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私の愛した召喚獣  作者: 樹兎
第三章 領地改革
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アトリアの母2

【アトリアの母2】

 

 母親の病室に戻ってきた。

 流石に落ち着いたのか、二人とも笑顔で話しているが、やはり母親の方は辛そうだ・・・

 「あら、ルーカスじゃなかった『お・と・う・さ・ん』、15分という割にはおそかったじゃない。」

 アトリアはジュースを受け取りながら文句を言っている。

 

 「もっと早いほうが良かったのか?」

 「ううん、それはいいの、それよりルーカス、お母さん重い病気なの、どうにかならない?」

 俺はアトリアを見てから母親の恵さんに目をやった。

 

 「病気の事は話されたんですか?」

 「えぇ、ここのも見た目はこうですが、心はもう大人ですから、でも、と、言う事は病気の事はご存じなんですね。」

 

 「えぇ、まあ、感ですけどね。取り敢えずこれを飲んで下さい。」

 俺はポケットからウィスキーのミニボトルサイズに葵液体の瓶を取り出して恵さんに手渡した。

 初めて会った男が得体の知れない瓶を取り出して飲めと言われて送還単に飲める物でも無い色々と説明が必要だろうと覆ってどう話すかだな・・・

 

 母親の恵みはぐっと一気に飲み干した。

 「甘いけど、ちょっと変わった味ですね。・・・・」

 

 「ちょ、ちょっと、お母さん、何躊躇いも無く飲んでるのよ?」

 「ねぇ、これ大丈夫なの?」

 

 「あぁ・・・体がなんか変だわ・・あ、熱い・・・」

 「・・・・・」

 「あれ、随分と体が楽になったわ、痛みも消えたし治ったみたい。」

 先程と比べると頬に赤みが射し随分と楽そうだ・・・

 

 「えっ、治ったの?、ねえ、久志様」

 「まだ、ここではお父さんだろ・・・」

 「うん、」

 

 「残念ながらある程度、状態を回復させただけで完治はしていない。」

 「そんなぁ、何とかならないの?」

 アトリアは残念そうにしてる。

 

 「こら、結花ちゃん、無理言うもんではありません、さっきまでと比べると嘘みたいに楽になったし痛みもないわ、だから心配しないで・・・」

 「そんな事いても、治ってないならまた酷くなるんでしょう。」

 

 「結花ちゃんと一目会えるだけで良かったわ、それにこの様子だともう少しお話しする時間も出来そう、結花ちゃん人には運命があるの私の寿命はここまでだっただけ、多少早いか遅いかの違いでしかないわよ。最後に結花ちゃんと話せる時間が出来て幸せだわ、母さんは十分満足よ、これで安心して逝けるわ。」

 

 「いや、そんなの嫌だ・・・ねぇ、おとうさん何とかしてよ。、代わりに私の全てをあげるわ」

 「あれ、ここに連れてくる時にそんな事言ってなかったか?」

 

 「じゃ、もう一回分の私の全てをあげるからおねがい・・・」

 「向こうでは何とでもなるが、残念だけどこっちでは無理だ・・・」

 

 「じゃ、向こうに連れて行って・・・駄目?」

 「知ってるだろう眷属しか連れて行けないし、こっちの人間を眷属にするには色々と条件があるんだ、向こうの人間を眷属にするようには行かない・・・」

 「そんなぁ・・・う、うぇっ、」

 アトリアは泣き出しそうにしているのを見て母親が声を掛ける。

 

 「結花ちゃん、なんでも自分の思い道理になんてならないのよ、いえ、むしろなる事の方が少ないわ、だからそれに対して真剣に向き合っていかないと行けないのよ。結花もこれからいろんな困難にぶつかって行くと思うの、だからそうしたら真剣に立ち向かってくれるのが母さんの最後の願いよ。」

 

 「い、嫌だ、か、お母さんそんな事言わないで、お母さんも諦めずに頑張ってよ。」

 その時だった・・・

 頭の中にサインがきた・・・

 「直ぐ戻る。」

 そう言って部屋をだた・・・感の示すまま、廊下を出て階段に向かい上っていくと踊り場に看護婦がいた・・・

 駄女神だった。。。

 「なんだ・・・おまえか・・・女神様かと思ったじゃないか・・・」

 「あら、『おまえか』はあんまりじゃない・・・私だって女神様だよ。」

 「自分で女神様って言ってれば世話ないよな、で、何の様だ、忙しいんだ・・・」

 (上位回復薬を使った事への苦情か?、確か禁止はされてたのはエリクサーだったはず・・)

 

 「そんな事言うと、このまま帰ろうかなぁ・・・・」

 「あぁ・・・そうしてくれ、じゃな!」

 

 「あぁーーん、待って、待ってよーー、聞いてくれないと困るじゃない」

 「だからなんだと言ってるだろ、」

 

 「今回は特例として恵さんを向こうに連れて行って言いそうよ。、わかった、伝えたわよ。」

 「あっ、忘れてたもう一つ、恵さんと一緒に最後の3人目の眷属も連れて行くようにって事だったわよろしくね!」

 言うだけ言うと駄女神は消えようとしている・・

 

 「お、おぃ、まて、まて、最後の眷属って・・・だれだ・・・」

 (リネーネは既に向こうでの眷属だからちがうし、眷属を見付けてから連れて行けって事か?、しかしそんなに簡単に見つかる宛てもないぞ)

 

 「おおーーぃ、女神様~、どういう事でしょうか?、3番目の眷属って誰・・・?」

 「こんな時だけ、女神様って呼ぶのね・・ええ、あなたはそう言う人だったのを忘れたわ」

 「残念だけど、私は知らないし、聞いてないの、ごめんあそばせ!!」

 駄女神は皮肉っぽく言いながら消えていった。

 (困ったな、そう時間はない、見付けるまで取り敢えず、回復薬を飲ませて持たせるしかないな・・)

 そんな事を考えながら病室へと戻った。

 

 「アトリア、許可が下りた。お母さんを連れて行けるぞ、完治させてあげられる。」

 「本当、良かったわ、でも、許可って・・・ううん、聞かない、お母さんが治るなら何でも良いの。」

 うん、アトリアはものわかりの良い子になったな、ここで問い詰められても説明が厄介だ・・・」

 

 「恵さん、向こうの世界に行って病気を治しませんか?」

 「えっ、良いんですか?、ご迷惑じゃ・・・」

 

 「はっきり言います、面倒なので無駄な遠慮は止めて下さい、直したいなら連れて行きます、ここで静かに死にたいなら無理にとは言いません。決めるのは恵さんです。」

 

 「お、お母さん、直すよね。」

 「こればっかりはアトリアおまえが口を出す事ではない。」

 

 「直したい、本心です、そしてそれよりもアトリアの生まれた世界を見てみたいです。」

 「決まりですね。」

 

 「点滴などを外して貰わないと行けませんね、これにサインして下さい、看護師を呼びます。」

 

 「これって・・・」

 「退院願いです、先程手続きしてきました。多分こうなると思っていましたので・・・ここに署名して目貰えれば私が出してきますよ。」

 

 「さすがぁ・・手回しがいいのね!」

 アトリアが嬉しそうにいうが、褒められた気が全くもってしない。

 

 そうこうしているうちに看護師がやって来て点滴などを外していく・・・

 「木梨さん随分お加減が良さそうですねぇ、、良かったですねぇ・・・急な退院ですがおめでとう御座います。」

 「えぇ、お友達に来て頂いてすっかり良くなりました。」

 「本当に良かったですねぇ・・・」

 看護師たちは何も不審には思っていないようだった。死期が近い患者が一時的に寛解するのは良くある事なので、実際に良くなっているとは思ってもいなかったがこちらとしてはそう思って貰っている方が都合が良かった。

 末期の患者が奇跡の回復なんて話になると検査だ何だと厄介な事に巻き込まれかねない。

 

 身の回りの整理も終わったようなのでさっさと退院する事にする。

 

 病院からタクシーで俺の自宅へと向かった。

 自宅へ帰るとリネーネが出迎えてくれた。

 

 「久志様、お客様がお待ちですよ。」

 「客?」

 「篠崎せんぱーーい!」

 「留美ちゃん、なんでここに留美ちゃんが?」

 あれ、なんでここに留美ちゃんがいるんだ?、家に来た事は無かったはず・・・それに今日は仕事だろうに・・・

 

 「それより、うしろ方、お客様ですか?」

 「あっ、忘れてた。取り敢えず構わないから入ってくれ・・・恵さんは横になった方が良いかな?、へやにあんないしますね、こちらです。」

 「あぃ、いえ、いぇ、お気遣いなく、今はとっても気分が良いので寝るなんて勿体なくて・・・」

 「そうですか、無理しないで下さいね、きつい時は言って下さい。」

 

 「リネーネ、向こうの寝室を案内してやってくれ・・・」

 取り敢えず、横にならないにしてもいつでも休めるように部屋を知っておいた方が良いだろう。

 「はい、こちらへどうぞ!!」

 恵さんはリネーネが案内していった。

 

 「さて、留美ちゃん、平日のこんな時間になんでここにいるの?」

 「私、会社止めちゃったんです。」

 

 「はぁ?、なんでまた・・・・」

 

 「だってぇ、先輩もいないし、仕事と言えばお茶くみとコピー取りばっかりだし、そろそろ寿退社の勧告はされるしで・・・嫌になって止めちゃいました。」

 「先輩、聞けば会社起こして頑張ってるって聞きましたし、じゃ、いっそそっちで傭って貰おうかななんて思って押しかけちゃいました。」

 (先輩って一緒に努めていた頃と比べると別人みたい・・・精悍だし、凄く生き生きしてて格好いい・・・惚れ直してしまうじゃない。..)

 

 「はぁ・・・」

 成る程、こう言う事か・・・女神の言ってた事って・・・と、言う事は彼女が3人目の眷属化・・・

 

 「うちは超ブラックだぞ!!それでも良いのか?」

 「はい、頑張ります。」

 

 「うちは中途退職は出来ないぞ!!、それでもいいのか?」

 「はい、頑張ります。えっ、中途退職出来ないって?」

 

 「あぁ、結婚出来ないぞ・・・定年まで永遠だ・・・結婚は認められない」

 「はい、頑張ります、ってそれって永久就職って事ですか?」

 顔を真っ赤にして答えている留美はきっと勘違いして居る、一応、誤解は解いておこう。

 

 「うちは特殊なんだ・・・と言っても、別に留美と結婚しようってプロポーズしてる訳じゃないんだ・・・まあ、何だ・・・詳しい事はリネーネに聞いてくれその上で判断してくれて構わない。」

 

 

 リネーネと恵さんが戻ってきた。

 「リネーネ、眷属の件、留美に話してやってくれないか?、それとアトリアの事があるから恵さんも聞いておいた方が良いだろう。お前の予想してる通り、彼女はアトリアの母親だ・・・」

  「はい・私の知る事は全部話して宜しいのですか?」

  「あぁ、構わないよ。宜しく頼む」

   リネーネは留美とアトリアの母を連れて客間の方へ移動していった。


 

 


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