日本がキレる五秒前。
かなり、解り易く書いたつもりです。
色々と抜けがあると、思いますので、ご容赦下さい。
さて、日露戦争で勝った日本。
イケイケどんどんです。
更に第一次世界大戦で、かなりの利権を得て『船成金』と言った言葉が生まれる位、好景気に恵まれます。
併合した挑戦半島も、近代化が進み、福沢諭吉や井上角五郎による近代ハングルの編纂。
更に、朝鮮人からの識者や官僚も出てきて、順調そのものでした。
しかし、ここから日本の苦難が始まります。
世界大戦の好景気とは、謂わば戦時特需であり、何時までも続く訳では、ありません。
そして、必ず反動があります。
戦後恐慌と呼ばれる不況。
追い討ちに関東大震災。
それによる不況。
そしてウォール街の大暴落から始まる。世界規模の大不況。
当然、日本も昭和恐慌と呼ばれる不況に陥ります。
それでも、何とか立ち直ろうとします。
さて、ここからが問題です。
アメリカ、イギリス等の行った経済建て直し政策。
アメリカの行ったニューディール政策は、まだ理解出来ます。
自由市場に政治的介入を行い、金融緩和、公共事業を乱発して、雇用を促進し物価の安定を。
日本もそれらを行い、昭和恐慌を脱しています。
この政策は現代でも成される事がある画期的な政策なのです。
しかしイギリス、フランスは違いました。
『ブロック経済政策』
この政策は、同じ通貨圏内での貿易を重視し、外貨を排除する政策です。
要は閉め出しです。
さて、同じ通貨とは、植民地も入る事になります。
当時、日本の領地は、朝鮮半島、台湾位しかありません。
近代国家にとって、貿易は生命線です。
それを止められる事は、死を意味します。
況してや日本は、耕作地は少なく、主だった地下資源もありません。
まず、目に付いたのは満州でした。
日本は満州において、大規模な市場を作る事を考えました。
そして、満州事変が起こったのです。
満州事変とは、満州鉄道の一部を爆破『柳条湖事件』を理由に、満州に日本が侵攻し占領する事を差します。
又は、愛新覚羅溥義をトップに据え、満州国を樹立する迄を含める事もあります。
しかし、中華民国は国際連盟に訴え、リットン調査団を派遣。
その調査報告を受け『柳条湖事件は日本の自作自演』と判断し、日本の満州国は認められず。満州の返還を求めます。
その求めに日本は拒否、ついに日本は国際連盟脱退をする事になります。
これが一連の流れになります。
まぁ、表面的に日本が悪いです。
いちゃもんを付けて、領土を取っていますからね。
そして、逆ギレして連盟の脱退。
「子供か!?」と突っ込みを入れる方もいるかも知れませんね。
しかし、この満州事変。
日本側の戦略は、当時は世界中で行われた当たり前の戦略です。
日本の直近では、アヘン戦争。
これの発端は、イギリスのアヘンの貿易船を清国が撃沈した事に端を発し、アヘンの自由化。更に香港島まで奪ってます。
日清戦争は、朝鮮半島で起こった反乱を、当時の李氏朝鮮が抑えきれず。
清国に援軍を求め、日本は条約に基づき、朝鮮に派兵しました。
そして、そのまま両軍が、朝鮮半島に居座った事が始まりです。
日露戦争に至っては、問答無用のロシアの満州への侵略です。
日本からすればロシアの南下は、東シナ等のシーレーンを抑えられ、近代化に向かっている朝鮮半島を取られかねません。
そして、イギリスやフランスの、影が見栄隠れします。
日本は他国なのに、死にもの狂いで戦い、更にアメリカに仲介を依頼したり、裏表で動いた結果。
判定勝ちです。
さて、他に目を向けると、世界大戦の悪役ドイツ。
もうズタボロです。
ペンペン草も引っこ抜かれる程、食い荒らされてます。
世界中が喰うか喰われるかの、世界規模の戦国時代。
日本は、国際連盟に対し人種差別撤廃案を二度も提出してます。
貿易の緩和も求めてます。
しかし、どれも突っぱねられてます。
全く尊重されない、お飾りの常任理事国。
もう、お分かりでしょう。
日本は日露戦争で勝った時から、白人列強にとって、生意気な杭になっているのです。
そして、日本が目指す『富国強兵』と黄色人種の近代化は、搾取する側からすれば、目障り極まりない事なのです。
日本側の構想は、日中朝を中心と近代列強化と同盟。
その切り崩しは、始まっていたのです。
その布石の一つが蒋介石です。
当時の満州は、日本が実質支配しているも、同然でした。
日本側からすれば、満州国の成立も規定路線でありました。
蒋介石が政権を取る力添えした際に、その見返りに満州に便宜を図る、密約もありました。
穿った見方をすれば、満州事変そのものが、中華民国と日本の自作自演とも取れるのです。
しかし、蒋介石は掌を返し、満州事変を国際連盟に訴え、満州国の主導権を握ろうとしたのです。
日本からすれば、寝耳に水。裏切りです。
そして、イギリスやソ連の影が見栄隠れします。
蒋介石の政権時、イギリスやユダヤの財団が、多額な投資を行っています。
更に、イギリスとの間では、紙幣と銀を交換し、大量の銀が中国からイギリスに流出してます。
蒋介石自身が、中国の植民地化を推し進めていた形跡があるのです。
更に、当時反体制派だった中華人民軍ですが、此方もソ連から多額の資金を受け取ってます。
蒋介石も北伐の際、金銭支援を受けてます。
蒋介石の裏切りとイギリスの暗躍。
日本はリットン調査団で、それを悟ったのでしょう。
リットン調査団。団長は二代目リットン伯爵。
イギリスの貴族です。
それと同時に、国際連盟の欺瞞にも悟り、キレたのでしょう。
実際に、その場で大使だった松岡洋右がキレました。
帰国の船内で、自分の短慮に嘆き悶絶したそうです。
そんな、情勢の中、日本の導火線に火を着ける事件がおきます。