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神、世界をタダす  作者: 絶
2/21

目覚め 


 俺は死んだ、彼女と一緒に。

 そして約束した、来世でまた出会って恋に落ちて結婚しようと。 

 何年かかろうとしても何万年、何億年でも。

 必ず……。




「おーい。起きてください。おーい」

 

 突如聞こえたその声で目を開けた。誰だよ、大声で起こすのは。

 目の前には黒髪の赤目の1人の少女がいた。


「やっと起きましたか。どんだけのお寝坊さんなんですか。」


 初対面の奴に嫌味を言われた。そして、ここはどこなんだろう?

 周りを見る限りだとどっかの教会か神殿か。でも、俺は……


 俺は嫌な予感がした。


「あの、ここはどこなんでしょう」

「ここは私の家です。自己紹介がまだでしたね。私はテュケと申します」


 少女が丁寧に自己紹介をしてくれた。いや、そんなのどうでもいい。俺の頭の中では最悪なパターンがよぎる。

 俺の脳内はフリーズした。

 

「大丈夫ですか、アーレ」

「なぜ、僕の名前を?」


 俺は名乗っただろうか?


「あの、あなたは何者なんですか?」

「何者って、さっきも言った通りです。私の名前はテュケでここの主です。気軽にテュケと呼んでもらって結構です」


 そうだ、さっき自己紹介していた。テュケは目を丸くして答えた。

 寝起きだからあまり頭が回らない。

 

「じゃあ、テュケ。この状況について説明してほしい。それと、メーテがどこにいるか教えてほしい」

「そうでしたね。メーテについては説明すると、あなたが話をまともに聞いてくださりそうにないので後で話します。それで、先ほどなぜ名前を知っているか?という質問がありましたね。それは、ずっと見ていたからです」

「えっ」


 俺は驚いて声が出てしまった。意味が分からない。

 見ていた?あの光景を。


「今あなたは、あの光景を見ていて何もしてくれなかったのかと思ってますね。目でわかります。はいそうです。何もしませんでした。まあ、正確にはできなかったのです」


 どういうことだよ。何もできなかった。あの場で少しくらい食べ物でも分けてくれるだけで救いになったのに、それだけでもよかったのに。

 あんなに心が荒むことはなかったのに。


「あと、あなたは勘違いしていることがあります。あなたは死んでいるのですよ」


 はあ?どういうことだ。死んでいるだと、体があるのに。実体があるのに。

 テュケは頭がおかしいのか。


「今、何かひどいこと思っていましたね」

「い……いいえ?」


 なんかさっきから心読まれていないか。


「まあいいでしょう。もう一度言います。アーレ、あなたは死んでいるのです。そして、選ばれた人間として神の御前にいるのですよ。」

「えっ?神の御前、だれが神?」

「私ですけど」


 はぁ?意味が分からん。俺はもう死んでいるだの神の御前や選ばれた人間だとか。あいつが神だとか。

 俺死んでいるの。ということはメーテは……


「自己紹介で言ったはずですが」

「言っていない、言っていない。今、初めて聞いた」

「そうでしたか。私は運命神のテュケと申します」


 しかも、こいつが運命をつかさどる運命神なのかよ。

 しかも神様って髭が生えているおじいちゃんってイメージがあった。

 でも、あいつはどっからどう見ても俺と同じ10歳か少し上の女の子じゃん。10歳の頭じゃ処理できない。


「私はあなたたちより、はるかに長く生きていますから」


 もう何が何だかわからなくなってきた。さっきから言われることが度を越えている。


「それで、ここから本題に入るんだけど……」


 待て待て、ここから本題だと。頭がフリーズさせないでくれ。


「先ほど君は、選ばれた人間でこれから神になり軍の最高指揮官動いてください」

「はぁぁぁぁぁぁ!!ど、どういうことですか?」

「言葉の通りだと思いますが」

「えっと、10歳の俺が神になって軍隊の指揮をしろと」


 10歳の俺ができるわけないでしょ。戦い方も何もわからないのに。


「はあ、鏡を持ってきてください」

 

 白いワンピースを着た女性が鏡を前においてくれた。

 そこに映っているのは、成長した自分が映っていた。


「アーレが死んだのは10歳だから、8年成長してます」


 もう何でもありだな、神の世界は。

 ということは、もしかしたら……。


「質問があります。神に死者蘇生の能力はありますか」

「基本的にないです。死霊を操る能力を持つ神はいますが」

「神になれば転生はできないんですよね」

「そうですね」

「じゃあ。この話はお断りします。俺は守らないといけない約束があるので」


 俺はメーテとの約束を守らないといけない。

 神になったら守れなくなる。


「そうか、しょうがないな。もう来ていいぞ」


 俺は後ろから抱きつかれる感覚がした。


読んでくさだりありがとうございます。

出来るだけ早めに3話以降も出していきたいです。

次回もお楽しみに

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