突然現れた剣にリタの目が釘付けになる。


 ――綺麗


 剣をこれほど綺麗だと感じたのは初めてだ。それ自身が力を纏い刃がうっすらと光っている。そして非常に強い力を感じる。これほどの強い力であれば、畏れを抱きそうなのに感じるのは安心感だ。

 冷たさではなく澄みきった強い力


 ――確かに、これならなんでも斬れそうだわ

「いつ見ても綺麗だねえ、ゼノのその剣は」


 しみじみと頭上の剣を見つめながら、デュティがうっとりと呟いた。リタも無言で頷き返し、これがあの時ミルデスタで自分を解放してくれた剣だろうかと見つめた。


「特別な力を帯びている剣だわ。今どこから取りだしたの?」

「こいつは、俺自身が鞘だ。念じれば現れる」

「ゼノ自身……」

「特別っちゃあ特別かな。第一盟主の試練で得た剣だからな」


 グレンツヴァイス――第一盟主の試練。

 リタ自身はあまり第一盟主の試練に詳しくはなかったが、試練を乗り越えられなかったら死が、乗り越えたらその者の望みが叶うというものだった筈だ。


「ゼノが得たかったのが特別な剣ということ?」

「いや。俺あ、そもそも試練なんざ受ける気なかったが、第一に勝手に放り込まれてな。なんで越えられたのかもわからねえが、俺が剣士だから剣を得たんだろうな」


 隠し持てるから便利だぜ、と何でもない事のように言っているが、望んでもないのに試練に放り込まれるとはどんな罰ゲームか。

 それほどゼノが第一盟主に恐れられているということかしら?

 つつけば他にも色々驚くことが出てきそうね、相変わらず。

 もはやゼノ関連では何が出てきても驚きはしないと決めているリタなので、その剣についてもそれ以上を尋ねる事はしなかった。


「そいつぁどうでもいいが、この箱、開けるのか?」

「もうその呪いには新たに何かに取り付く力はなさそうだから開けるよ」 


 そう言ってデュティはリタの前にある台座の板の魔石に触れると、何がしかの魔術を起動した。すると静かに二人を寝かせている台を覆うようにあった透明の箱がすうっと姿を消した。

 箱自体にも防御結界の役割があったようね。

 台の上に敷き詰められた白い花から柔らかい甘い香りが漂ってくる。そして箱の中に閉じ込められたリタとフィリシアの力の残滓も室内に広がった。

 ゼノが台の前で障害物がなくなり、触れられる距離にある娘達の顔を目を細めて見つめた。


「核を回収したら、娘さん達にかけている防御と時間停止の結界を解除するから」

「……ああ」


 短く呟いて、ゼノは剣を構えた。

 ゼノがいつ剣を振ったのか、今回もリタにはわからなかったが、核とそこから伸びていた紐状の物が切断され、少女達を縛る呪いは完全に消えてなくなった。

 ころり、と少女達の体から転げ落ちた核を、デュティが側まで歩み寄ってひょいと掴みすぐにそれを手の上で核を囲うように結界で閉じ込めた。

 閉じ込めたものを確かめるように少し上に掲げて見つめながら、うんうんと満足そうに頷く。


「ありがとう、ゼノ。これでこの呪いの解析を進められるよ」

「まあ、お前さんが楽しそうならいいさ」


 どこか楽しそうなデュティを呆れたように見ながら、ゼノはすっと剣を消すと、台の縁に手をかけ娘達を見やった。リタもつられるようにゼノの横から同じように少女達を覗き込んだ。


「アーシェは髪色以外はゼノに似ていないのね。サラも全然似ていないわ。母親似かしら」


 母親似だとしてもアーシェとサラもあまり似ていないように見えた。髪色も顔立ちも。


「サラは養女なんだ。ラロブラッドでな、生まれた町で父親や村に虐待されていたのをアザレアが助けた。アドリーシャ――嫁さんやアーシェと仲良くなって、正式にうちで引き取ることになったんだよ。生まれが半年遅くて戸籍上はアーシェの妹になる」

「そうなの……二人とも本当に可愛いわね」


 それにとても仲が良さそうだわ、とアーシェにしがみつくように眠るサラの姿にゼノが照れ臭そうに笑った。


「仲はいいぜ。アドリーシャは身体が弱くて二人目は望めなくてな。アーシェはサラという妹ができて本当に喜んでた。サラもアーシェに懐いてて、アーシェの髪は毎日サラが結ってたな。誰にも譲らないって言ってたっけ」


 懐かしむように目を細めながら語るゼノの表情は柔らかい。リタが見た中で一番優しい顔をしていて、リタも自然と笑顔になった。


「素敵だわ。じゃあアーシェの今の髪型もサラが結ったのね。サイドテールがお姉さんっぽいわ」

「サラは器用なんだ。アザレアに弟子入りしてるから、魔法陣も書けるし薬だって作れる。魔法が効かない俺はその薬に助けられてたな」

「それは凄いわね。アーシェは?見たところ腰に剣があるわ。ゼノと同じように剣士なの?」


 アーシェの服装はスカートにマントといった出で立ちで、サラはショートボブでパンツスタイルにマントと、見た目少年っぽい。


「ああ、魔法剣士だ。水の魔法と身体強化を使う事が出来る。剣は俺が手ほどきした。二人とも年齢の割には戦える」

「それは楽しみだわ――それで」


 嬉しそうに語るゼノの言葉に聞き入りながら、リタは背後のデュティを振り返った。


「いつ防御結界を解除してくれるの? 私も凄く楽しみに待ってるんだけど」


 その言葉にゼノもデュティを振り返り、ぎょっと固まった。

 デュティの被り物が変わっている。

 目に痛いピンクのクマの怒り顔バージョンだ。


「……お前何やってんだ」

「酷くない? ゼノ」

「はあ? 何がだよ」


 わざわざ被り物を変えてまで「怒ってます」との意思表示はあまりされたことがない。しかもこのピンク色はゼノに不評であることをわかった上でのチョイスだろう。


「ぼくには娘さん達のそんな話聞かせてくれた事なかったじゃないか。なんで黄金の聖女にはそんな話するの?」


 これは怒るというより拗ねているんじゃないのかしら。


 ゼノが嫌そうに視線を逸らすピンク色の頭を見ながら、リタはどこか拗ねたように聞こえるデュティの口調に肩をすくめた。


 ここにもゼノに構われたい人がいるわ……ゼノの周りにはゼノを好きすぎる人が多いわね――それもちょっと癖のある人ばかり。


 自分も癖がある部類に属することを自覚せずにリタはやれやれと息を吐いた。


「そうだったか?……あ~そりゃお前、あれだよ。今もう目覚めるとわかってっから話せるんじゃねえか。そうじゃなきゃ俺あ話せねえよ」

「そうなの?」

「目覚める当てがねえのに思い出しちまうと、俺自身が耐えられねえ」


 俺は臆病だと言っただろ、とがしがしと頭をかきながら弁解するゼノに、デュティが首を傾げて――ひゅん、と被り物がウサギの真面目顔に戻った。


「だったらいいよ」 


 被り物は一応表情に意味があるのね、と昨日から見ている表情(かお)を思い出しながら、今更もう瞬時に変わるぐらいでは驚きもしない。


「じゃあ彼女達の防御魔法を解いてしまおうか」


 機嫌を直したらしいデュティが、いそいそと台座に歩み寄り魔石に手をかざせば、少女達の上空に魔法陣が浮かび上がった。

 その魔法陣を見つめていたリタは、そこに見慣れた文字を見つけて愕然とした。

 魔法陣は読めない記号や紋章のようなものと、リタの知るあちらの世界の文字が刻まれている。魔法陣の中央に、先程聞いた少女達の名前と数字。


 アーシェ=クロード

 サラ=クロード

 27121005:10.24.37:00047


 リタが読み取れたのは魔法陣のこの部分だけだが、この部分があの世界の文字ならデュティはあちらの文字を理解していることになる。ならば彼はフィリシアと同じくあの世界の人間だということか。

 ごくりと息を呑みながらリタはその魔法陣を睨み付けた。


「ん~……止めた時間と動かす時間に数時間の差があるけど……半日も違わないから大丈夫かな」

「なんだ?時間差があると何かあるのか」


 緊張した面持ちで問いかけるゼノに、だって、とデュティが振り返った。


「もし彼女達の時間で夜だったら、今起こすと身体時間がもう寝る時間だから、起きたのにすぐ眠くなっちゃうでしょ?でも止まった時間が午前中で今はまだお昼過ぎてから二時間程度しか経ってないから大丈夫かなって」

「ああ、そういう」


 ゼノがほっと胸をなで下ろした。


「彼女達の状態や記憶は、その呪いを受けた時で止まってるの?」

「……記憶はそうだね。状態は、呪いを受けてから時間停止するまでに二日ほど経ってるかな。術式組むのにちょっと時間かかっちゃったから」


 状態を維持して時間を止める高度な術式を、たった二日で組み上げておきながら「時間がかかった」というのは、デュティの知識と技術力の高さを彼本人が認識していないのか。恐らくこの世界でそんなことが出来る魔術師など存在しない。

 リタは魔術に詳しくはなかったが、それぐらいはわかる。

 流石はこの箱庭を築き上げ維持管理する管理者の実力といったところか。


 冷静に考えるとその実力に身震いするわね。


 残念な事に被り物のせいでそれほど凄い魔術師だとは感じられないが。


「じゃあ、防御結界魔法陣を解除するよ」

「ああ、頼む」


 緊張を孕んだゼノの応えを受けて、デュティの指が魔石に再び触れると空中に浮かんだ魔法陣に重なるように新たな魔法陣が現れた。

 その魔法陣が淡く青みのある光を帯びると、台座の少女達の身体もまた淡い光に包まれる。そこに先程名前が記されていた魔法陣が現れ、同じようにその上に新たな魔法陣が重なる。


 最初に消えたのは数字。

 次に二人の名前が消えた。

 それから周囲の記号や紋章のようなものが目映く発光し、リタは手をかざして目を閉じ――目を開けた時には魔法陣はすべて消え去っていた。

 しん、と息遣いさえも響きそうなほど静まり返った室内で、ゼノが喉を鳴らす音が聞こえた。

 風もないのに花が揺れる。

 アーシェが身じろぎしたのだ。


「……っ」


 ゼノが目を見開いて台座の縁に手をつき身を乗り出した。


「アーシェ」


 囁くような声。

 ぴくり、とアーシェの瞼が震える。

 リタは口許を押さえて息を詰め、その様子を見守った。


「アーシェ、サラ」


 目覚める娘達を驚かせないように、囁くように名を呼ぶゼノの声が震えていて、リタも緊張で左手を胸元で握りしめた。


 ――ああ、


 ゆっくりと、まるで蕾が花開くようにゆっくりと瞼が開き、アーシェの澄んだ翠色の瞳が見えた。

 ぼんやりとした表情で視線は空中を彷徨い、何かを呟くように唇が動いたのがわかった。


「アーシェ」


 名を呼ばわるゼノの声に、アーシェの視線がその人を探すようにゆっくりと視線が動く。――その瞳がゼノを捉えた時、唇が動いた。


 ――お父さん


 その言葉は声にはならなかったが、リタにもゼノにもわかった。

 ゼノが泣いているのか笑っているのかわからない、くしゃりとした顔で唇を戦慄かせた。


「……アーシェ、アーシェ……!」

「んん……」


 その声にアーシェにしがみつくように寝ていたサラが身じろぎして、ぎゅ、とアーシェの腕に抱きついてその肩に顔を埋めた。


「はう……っ!」

 その仕草に思わずリタが呻いた。


 可愛い……!!


 腕に抱きつかれた事で、アーシェがぱちぱちと瞬きを繰り返し、まず自分の腕に捕まるサラに目をやった。


「――サラ……、っ!?」


 呟くとはっとしたように飛び起きて、腕に抱きついたままのサラの肩を掴んだ。


「サラ!大丈夫!?」

「ふにゃ……?」


 身体を揺すられて、未だぼんやりとした表情のサラも、座り込んだままアーシェの肩にこてんと頭を乗せ、片手で目をこすりながら心配そうに自分を見つめるアーシェを見上げた。


「お姉ちゃん」

 ほわ、と微笑んでアーシェに応える。


 その様子をゼノが息を詰めて見つめていた。

 まるで今声をかければ目の前の光景が消えてしまうのではと怯えるように、息を詰めて身じろぎひとつせずに二人を見つめている。

 サラの様子にアーシェはほっと胸をなで下ろすと、次いで台座の所に立つゼノを見た。


「――お父さん!!」


 目を見開いて、焦ったように叫ぶ。その声にサラもびくりと肩を震わせ、ゼノを見つけて目を見開いた。


「お父さん……!!」


 二人は立ち上がると台座の中を駆けるように、ゼノに飛びついた。


「アーシェ、サラ……!」

 飛びついてきた二人を難なく受け止めながら、ゼノも二人を抱きしめた。

「お父さん、良かった……!!私、お父さんは裂け目の内側に行ってしまったと思って……!」

「無事で良かった……!お父さんなら大丈夫って思ってたけど、わたし、心配で……!!」


 抱きつきながらゼノを心配する二人の言葉に、ゼノが二人を力強く抱きしめ返した。


「俺ぁ大丈夫だ……お前たちの方こそ本当によく……生きていてくれた」


 アーシェが首をふるふると振りながら「私たちはみんながいたから」と返す言葉に、ゼノは痛みを堪えるような顔した。

 リタも気付く。

 彼女達は、あの場にいた人達に起こった事をまだ知らないのだ。

 恐らく、自分達の身に起こった事も。

 ゼノの見た目は老いる事がない。

 ()()()で時間が止まっているというならば、きっと彼女達は二百年もの時間が経過しているなどと想像もしていないだろう。


 ゼノの表情に何かを感じ取ったのか、アーシェはそこで初めて周囲を見回した。

 白い、所々青い意匠が刻まれた壁に囲まれた部屋。この部屋の窓は、天井にほど近い位置にぐるりと部屋を囲むように配置され、直接的な光が箱に当たらないようになっていて、部屋の中は明るいが閉鎖的な空間だ。

 自分達の足下には四角い台があり、白い花が敷き詰められている。

 台座の自分達のすぐ近くに立つリタとデュティを認めて、アーシェはそろそろとゼノに抱きついていた身体を少し離した。


「ここは……?」

「ああ……何から話せばいいか……」


 ゼノは眉尻を下げて腰をかがめ、二人をそっと床に下ろした。

 アーシェとサラはしっかりと床を踏みしめて自分の足で立つと、未だ腰を落としたままのゼノの肩に手を置き、正面から彼を見つめた。


「お父さんなんだか……」

「とっても辛そう」


 二人にそう言われて、ゼノは泣き笑いの顔のまま無言で二人をまた抱きしめた。


「お父さん……?」

「どうしたの?……泣いてるの?」


 ゼノは何も答えられずに二人を抱きしめたまま、動けなかった。

 そんな三人の様子を見つめていたリタも、両手で口許を押さえたままその場で動けずにいた。


 ぱん、と静寂を破るように軽く手を叩く音が響いた。

「さぁさ!いつまでもこの部屋にいるわけにはいかないよ。とりあえず場所を変えようか」

「……デュティ、さん?」


 アーシェがデュティの名を呼んだ事で、二人がすでに箱庭の管理者と知り合いであったことをリタは知った。


「ほら、ゼノもちゃんと立って。 二人はお腹すいたりしてない?何か食べたいものとかある?——二百年ぶりの食事だから、好きな物言っていいよ」


 さらりと重要なことを事も無げに告げたデュティに、え?と二人が目を見開いた。


「二百年……?」

「それってどういう……」


 戸惑う二人に、デュティはうん、と頷いてみせてこてん、と首を傾げた。


「それは場所を変えてゆっくり説明するよ。まずは、君たちのお父さんを落ち着かせないとね。黄金の聖女も疲れたでしょ?どうする?一緒に行く?それとも部屋で休む?」


 問われてリタは少し迷った。

 正直なところ疲れはある。

 慣れない解呪で精神力をごっそりと持って行かれ、無事解呪出来た事で張りつめていた緊張の糸が切れた。ふらついていて今すぐに身体を休めたいのが本当のところだ。

 でも……

 ちらりと、いまだ言葉も出ない体のゼノを見やる。

 このままゼノも彼女達も放っておく事の方が心配だ。

 自分に何が出来るという訳ではないけれど……


「もしお邪魔でないのなら、私も同席させてもらいたいわ」

「ぼくはいいと思うよ。君とゼノのつながりも説明する必要があるしね」


 デュティに快諾されてリタは窺うようにゼノを見た。


「ゼノはどう?」

「ああ……。助けてくれたのはお前さんだ。いてくれ」


 許可というよりもお願いされて、リタは微笑した。そして二人の少女に向かって前に一歩進み出る。


「初めまして。私はリタ=シグレン。あなた達のお父さんに家族ごと助けてもらった者よ。仲良くしてね」


 ローグマイヤー公爵に叩き込まれた礼の形を取り、にこりと笑って見せた。


  

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