01.異世界転生したら赤ちゃんでした。おっぱいは大好きです。
身体が、上手く動かない……ここは、どこなんだ?
目を開くと、そこはベッドの上だった。しかし、普通のベッドとは違う、まるで檻のような柵に四方を囲まれた、不思議なベッドだ。
えっと、おれは確か……そうか、転生したんだった!
ということは、ここはベビーベッドって奴なのか? それなら、赤ちゃんが間違って落ちないように柵があっても不思議じゃないし……うん、それに身体が上手く動かない理由もわかるってもんだ。
赤ちゃんだもんな、おれ……。
にしても、寝返りすら出来ないな? 首も、まだ自由には動かせないか……あ、目は動かせる。余り、視力が良くないようだけど、これは赤ちゃんだからかな?
きょろきょろと目を動かせば、そこは当然の事ながら部屋。どうも、天井や壁は石造りのようだ。壁にかかっているのは、ランタンという奴かな? 明らかに、現代ではない……まぁ、モンスターが居るわけだし、ファンタジーな世界のはずだからね。中世くらいの文化レベルなのだろうか?
今わかるのは、それくらいか……目の動く範囲でしかわからないからね。こればからは仕方ないと諦める。でも、橋の下とかじゃなくて良かった……。
「奥様。坊ちゃんが目を覚ましましたよ」
ガチャリと部屋のドアが開く音がしかと思えば、女の人の声がした。若い女性の声だ。それにしても、奥様に坊ちゃんか……おれってば、割といい家の子なのだろうか?
そんなことを考えていると、目の前に巨人……ではなく、大人の女の人が現れる。おっぱいな金髪美人さんだ。この人が、おれの母親なのか? それにしては、若過ぎるような……。
「ふふ、おはよう、アル。良く眠れまちたか~?」
おれをアルと呼んだおっぱい金髪美人さんが、ベッドの柵越しにおれを抱き上げるとおれの頬に何度もちゅっちゅとキスをしてくる。
見た目は赤ん坊、中身は大人……これは、中々に恥ずかしい。しかし、赤ちゃんにする行為だと考えると普通の事なんだから、耐えるしかない。あ、何の反応も無いのも問題かな? とりあえず、きゃっきゃと喜んでる振りだけでもしとくか……。
「あら、坊ちゃんったら……奥様のキスにそんなに喜んで、将来はエッチな子に育ちそうですね」
失礼な奴である。誰だ? と思い視線を向けると、そこには尖った耳を持つ、これまた美女がいた。肩までの短めの銀髪に、ヴィクトリアン調なメイド服。目は少し吊り気味で、瞳も髪と同じく銀をしている。こちらも、母親ほどではないが、おっぱいさんだ。
ちなみに、母親は腰までのウェーブがかった髪に、青い瞳をしている。服装は、ゆったりとしたワンピースを着ているようだ。耳は、メイドさんと同じで尖っている。
「もう、ティーったら……アルは、きっと誠実で格好いい男の子に育ちますよ!」
「……まぁ、奥様の血を引いているのですから、見目の良い男に育つのは間違いないでしょうが……あの男の子供でもありますからね」
そう言ったメイドさんの目がすぅっと細められる。そんなメイドさんの言葉に、母親は困ったような笑みを浮かべた。
あの男って、おれの父親の事かな? どうやら、何かしら問題がある男のようだ。
「ティー……それは、この子には関係無いわ。わたしとあなたで育てるのですもの、いい子に育たないはずが無いでしょ?」
「……そうですね。アル様、ご覚悟を……私は奥様のように甘やかさないですからね?」
ティーと呼ばれたメイドさんは、そう言いながらもおれの頭を優しく撫でてくれた。
「何だかんだで、ティーもアルのことを甘やかしそうなんだけど……ふふ、一緒に頑張ってアルを格好いい素敵な男の子に育てましょうね♪」
母親……いや、ママはそういっておれをぎゅっと抱き締めてくれた。あぁ、ふっかふかのおっぱいお布団がぎもぢいいいぃぃぃぃぃぃぃっ。
「……エッチな子にはなるでしょうけどね……」
このメイドさん、おれの心でも読んでいるのか!? それとも、顔に出ているのだろうか……いや、赤ちゃんの顔でエッチな顔ってどんなだよ……なんというか、恐ろしいメイドさんだ。
「ふふ、男の子ですもの、多少エッチなのは仕方ありませんよ」
「……多少、であればいいのですが……」
そう呟くメイドさんの目は、ママのおっぱいに顔を埋め、くんかくんかとするおれの顔を、じっとりと見つめている。
あぁ、早くおっぱいの時間にならないかな……第二の人生、色々と自重する気など無いおれなのであった。
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