奴隷の運命
2018/08/30:誤字&脱字を修正しました。
【奴隷の運命】
「あのう。。。」
ほんの今までラスカルと戯れていた恵さんが急に真剣な顔になった。
「どうしましたか?」
「私のお願いを聞いて頂きましたので娘の代わりに私が夜をお仕えしようと思っています。もちろん、こんなおばさん嫌だと言われれば仕方有りませんが、これでもまだ、女です、使えると思います。いえ、多分、・・・あの、娘を産んで以来使ってませんので自信はありませんが、多分使えると思いますので、良ければ使って下さい。」
はぁ、なんてこたえれば良いんだ・・・
正直、俺的には全然OKなんだが流石に不味いだろう。だからといって結構ですと言えばそれはそれで案にばばあは迷惑って取られるかも知れない・・これが若い子なら断りやすかったんだろうけど、流石にばっさりと切るのは憚れるな。
「何か弱みにつけ込むみたいで恐縮ですが、もし、嫌じゃなかったらお願い知るかも知れませんので宜しくお願いします。」
「はい、全然嫌ではありませんのでいつでもOKですよ。」
なんか、冷気が漂ってるような気がする・・・・
アメリア、ソフィー、留美・・・それに気のせいかジェシカまで睨んでる気がする。
えーーーん、俺にどうしろって言うんだ・・・
「あんたって本当に見境がないのね。フン!」
そう言ってアメリアはリビングをでていった。
おれは慌てて追いかけて行って、アメリアの肩を掴んだ。
リビングを出てアメリアの執務室の近くだった。
ごめん、ごめんよ、でもああ言われて、いえ結構ですなんて言えなかったんだよ、傷つけそうで・・・
「うん、あれでいいと思うわ、もし私があの立場で断られたらショックで立ちなおれないかも・・・」
「なら、どうして怒るの?」
「それとこれとは別なの、頭では分かっていても感情はまた、別物なの・・・大丈夫よ、暫くすれば落ち着くから」
「うん、ゴメンね。」
おれはアメリアにキスをした・・・
「もう、誤魔化すのが上手なんだからこの、ジゴロ・・」
アメリアはそう行って執務室へ消えていった。
(はぁ・・・ジゴロ、ジゴロって俺、ジゴロなのかぁ・・・・はぁ・・・)
アメリアにジゴロと言われて心がガリガリと削られて行くのを感じていた。
アメリアを見送り振り返るとソフィーがいた。..
「ルーカス様・・・」
ソフィーが口を尖らせてキスを要求してきている・・・
きっと見ていたんだろう、ここで躊躇うつもりは最もなかったのでそのままキスをした・・・
「えへっ、うふっ」
ソフィーは振り返るとそのままリビングへと戻っていった。
ソフィーに遅れてリビングへと戻ると何だか少し雰囲気が妙な気がするのは気のせいだろうか・・・
それに恵さんの姿が見えない・・・
「あれ、恵さんは・・・」
「ルーカス様、早速、恵様の所在が気になりますか?、いやはやトイレまで着いて来られるおつもりですか。。。」
「いや、そういう訳じゃないんだ・・・トイレなら別に良い・・・」
そういう訳ってどういうわけなんだ?、自分で言って自分に突っ込みを入れたくなってします。いやはや女が複数いると大変だ・・・これに奈津や愛彩もいるのに・・・一夫多妻の苦労のいっぺんを垣間見た気がした・・・
「恵さんはトイレではなくラスカルを遊ばせたいと裏庭に行かれました。何なら見に行かれますか?」
「いや、いい、ってジェシカなんか俺、・・・いや・・いい。。」
「では、下がらせて貰います。」
「先輩、私のラスカルちゃんは?」
「あぁ・・・お前はまだ、眷属の契約も従属の契約もしていないからいないぞ!」
「じゃ、早くしてよ。どうせするのなら早いほうが良いでしょ。」
「もしかして、眷属の契約ってベッドの中でとか?、キャーーッ、どうしよう・・・」
「バカ言ってるんじゃないよ。ベッドでするもんか、アホ!」
「えーーっ、行き成り野外プレイすっか?、まさか衆人環視のもとでなんて留美無理っぽいです。」
あれ、此奴こんなキャラだったっけ?、会社ではおしとやかで礼儀正しかったはず・・・こっちに来てどうか成ったのか・・・もしかしてこれが素キャラ・・・
「留美、冗談は抜きだ・・・」
「はい・・」
「眷属になるのに後悔はないのか?」
「ないわ・・・もう、心に決めてるから・・・」
「わかった。。。」
「『汝、世界神メトナスの名に置いて久瑠須川留美を眷属となる事を命じる』
「はい、承ります。」
留美の体が光に包まれていく・・・・
(あぁ・・・不思議・・・何この感覚・・・暖かいわ・・・とても気持ちが良い・・・あぁ・・・・)
頭の中に声が響いてきた。
土魔法神級を取得しました。水魔法中級を取得しました。火炎魔法中級を取得しました。
光魔法初級を取得しました。錬金術神級を取得しました。
暫くすると光は収まった。
「終わりだ、これで留美も眷属候補だ・・・」
「何か声が一杯、聞こえたけど・・何?」
「聞こえた魔法は使い方も直ぐに分かるはずだ・・・特に練習の必要もないはず、その他の魔法は練習すれば覚える事が出来る事もある、それは属性次第だ・・」
「まだ、分からない事ばかりだけど、まあ、徐々にで良いわ。」
「でお約束のボディーガードちゃんは?、影狼だけなの?、べつに影狼が嫌な訳ではなくて他に選択肢があるのかと思って・・・」
「目的がボディーガードなんでそう、一杯はないけど・・・うーん、シャドーロックスパイダーがいるな、そっちにするか?」
「それってもしかして蜘蛛?」
「そうだ、体長2mぐらいで、吐く糸は0.数ミリでも数トンの重さに耐えられる糸を数十本まとめて吐く事が出来る、相手が多人数だと影狼より強いぞ!!」
(2mの蜘蛛ってまんま化け物じゃん、そもそもあたし足が八本なんてたえられない、四本で十分だわ。.蜘蛛をボディーガードにしてるひとなんてここにいるのかしら・・・)
「影狼ちゃんでお願いします。」
留美は影狼を呼び出した後、名前を付けて裏庭に飛び出していった。
「ルーカス様、お疲れ様でした。今回は色々とあって大変でしたね。」
「ありがとうソフィー・・・」
お前だけだよ、嫌みも言わず慰めてくれるのは・・・ソフィーの頭を撫でながらほんとにこの子は可愛い・・
暫くすると奈津と愛彩が領地から帰ってきたので食事のまえに新メンバーを紹介した。
その後、皆そろって食事にした。
うちでは食事中でも楽しくがモットーなので皆がその日の事などを喋りながら食事を取る、この世界の貴族は食事中は一切喋らない、デザートになるまで静かに食べるのが普通だ・・・
だが、うちは騒がしい。..
仕方ない事だが、今日の話題に上がったのは恵さんで有り留美だった。..皆に色々と聞かれ食べる暇もなく・・・なかなか答えにくいようなプライベートな事までずけずけと奈津から突っ込まれて恵さんもたじたじとなっていた・・・
恵さんがあそこまで困り果てるのは初めて見たし、何となくそれはそれで心地よかった。
そんな中、ふと奈津が言い出した。
「ねぇ、ルーカス、アトリアは眷属にするんでしょう?」
「あぁ、そのつもりだ・・・なに?、反対なのか?」
「そんな訳ないわ・・ただ、彼女の姉や母親があれでは両方ともやりにくいだろうねって思っただけよ。」
「ん。。なんで?」
「彼女が眷属となれば陛下との取り決めで騎士職扱いになるのを忘れたの?」
「あっ。。」
「やっぱり・・・そうなればプライベートは別として公式の場では妹や娘に対してアトリア様と呼ばないと行けなくなるわ・・・果たして出来るかしら?、私達に対してもまだ、その辺がしっかりと出来てないからここにいないんでしょ。」
「まだ、貴族根性が抜けれずに奴隷って事が体で理解出来てないわ、私達に出来ないのが妹や娘に対して出来るとおもうの?」
あぁーーぅ、そうだった。彼女らは取り敢えずメイドとしたが、奴隷として礼節が出来てないのでジェシカと執事のロズウェルの指導を受けている最中だった。
「私はアトリア様って呼ぶ事に抵抗はないので大丈夫ですよ。むしろ嬉しいぐらいですから・・・」
「そうねぇ、恵さんは日本人だし、貴族でもないのでそう抵抗はないでしょうけど・・・元貴族となるとなかなかね、切り替えがむずかしいのよ。これが他家だったら、今頃、鞭打れて躾けられるか、いたぶり物として扱われているところよ」
「わたしはふたりをこの屋敷においておくのは感心しないわ。」
「あのう・・・」
恵さんが何か聞きたい事があるようだ・・・
「なにかしら?」
「娘、いえ、アトリア様も現在奴隷だとおもうんですが・・・」
「あぁ、それね、眷属の契約をした時点で奴隷は上書きされて消えるわ、奴隷の騎士なんてあり得ないの。契約した時点で私達と対等よ。」
「あっ、そうなんですか・・・すいません。」
(あれ、なんで私は娘の奴隷を解放してと頼んでいたんだろう、眷属になる時、上書きされるなら別に頼まなくても良かったんでは・・・あれ・・・ま、いいわ、奴隷でなくなるならそれにこした事はないし・・・結花が騎士職かぁ・・うふっ、凄いわ)
「いえ、別に恵さんが謝る必要はないわ。」
「それより、ルーカス、どうするつもり・・・」
「うーーーん、じゃ、領地の方でメイドとして使うか?」
「それも賛成出来ないわ・・・向こうでトラブルを起こすぐらいなら良いけど・・・今はまだ良いわよ、奴隷おちして気落ちしてるから・・・でも領地へ行って私達の目が届かないところで落ち着いてしまうと、変な考えを吹き込む輩が出て来ないと限らないわ・・・余所から見たらうちは金のなる木よ、放って置くはずはないわ、必ず彼女らの心の隙をついて利用しようとする輩が出てくるわ・・・」
「じゃ、奈津はどうすれば良いと思う。」
「決まってるわ、奴隷商に売る事ね。」
「おい、彼女らは犯罪奴隷だぞ!!」
女の犯罪奴隷の行く末はもう、決まっている、ましてやもと公爵家の妻と娘となれば、好事家の格好の餌食だ、死ぬまで嬲り者にされるだろう。
「だからなに?、私はアトリアが眷属となるのならアトリアを全力で守るわ、同じ仲間ですもの、彼女を害しうる存在は唯の敵でしかないわよ。」
「・・・・・」
「アトリアと彼女たちとどっちを取るの?」
「アトリアに決まってるだろう・・・」
「じゃ、答えは出たわね・・・」
「・・・・・」
「二日ほど考えさせてくれ・・・・」
「ルーカスがそう言うのならそれでいいわよ、決定権はあなたにあるんだから・・・」
奈津は静かにそう言うと、俺に決定権を渡した・・・
奈津は敵と見なした物に対しては一切の容赦がない・・・初めて盗賊に対した時も一切の容赦なく首を切り落としていた・・・俺ですら最初は忌避感が有り躊躇いがあった。今でも最初に殺した盗賊の目は忘れる事が出来ない。
「うっ、うぐっ。。。うぅ・・・」
恵さんが泣いている・・・
「恵さん?如何したの?」
奈津が恵さんが泣いているのをみて驚いて話しかけていた。
「わ、わたし、奈津様に全てを捧げても良いです。」
お、おい、恵さん何ぶっ飛んでる事を言ってるんですか?
この人のキャラも分からなくなってきた・・・
「い、いらないわ、私はルーカスだけで十分満足してるわ、それにそっちの趣味はないの・・・」
「だって、アトリア様の事をそんなに思って頂けるなんて幸せです。アトリア様は幸せ者です。」
「何言ってるの?、仲間を守るのは当たり前じゃない・・・それは眷属でも奴隷でも仲間は絶対に守るわ」
やっぱり奈津は俺よりも漢なのかも知れない・・・そう思った。
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