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私の愛した召喚獣  作者: 樹兎
第四章 暗雲
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上層部の腐敗2

【上層部の腐敗2】


 「自衛隊の方の進行状況はどうなっている」

 湯川の問に橋本3佐が答えていた。

 

 選抜メンバーの方は明日までに全員そろう予定です。現在は使用火器をを検討中です。辺境伯に言わせると89式では殆ど役に立たないとの事なので64式を持って行こうかと思います。あと、手榴弾、軽機関銃、パンツァーファウストを考えて下りますが、ただ、我々には何処まで持ち出せるのか国側の判断が判りません。

 

 「おい、おい、戦争しに行くんじゃ無いんだ、失踪者の救助だろう、小銃だけで十分じゃ無いのか?、それに1ヶ月の訓練とは何だ?」

  

  はい、当初は我々もそう思ったのですが、それだと生徒達のいるイスパニア王国までたどり着けないそうです。無論目立ちますので街道を通る訳にも行かず、森林を越えていく訳ですが途中、魔獣に教われるそうですので、その為の武器です。また、我々が対魔獣戦に置いては全くの素人の為にその為の訓練だそうです。

  

 「何の為の自衛隊だ、魔獣と言っても所詮、獣に毛が生えた程度だろう、案外、装備を盗むつもりじゃないのか?」

 湯川は異世界側にかなりの不信感を表していた。..

 

 自衛隊側も反論するにはあまりにも情報が少なすぎた・・・

 結局、湯川統括に押し切られる形で自動小銃のみ、弾薬一人300発(1ヶ月の訓練期間を含む)のみで出発し訓練期間中に再度、必要性が感じられればその時点で相談するとなった・・・

 

 橋本3佐の顔は落胆していたが当初から想像出来た事だと諦めるしか無かった。恐らくこれ以上言っても許可は下りないだろう。湯川統括の意向は政府の意向を反映しているのだから・・・

 

 「山崎君、君の言っていた、竜の鱗は政府預かりとなったよ、それと須藤君、今度貰った竜涙とかも渡しなさい」

 

 「えっ、嫌です」

 茜は胸に下げているペンダントを服の上から押さえる様に握りしめて渡すのを拒否していた。

 

 「それは公務中に得た証拠品に過ぎない、だから所有権は君には無いんだよ、全て政府にある。さぁ、渡しなさい、渡さないと横領罪で逮捕、懲戒免職だよ」

 「いや、です、私が古竜さんから直接、頂いた物です。ペンダントも私個人宛に頂いた物です。」

 

 「その竜涙とは1国の軍隊に匹敵するほどの力を持っているそうじゃないですか、そんな物、個人に持たされる訳が無いでしょう。」

 

 「どうしても嫌だと、そこまで言うのなら覚悟は出来て居るんでしょう。」

 「菅原警視正、須藤茜を横領容疑で逮捕しなさい。」

 

 「はぁ、それはどうかと思いますが・・・」

 「そう言えば、君も薬を貰って勝手に使い込んでいたようだったね、ま、良いでしょう、彼女を逮捕して残りの薬を出せば、使い込んだ薬の分は見逃しましょう。あぁ、でも、娘さんはある施設に入って貰いますよ。色々と実験する必要がありますのでこちらから迎えに行かせます。」

 

 「娘は何があろうと渡しません。」

 「そんな事言って良いのかね、今後、暮らして行けなくなるよ。単なる横領では無く君の場合は特定秘密保護法違反でもある、起訴されればまず、有罪は確定、10年間は娘と会えなくなるのは辛いよ。」

 

 「奥さんも犯罪者の家族として幼い娘を抱えて片親で育てて行くのは大変だろうね、いや、奥さんも共犯かなぁ、そうなると子供は施設だな。」

 「うん、その方が手っ取り早いか、親権の一時委譲で実験の同意も必要なくなるしね。」

 

 「統括、ちょっと待って下さい。..皆も落ち着いて・・・仲間割れしている時では無いでしょう。統括もそう頭ごなしに言っても仕方ないでしょう。」

 

 「何だね、山崎参事官、僕は政府の決定に従ってるだけでそれを通達してるだけですよ。」

 「ちょっと待って下さい、辺境伯は次回来た時に茜の手元に鱗が戻っていなかったら今後一切、日本とは付き合わないと、古竜が日本に対して敵に回ると言ってますがどうするんです。残りの生徒達は帰って来れませんよ。」

 

 「ペンダントにしても、茜個人の物だと前回、念を押して帰りましたから・・・」

 

 「ブラッフに決まってるじゃ無いですか?、それくらいも判らないのですか?」

 「今回、僕も異世界については勉強しましたよ。透明なガラスのコップや時計、そういった現代文明ではありふれた物が向こうで希少価値とか、なら彼はこの機会にそういった物が欲しくて堪らないはずです、心配はいりません、向こうから頭下げてやって来ますよ。」

 

 「伊能警部、菅原警視正と須藤茜を逮捕しなさい。」

 「・・・しかし・・・」

 「あなたも共犯として逮捕されたいのですか?」

 

 「・・・」

 「伊能、良いんだ俺を逮捕しろ・・・」

 

 「・・・すみません、警視正・・・」

 いいんだ、気にするな・・・お前のせいじゃない・・・

 

 「いや、いやよ。。。あたしに触るならどうなっても知らないから・・・防護は最大限まで上げてるわ。。触らないで・・・失神じゃ済まないかも・・」

 

 それを聞いて伊能は前回の事を思いだした。胸を揉んだ気絶させられた事を、今は最大限だという、下手すると死ぬかもと思うと触れない。..

 事実、茜の周りをオレンジ色の光が取り巻いていた。.

 

 「どうした、須藤茜を逮捕しないか?」

 「無理です、彼女は今は竜涙の効果、防御を最大限にして発揮させています、触れば良くて気絶です。嘘ではありません、実際に経験してますので・・・」

 

 湯川は確かにそう言う機能がある事を報告書で読んで確認していた・・・

 

 茜は堂々とその場を立ち去ったが、どうやら自衛官も湯川の態度に呆れていて追う気はないようだ・・・

 湯川の”後を追え・・・”という命令を受けて慌ててドアを出た物の後はのんびりと歩いていた・・・

 

 あの湯川とか言う統括は無茶苦茶だよなぁ、あれがほんとに政府の意向だろうか?、普通なら生徒が帰ってくるまでは大人しく取引に応じるのが普通だろう・・・

 まあ、お偉いさんの考える事は俺たち下々には理解出来ないのさ・・・

 

 橋本3佐と工藤2尉は門の詰め所の裏でたばこを吸いながら話していた。

 茜ちゃん、逃げられるといいな?、そうだな・・・

 二人は随分秋らしくなってきた風を感じながらのんびりと時間を潰していた。

 

 「判りました。薬は提出しますので娘への実験は止めて下さい。」

 菅原警視正はうなだれて、諦めた口調で言った、どうしても娘への実験はもちろん検査はさせたくは無かった。もう、二度と痛い思いを味合わせたくは無かった。

 

 「残念ながらそれは無理だね、奥さんと娘さんは隔離される事に決まったよ。、未知なる世界の病原菌に感染してるからね、感染症予防法の適用だからねこれはもう、どうしようも無い。」

 

 (うちの娘が何に感染してる、そんなばかな?、うちの娘を見てもいないはず、薬さえ見てもいない・・・)

 

 「どうしてうちの娘が感染してるって判るんですか?」

 「そりゃ、未知なる感染症だからねぇ未知なんだろうねぇ、私は感染症のプロじゃ無いから分からないよ。感染してるって聞けばそう信じるだけだよ。」

 

 部屋の外に数人の気配が感じられた。

 「どうやら来たようだね、伊能警部、今から菅原警視正宅の家宅捜査及び特定感染者の隔離に向かう。君も菅原警視正を連れて同行したまえ・・・」

 

 「はぁっ」

 菅原警視正は伊能警部に連れられて出て行った。

 

 「陸自さんは救出の準備を宜しくお願いしますよ、なるべく早く出発出来るようにして置いて下さい。これは国の最高指揮官である総理からの命令です。」

 

 「はっ!!」

 陸自組の2人は敬礼して対応した。

 それを見届けると湯川統括は退出して言った。

 

 「はぁ...やれやれ・・・」

 それを見届けると公安の山崎参事官は壮絶にため息を付くのだった。..

 どこで横やりが入ったのか山崎は考えていた・・・

 誰かが欲をかいた事には間違いない・・・

 

 総理?、いや、あり得ないだろう、生徒が失態で帰らなくなれば一番困るのは総理だ・・・となると特命担当大臣・・・官房長官、いやいや、彼らも同じ派閥で同じ船に乗っている一緒に沈没したくはないだろう・・・

 山崎は公安という職業から色んな所につてはあった。

 

 「山崎さん、これからどうなるんでしょうか?」

 「連絡はどうするんです?、茜ちゃんはいませんよ。」

 陸自組の二人は最初からの経緯を知っているだけに湯川統括が言ってるように行くとは思えなかった。

 

 「さぁ、どうなんでしょうかねぇ・・・絡み掛けた糸がほぐれたと思ったら今後はガチガチに絡まったという感じじゃないの?」

 それを聞いた陸自組は納得しつつもより、深刻な事態を招いているような気がして為らなかった。

 

 ♪゜*☆*゜♪*☆*゜♪゜*☆*♪゜*☆*゜♪*☆*゜♪゜*☆*゜♪

 家宅捜査・・・

 

 家宅捜査に向かう車中で伊能警部は警視正のポケットにこっそりと手錠の鍵を押し込んだ・・・

 警視正は一瞬驚いたようだが、何もなかったかのように表情を崩さなかった。

 

 幸い、警視正の自宅には誰もいなかった。

 他の捜査官が一斉に家宅捜査を始める、警視正の行った場所に薬は無かった。

 湯川統括は車は表通りから見えないと所に移動させると捜査官を配置して警視正の妻子が帰ってくるのを張り込んでいた。

 

 家宅捜査中の捜査官の隙を見計らって菅原警視正はトイレから逃げ出したのだった。..

 その時、一斉に追いかける捜査官を湯川は止め、呼び戻した・・・

 没収していた彼のスマフォにLineの着信があったのだ・・・

 

 そこにはパフェを美味しそうに食べる二人の姿が写っていた。

 「おい、この背景から場所を特定しろ、携帯の位置情報を調べるのだ、薬は恐らく妻が持っているのだろう、妻さえ押さえておけばいい・・警視正の方は放っておけ・・」

 背景からすぐ近くのショッピングモール内にいる事が分かった。

 捜査官は菅原警視正の妻子を追ってショッピングモールへと向かった。

 

 

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