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私の愛した召喚獣  作者: 樹兎
第四章 暗雲
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救助準備1

【救助準備前1】


 「さて無事に4人を連れてきて頂き有り難う御座いました。説得と聞きましたが、帰りたくないといった生徒がいたのですか?」

 「そうですねぇ、具体的に行って来たのが1名、後は帰れる言っても嬉しそうではありませんででしたね。」

 

 彼女たちは領内の良い面ばかりしか見ていない、あくまでも辺境伯家の後ろ盾のある子供だったのだ、辺境伯の影がちらつく子供に辛く当たる人間はいない、それを勘違いしている部分もたたあったと思う。本当の意味での独り立ちは向こうの世界の苦労の比ではない、失敗は死に繋がるから・・・その辺のところはまだ、彼女たちは理解していないから・・・

 

 「今から記者発表と聞きましたけど出なくて良いのですか?」

 「我々は表舞台には上がりません、ただ報道側の強い要請により悠人君とリナさんが記者会見に出席するそうです。」

 

 「そうですか、彼らなら大丈夫でしょう」

 悠人はあれで結構しっかりしているから心配はないだろう、リナも美琴さんの話に拠ると結構、芯は強いらしい。まあ、旨く立ち回ってくれること祈るだけなんだが・・・

 

 「さて、本題ですが、政府は救出の為の部隊派遣を決定しました。ここからの対応は陸自の橋本3佐が承ります。」

 

 「まず、概要が分からないと何んとも作戦の立てようもないのですが・・・」

 「そうですね、お手元の地図をみてください、そまつなものですが、うちにはそんな物しか無いのが実情状です。召喚から3ヶ月、基礎訓練を終えて実戦訓練に移っている頃です。最終的にはうちの領近くの森で最終的な訓練を行う予定なのでそこで救助するのが一番現実的です。行程で約120kmです。4,5日は掛かるでしょう、草原、森、山岳地帯を抜けて要救助者がいる森に付くと行った具合です。」

 

 「わかりました、今のを参考に考えてみましょう。」

 「うちの領からイスパニアの目的地に行くには森を抜けていく必要があります、中にはSクラスもいる可能性がありますので対人と言うよりは対魔物装備で考えて下さい。」


 結論から言わせて貰えれば89式小銃では役に立たないでしょう。ゴブリンですら1発で止める事は不可能です。魔物は外傷に強いですから・・・まあ、まだ、64式の方がまだましでしょうね。近接専用ならOOBを使ったショットガンの方が効果的です。5.56mmFMじゃスパッと抜けてたいした効果は期待出来ないですから・・7.62mmにしてもFMでなくSP、HPを用意した方が良いですね、それと別に堅い奴もいますから徹甲弾も必要です。


 スナイパーも用意しておいて下さい。300mで精密射撃の出来る人、対人なんで威力はあまり気にしません、ラプア.338あたり良いと思いますが・・・

 

 「ずいぶん、こちらの世界の銃器に詳しいようですが・・・」

 橋本3佐が探りを入れるように聞いてくる

 

 「えぇ、使ってますよ、対人には結構有効ですからね。」

 別に隠す必要もないので素直に認める。

 

 「ただ、数が少ないのでもう少し数が欲しいんですよねぇ」

 「そちらから銃器は売って頂けないんでしょうか?」

 「いや、ちょっと待って下さい、その問題は我々では話が出来ません、公安の方に通してみて下さい。」

 橋本3佐はしどろもどろとなって公安へと話を振っていた。

 

 「いや、行き成りこちらに振られても私の判断の限界を超えてまして即答は出来かねますが・・」

 公安の山崎氏もしどろもどろで日汗流しつつ答えている。

 いかにも俺に急に振るんじゃねぇって顔がはっきりと表情から読み取れる。

 武器輸出が幾ら解禁されたとは言え、所在すらはっきりしない国に武器を輸出するなんて事は今の日本に出来るはずも無い事は初めから分かっている。

 

 「まあ、そう、うろたえなくて結構ですよ、元々日本にはそこまで期待していませんから」

 「この件は取り敢えず、別件と言うことで、先の作戦には影響はしませんのでご安心下さい。」


 「そうですか、すいません、有り難う御座います。」

 公安の山崎氏はほっとした様子で答えていた。

 「はい、気にしないで下さい、そっちは赤坂なり狸穴なりに話を持って行く事しましょう」

 

 「あぅ、それはちょっと・・・すいません、少しお時間頂けませんか?」

 「はぁ、それは構いませんが・・・」

 「とにかく上に話してみますので・・・」

 「わかりました、回答が得られるまでは待ちましょう。」

 

 「あのう、赤坂とか狸穴とか何か関係有るんですか?」

 伊能警部がわかっていないようで聞いてきた。..

 

 「赤坂と狸穴に何がある?」

 公安の山崎氏は少し怒ったような口調で伊能警部に言った。

 

 「赤坂と言えば料亭ですよね、狸穴と言えば麻布・・」

 「わかった、美味しいご飯が食べたいって事ですか?、和食でしょう、良い店知っていますよ。」

 

 「君の頭の中は味噌汁に使うミソが入ってるんじゃないか?」

 伊能警部のあまりの脳天気さに公安の山崎はもう、呆れた顔をしている。

 

 「伊能、赤坂にはアメリカ大使館、狸穴にはロシア大使館がある、そう言う事だ」

 菅原警視正が部下の無知を恥じるようにしながらも言って聞かせている。

 

 「さて、話にもどりますが・・」

 「私の方で出来るのはここから訓練地までの往復と、訓練、訓練地から出発視点までの送迎だけです、作戦自体には参加出来ません。」

 

 「訓練とは?、我々を訓練すると言う事ですか?」

 「ええ、あなた方は魔物に対しては素人だと思いますが違いますか?、現状で小銃等で装備しただけでは森を抜けるまでに全滅は必須でしょう。作戦で通らなければ成らない森は我が領内では最悪までは行きませんが3番目ぐらいには相当します。

 それに対人用の訓練も受けてもらわないと・・・参加する隊員に抵抗なく人を殺せる人が何人いますか?」

 

 「魔物の訓練はわかる、確かに我々は魔物と戦ったのは映画の中だけだ・・・しかし、対人用訓練って、どうするんだ、人を殺すのか?」

 「えぇ、盗賊退治をして貰おうと思ってますが・・・」

 

 「ばかな、そんな事はできん。盗賊とは言え、初めから殺人ありきなんて常識を遺脱している」

 「我々の常識では『盗賊は殺せ!』が常識なんですよ。」

 

 「野蛮だ・・」

 「我が世界は、そんな世界なんですよ。」

 

 「我々は生徒の救助が任務であって現地の人間を殺すことが目的ではない、上からも被害は最小限に留めるようにと言われている」

 

 「被害を最小限にする、良いこと言ってるじゃありませんか?、我々の最小限の被害とは仲間の被害をさします、決して敵の被害の事を言ってる訳では無いんです。」

 

 「良いですか、救助に当たって監視が最低でも5,6人はいるでしょう。旨く気絶させたとします、しかしすぐに王都へ連絡され追っ手もすぐにやって来るでしょう、結果、戦闘になり何人かの生徒は命を落とすことになるでしょう。100名以上の生徒を連れてて脱出するんですよ、訓練された軍人じゃない一般人です。逃げる時間は出来るだけ稼ぐ為には監視は一人残らず殺すべきです、そうすれば生徒達が帰る予定の時刻までは時間が稼げます。」

 

 「それに必要な時に躊躇わずに人を殺せない人材は仲間を危険にさらす存在でしかありません」

 

 「所でその訓練費用はただじゃないんだろう、幾ら掛かるんですか?」

 「流石、山崎さん、公安さんはやっぱり切れますね。」

 

 「そうですねぇ、訓練機関は3ヶ月は欲しいところですが、時間的な問題もあるでしょうから基礎が出来てるという条件ならば1ヶ月で仕上げますか。」

 「1ヶ月なら送迎込みで一人500ですね。」

 

 「500ーーっ、橋本3佐が壮絶に驚いている。」

 「いやいや、陸自さん、むしろ500というのはサービス価格かも知れませんよ」

 公安の山崎氏はそう高いとは思っていないようだ・・・

 

 「ただ、正式な値段を決める前に隊員の力量を見てみたいんですけどねぇ・・」

 「簡単に言えば模擬試合をして見たいんですが・・・」

 

 「・・・・・」

 「陸自さん、良いんじゃないですか?、上からは出来るだけ要望に応じろと指示が出てるはずですよね。」

 公安の山崎氏は陸自の尻を叩いている。

 

 「わかりました、ただ、現在、選抜されている候補者は5名、ここには今は3名しかいません。」

 「それで結構です。」

 

 「わかりました、すぐに準備させます。」

 「工藤2尉、ルーカスさんを地下、特務訓練場の方へご案内しろ。」

 「はい」

 

 10分後、3名のそれらしき隊員を連れてやって来た。..


 「失礼します。」


 皆、均等な角度で頭を下げる辺りは軍人らしい。

 「橋本3佐、我々の相手はどちらに・・・まだ、来ておられないのですか?」

 

 「そこにいる方だ・・・」

 「ハッ、これは知らぬ事とは言え、大変失礼しました。今日は宜しくご指導下さい。」

 うーん、これが領地の冒険者だと、何だガキが舐めてんじゃねぇ、なんて言ってくるんだが、礼儀はしっかりしてるようだ・・・

 

 「では、始めようか、取り敢えずは素手で格闘戦を見てみたい。」

 「誰から行きますか?」

 

 「あっ、皆さんの格闘戦の力量を見たいだけなので皆まとめで構いませんよ」

 「なっ、そうですか、わかりました、ではそうさせて頂きますね。」

 全員同時にと言ったからか、一瞬の戸惑いはあったみたいだがすぐに受け入れて戦闘態勢に入る辺りはしっかりと軍人として割り切れているようだ・・・

 3人は俺を取り囲むように広がった。

 

 なかなか連携は出来てるようで同時に飛びかかるように見せてほんの僅かだけタイミングをずらしてくる。ん、なかなかいいんじゃない・・・

 

 正面から飛びかかってきた相手をずらして脇腹にエルボーを入れそのまま左から来るのを躱して右へ飛び背後から首をうつ、残った一人が殴りかかってくる拳を右手で受け止めひねりながら左手で肘を取り倒して腹部に軽く正拳を入れる。

 この間2秒と掛かっていない・・・

 

 「あっ、そんな・・・わが陸自の精鋭が・・・こんな簡単に手玉に取られるとは・・・」

 

 「いや、皆さん良かったですよ、なかなか良い動きでした。良く鍛えられてますね。うん、これなら相当、期待出来そうです。訓練期間はこのレベルであれば1ヶ月で良いでしょう」

 

 「いや、舐めていたとは言え、動きが全然見えませんでした、1ヶ月でどうにかなるとは思えませんが・・・」

  隊員の一人が相当ショックだったらしく、かなり落ち込みながらも言った。

  

 「大人と子供というか全く別の次元の差があるように感じましたが・・」

 公安の山崎氏は格闘は素人ながら率直な感想を言っていた。

 

 「山崎さん、ナイスです。流石、公安さんは目の付け所が違いますね、おっしゃるとおり次元が違うのです。私は魔法で身体を強化しています、これによって人間の筋力、瞬発力を越えています。取り敢えずは今の私レベルまでは1ヶ月で覚えて貰うつもりです。」

 

 「私にはまだまだ、上のランクがあります、参考程度にあとひとつギアを上げてみましょう、誰か出てきて下さい。」

 「では、私が・・」

 

 「一番最初に倒された隊員が出てきた・・・」

 「では、誰か開始の合図をおねがします。」

 「わかりまして、では私が・・」

 橋本3差が手をあげた・・・

 

 「下ろすと同時に”始め”と叫ぶ。」

 「ほぼ、言い終わると同時に後に周り、隊員は倒れていた。」

 

 「えっ、ワープしたんですか?」

 「いえ、普通に後ろに回っただけです。ちょっと高速にね・・」

 

 「はぁ、全く見えませんでした・・・」

 「まあ、ここまでは無理でもさっきのレベルぐらいにはなって貰う予定です。」

 

 「はい、宜しくお願いします。」

 3人は目を輝かせて、ハモって言った。見かけに捕らわれずに強者と判れば素直に受け入れる辺り、うーん、此奴らも脳筋なのかも知れない。


 あぁ~、そんなに強く成れるのなら私も自腹切ってでも参加したいんですけど・・・

 「私的には構いませんよ、ただ、彼らと同等以上の基礎は必要ですよ、そうで無いと1ヶ月では無理でしょう。」


 「そうですかぁ・・・」

 工藤2尉は残念そうにしている・・・

 

 「それでは陸自さんの方は陸自さんで上の方と話をしないと進まないでしょうから、その件は陸自さんにお任せしてこちらの件のご相談をしたいのですが、構いませんか?」

 

 「えぇ、構いませんよ」

 「では、さきほどの部屋へ戻りましょう、須藤君、何か飲み物でも買って来てくれ」

 そう言って小銭を茜に渡している。

 

 「では、行きましょうか?」

 訓練場を後に会談の部屋へと向かった。


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