日本支部始動
2018/08/30:誤字&脱字を修正しました。
【日本支部始動】
□■□ 翌朝 □■□
「奈津と愛彩はちょっと待ってくれるか?」
「ジェシカは恵さんと留美を買い出しのついでに街を案内してやってくれ・・」
恵さんと留美に金貨一枚、大銀貨、銀貨、数枚を渡した。
「これって幾ら位なんですか?、うーん、ざっと日本円で20万ぐらいだ。細かいところはジェシカにきいてくれ・・」
「ジェシカ、その辺も説明してやってくれ・・・」
「はい、では、行きましょうか?」
「はい、」
3人は、いや、二人は意気揚々と出かけていった。
「なに?、どうしたの?」
領地へ出かけようとする二人を引き留めたので何事かと聞いてくる。
「いや、アトリアの事なんだけど、リネーネの指導係に最初は留美を考えていたんだが、留美は土魔法の神級が使えるみたいだ、領内整備に是非とも必要なのでリネーネの指導係と言う訳にも行かなくなってきた。」
「へぇーっ、土魔法神級かぁ・凄いわね、街道整備にはぜひ、必要だわ私の方に任せてくれない。」
愛彩は留美を付ける事を望んできた。
もちろん、俺もそのつもりだが、問題はリネーネの方だった。
「で、リネーネの方だが考えたんだけど・・・眷属を使うのは勿体ない気がする。契約をしていないアトリアを置いておく訳にも行かないし、見た目、10歳のアトリアでは契約してもリネーネの指導には向かないだろう。」
「そうねぇ・・それは言えてるかも、ある意味リネーネさんは百戦錬磨だから・・」
奈津は笑いを殺した様な表情を浮かべている。
「じゃ、どうするつもり・・」
「いっそ、関係ない人間を傭うのはどうだろうか?、リネーネはどっかの小国の田舎育ちで分けあって日本にきてるって設定で・近代文明に触れてない自然育ちって事で・・・」
「そうねぇ、不安が残らない訳でもないけど、この際、仕方ないんじゃない?」
「そうすると人選なんだが誰かいないか?」
「うーん、私的には思い浮かばないわぁ・・・」
奈津には心当たりは無い様だ・・・
「愛彩はどうだ?」
「そうねぇ・・・ちょっとまってよ・・・いるかも・・」
「姉さん、花梨ちゃんはどうかな?」
「あぁ。。。良いかもね。」
「どんな子なんだ?」
「職業は漫画家、とは言っても連載はないし、安定した仕事もなくて持ち込みを頑張ってるところかな?、生活はかなり大変みたい。.同人誌活動で細々と食いつないでいるみたいだわ。」
「よし、会いに行こう、どっちか付いてきてくれ・・・」
「なら、私より愛彩の方がいいんじゃない・・・」
「ん、まあ、良いわ。じゃ、私って事で・・・」
「ちょっと待ってて・・・着替えてくるわ」
暫くすると愛彩は日本に行ってもおかしくない格好に着替えてきた。
紺のタイトスカートに薄いベージュのパンスト、白のブラウス、紺のジャケットを羽織っている。
おしゃれって言うか、ビジネス仕様って感じだが、これはこれなかなかそそる物がある、思わずつばをゴクリと飲み込んだのを愛彩と奈津にはしっかり見られた。
アメリアと奈津が領地へと行くのを見送った後、日本へと転移した。
転移先は愛彩の記憶から花梨のアパートの近くを千里眼で見て、人気のない場所へと転移した。
彼女のアパートを訪ねると彼女は幸いな事に在宅していた。
夜型の生活らしくしっかりと寝ていて起こすのにちょっとばかり苦労した。
彼女に事情とこちらの希望を話した。
「分かったわ、つまり、ど田舎から来た人の為に住み込みで日本での生活の仕方を教えてあげればいいわけね」
「そう言う事になるな、円からしてまだ、良く理解出来ていないのでまあ、全てが1からと思って貰えると助かる。もちろん住居、食費はこちら負担で・・・30万を考えているけど・・・」
「乗ったわ、期間は半年で良いのね・・」
「あぁ、十分だと思う、もしそれでも駄目なようならまた、相談させてくれ・・・」
「いいわぁ・・・決まりね。」
「取り敢えず、必須な荷物だけ持っていくわ、後はその時に応じて取りにくれようにするわ」
「あぁ、その辺はそっちの都合に任せるよ」
(何か面白そうだわ、今時、文明のないところの暮らしって一体何処よ、ジャングルにでも暮らしてたっていうのかしら・・・そんな訳はないわよね。何だか秘密もありそうで楽しそうだわ、次回の新作のネタにも使えるかも知れないから一席2丁だわ。..)
俺たちは荷造りしてから来るという花梨を残して先に自宅のマンションへと向かった。
無論、マンションの地図は渡しておいた・・・
一応設定は、ヨーロッパの小国の山間部の育ちで事故に遭って記憶も少し混濁していると話してある。まあ、多少は苦しい設定だがそこから異世界云々には結びつかないだろうと思っている。
時間短縮のため、途中の一目のないところから自宅マンションへと転移した。
部屋もしっかりと片付いている、アトリアは上手くやっている様だ・・・
「あれ、お母さんは?、もしかして治らなかったの?」
アトリアは急に不安そうな顔をして訪ねてきている。
「病気は大丈夫だ、完治した。ただ、こっちにはもう、二度と連れてこれないようになった。」
「どういう事!!」
「本来、アトリアのお母さんはこちらで死ぬ運命だったんだ・・それをおれが異世界に連れて行って治してしまったからこちらの世界の管理神が怒って日本に戻る事を認めないと言ってきた。
お母さんの周りの人達は既におかあさんは死亡して葬儀も終了したように記憶を改ざんされている、如何しても戻るなら死体でしか帰れないと言う事でアトリアのお母さんにはむこうに残って貰った。」
「一応、本人は全く気にしていないみたいだし、むしろ向こうの世界の方が良いそうだ・・・」
「そうなの?、お母さんには会える?」
「あぁ、向こうに行けば会えるよ、というか、お前は一旦向こうに帰らないと契約していない以上、長くはいられない。」
「はぁ、ちょっと心配したよ。」
(よかったぁ、お母さんがきてないときは一瞬、最悪の事を考えてしまったわ。治ったのならそれでいいけど・・向こうで暮らしたいって、本当にこっちには未練がないのかなぁ・・・)
「ところで母さんは向こうでどうやってくらすの?」
「あぁ、恵さんにはうちの食生活改善という重要任務を受けてもらった。当面はね。先になれば、やりたい事も出来て来るかも知れないし、その時はその時で考える事にしてるよ。」
「少し変わり者の母ですが、宜しくお願いします。」
「あぁ、大丈夫だよ。」
「じゃ、もうすぐアトリアの変わりをしてくれる人が来るから、その人をリネーネに紹介したら、向こうの世界に戻ろう。」
「はい。」
リネーネには一緒に住む人はこっちの人間で向こうの世界の話などは絶対に秘密だと・・・話す事があれば強制的に向こうの世界に戻されると、ただし、向こうの世界の何処に戻されるかは分からないと話してある。
眷属の誓いがあるので話そうと思っても話せないので心配はないのだが・・・
リネーネの場合は念には念を入れておいた方が良いので少し脅かしておいた。むろん、仮に話しても強制転移などは発生しないけど・・・
その後、暫くして花梨さんが来たので、軽く事情説明と当面は馴れるために連れ歩いてくれるように頼んでおいた。
彩花とアトリアを連れて俺たちは自宅の玄関から出て行った。
当然だが、花梨の前でその場から転移出来なくなったからだ・・・この辺が当面の間、面倒と言えばめんどうごとかもしれないなぁと思いつつ下の階へと向かう。
アトリアは何事もなく付いてくるが愛彩は不思議そうに久志さん、どうして下の階で下りるの・・・
「あぁ、ここのマンションは買い取りと賃貸が入ってるからね、うちは購入してるけど、下に丁度、空きがあったから借りたんだ・・・上は一応、名目上会社として登記してるからね。
個人用も有った方が良いと思ってさ・・」
「ふーん、結構、経費掛かるね。」
「その分、稼ぐしかないよ。」
「ねぇ、ついでに倉庫の荷物持って帰った方が良いんじゃないの?」
「あぁ、そうしたいけど、今日は管理人がいるからね。」
「えっ、管理人がいるの?」
「いるよ、だっていないと荷物が入荷しても受け取る人がいないと困るでしょ。だから月曜から金曜までは勤めてもらってる、休みの土日に持ち出した事にして置けば問題ないでしょ。まさか、目の前でアイテムバックに入れる訳行かないし、トラックが来てないのに荷物がなくなったら変じゃん。」
「成る程ね、丁度良い人材見付けたわね。」
「あぁ、今回と比べると、持てめる水準がちがうから、基本、普通の人なら誰でも良い訳だし、ただ、受け取りにサインして倉庫に入れて貰えればそれでいい訳だから・・・」
「さぁ、もどろうか。」
「久志様、少しお時間貰えないでしょうか?」
「いいけど、何するの?」
「母の荷物を取ってきたいと思うんです、鍵も貰ってますし、もう来れる機会はそうないと思うので・・・」
「あぁ、構わないよ。でも、アトリアは俺が今から先、何度でも連れてきてあげられるよ。お母さんは確かにもう二度と日本の土は踏めないけど・・・」
「はい、それは仕方ないので良いんです。」
「じゃ、送っていこうか?」
「あのう、出来れば一人で行ってきたいんです、久々なので電車に乗ってちょっと歩いてみたいと思って・・・駄目ですか?、駄目ですよね・・・」
「愛彩の方はどうだ?」
「んーーっ、絶対、今日中にって訳でもないし良いわよ。」
「じゃ、これを持って行くと良い」
俺はアイテムボックスからマジックバックを取り出した・・・
「これだと、恐らくお母さんの家にある荷物ぐらい全て入ると思うよ、入れたい物に手を当てて念じればはいるから・・・それとお金もいるね。一万円札三枚と5千円札、千円札数枚を渡した。」
「有り難う御座います、でもお金はこんなにいりませんよ。」
アトリアは千円札を数枚取って返そうとしてきた。
「持って行け、タクシーを使う方が良いだろうし、途中で喉が渇いたり、おなかがすいたら買って食べたらいい、こっちでの買い食いなんて戻ったらそうはできないから・・」
「はい、じゃ遠慮なく頂いていきます。」
「今からだと、お昼には帰ってこれると思います。」
「ん、じゃ、お昼は一緒に食べてから戻ろうか」
「はい、では行ってきまーす!」
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