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『カラオケにでも行こうかと』

 



 それから俺は志乃亜に連れ去られたままだった。


「どこに行くんだ?」


「着けばわかります」


 俺が何度聴いても返事は同じことしか言わないので、少し変だな...そう思いながら後をついて行くことにいた。


「まだもう少し先です」


 やっと、違う返事をしたかと思うと、場所の話しだったらしい。


「あれ?ここって...」


 ふと、知ってる道に続いていた。

 何故だろうか?俺と志乃亜がたどり着いた場所は何度も来ている思い出の場所だった。


「なんでここに?」


「新しい道を見つけたので教えようかと、こちらの道から行った方が楽です。貴方の体力面で最近は少し心配でした」


 俺の小さな変化にも気づいているらしい、最近は体育祭があると気づいてからは運動をし始めた。


 その疲れは体にも、もちろん出ており疲れが溜まっていた。

 それに最近は良くこの場所に来ることが多くなってきている。


「そうか...正直助かる」


「それなら良かったです」


 それにしても、こんな所に近道があったなんて気づかなかった。

 前に1度ここに来た時はなかった気がするがなんでだろうか?


 まぁいいか、志乃亜は何故黙ってここまで来たのかはわからないけど俺のためを思ってくれたということはわかった。


「次も連れていきたい場所があります」


「つ、次?」


 どうやら志乃亜はまだ連れていきたい場所があるらしい。


「おいおい、昼休みはもう終わるぞ?」


「私が早退を伝えておきましたので大丈夫です」


「それ、十分えぐいことしてるよな...」


 そう言いながらもついて行くことにした、志乃亜といて楽しくなかったということは()()()()()()()、何故なら志乃亜は俺の事を考えて行動をしているからだ。


 自分のことを後回しに考えるのは良くないと思ってはいるが、俺としてはその行動に救われた数は少なくはない。


「それで?次はどこに行くんだ?」


「カラオケにでも行こうかなと...」


「か、カラオケ!?」


「そうですけど、何か問題でもあるんですか?」


「いや、ないけど...」


 ないけども、俺はそこまで歌を聴くことがほとんどない。

 なので、知っている歌もサビだけだったりするので困ってしまっている。


 前に千里と来た時に何曲かしか覚えていない気がする。


「それでは行きましょうか」


 志乃亜の顔を見ると、何故か楽しそうな顔をしていた。

 その表情はいつも見せている無表情よりかはダントツに可愛い。


 ギャップ萌えというやつだろうか、こういうたまにしか見せない表情はなにかくるものがある。


「まぁいいけどさ?行ったことあるの?」


 そう言うと固まったかのようにピタッと動かなくなってしまった。


「・・・」


「もしかして...行ったことないの?」


「仕方ないじゃないですか、行ったことないから行きたいと思うんです」


「俺もほぼ0回だから来たの...」


 俺たちはカラオケ初心者らしい、全く来たことがないという事実が判明してしまった。


 志乃亜は完璧なので歌もきっと上手いだろうが俺の場合歌は平均的な点数しか出なかった。気がする。


「それじゃあ行きましょう」


「そうだな...」


 そう言って店内に入り、個室に入った。


「ここがカラオケなんですね...」


 志乃亜はなにかに感動するかのように予約機を眺めて曲を検索し始めていた。


 やり方は予め予習してきたらしく、手慣れた感じに検索している。

 俺より上手なんじゃないだろうか?


「1回目には見えない動きだな...」


 ボソリと俺が声をつぶやくと「私をなんだと思ってるんですか」と検索しながら言ってきた。




 その後1時間ほどカラオケをしたが、志乃亜の歌は当然上手だった。

 その次に歌った俺だが平均的な点数だったのに志乃亜は高得点をたたき出していた。



 ◇



「楽しかったですね」


「久しぶりに来たけど良かったな」


「また来ましょう」


「だな...」


 俺と志乃亜はカラオケの素晴らしさを体で実感していた。

 たまにはこういう風に歌ってはじけることも大事なんだな...と思う。


「次はどこに行きましょうか?」


「え?まだあるの?」


「今ので終わりだとは思わないでください。これからスタートです」


 どうやらまだまだ行きたいところがあるらしい。

 疲れるがここまで一緒に過ごしたのなら最後まで付き合ってあげようと思う。


「で、次はどこに行くんだ?」


「次は服屋さんにでも行こうかなと思います」


「なんで?服困ってなさそうだけど」


「親が適当に買ってきたのが沢山あるだけです。それに貴方に選んでもらおうかと考えていたのでちょうどいい機会です」


 ん?俺に選んでもらおうと考えていたので?そんなことを聞いてないぞ。


「俺ファッションセンスないと思うけど...」


「貴方が似合ってると思うのを教えてくれればそれでいいです」


「志乃亜くらいになるとなんでも似合ってくるだろうから意味無くない?」


 そう言うと少しだけ頬を赤く染めていた、言った後にだが俺もあれ?恥ずかしいこと言ったよな...と自滅してしまった。


 結局服選びは俺が「可愛い」と「似合ってる」しか言わなかったのでそう言った服は全部購入になってしまった。


 あれでも結構減らしたらしいし、何度も同じ答えを言う俺に拗ねてしまったらしい。


「今日はありがとうございました。また次もよろしくお願いします」


「次あること前提なんだ...」


「はい、たまにはこういうのもいいかなと実感しましたので」


 志乃亜の言う通り、普段家から出なかったりするのでこういう連れ出されるのは悪くない気分だった。


「まぁ、次があればだけど...楽しかったな」


「そうですね、今週はもう厳しいので体育祭が終わってからなら予定を建てれそうですね」


 何かブツブツ言っている志乃亜を横目に見ていたら「それでは今日はありがとうございました。明日学校で会いましょう」と言われたので俺も「またな」と一言だけ返して家に帰った。

ここにきて自分が体調を崩し始めてきました。

と言ってもまだまだ軽い方だと思うので頑張って投稿していきます。

予定より2時間も遅れてすみません。


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