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ショート過ぎるショート

僕の幸せ

作者: 歩共あるま

人間は忙しない。今日もまた僕が足にスリスリしてるのに、ごめんごめんと謝って家を飛び出していった。僕が抱っこをお願いしてるのになんていう対応だろう。いつもいつも円盤を見上げては急いで飛び出していく。ろくにご飯も食べずに。


今日もまたひどくあわてて飛び出していった。何がそんなに忙しいのか、猫の僕にはちっとも分からない。


目の前を蝶が飛んでる。正直飛んでいても何も感じない。太陽が頭の上を通ってやがて沈んでいく。眠って起きてご飯を食べてまた眠る。そうやって僕は1日を終える。何にもすることなくただ1日が終わっていく。でもたった1つ、僕には楽しみな事がある。


コツンコツンと音がして、僕は丸くなってうずめていた顔をはっと上げた。そうして僕は玄関に向けて走り出した。


ガチャっと音がして扉が開く。そうして中に入ってきた彼女は僕を見てにっこりと笑うのだ。


「ただいま」


この瞬間から、退屈な時間はおしまいだ。だから僕は君が帰ってくるこの瞬間が一番好きなんだ。


僕は彼女の足元にすり寄った。


僕のこの幸せが君に伝わればいいな。

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― 新着の感想 ―
[一言] 私は猫を飼っています。留守にしていると何かと悪さをしているみたいです。たまに長時間留守にしていると調味料の袋が破れて床にばらまかれていたりします。泣 普段何考えているか分からない猫ですが、表…
[一言] すごい純粋な文章でとても好きです! 人間からみても人間は忙しいので、猫からみた人間はとても忙しそうに見えるんだろうなと考えさせられます。 あたりまえのようなことだけど読んで気付かされました。…
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