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二章 間違い電話…?



特に何事もなく、というより

相談センターとやらの連絡は昨日の一件以来来なかった


相談も昨日の一件だけ


今日も9時からスタンバイしてしばらく経つが一向に電話が来ない


まさかとは思うが、ノルマみたいなものがあって達成してないから給料は払えませんとか言われたりするのだろうか


とはいえ、相談なんて俺から呼び込めるものでもないし


と、悩んでると、ようやく電話が来た


「はい、なんでしょうか」


「あー、あーー!!あー!!」


………やけにうるさい、あーあー言う電話が来てしまった


一応非通知だから仕事の電話だろうと思ったけど、いたずら電話だろうか?


「あーー、あー?あー!」


甲高い声が頭に響いて若干頭痛気味になりつつも、もしかしたらこの電話、赤ん坊じゃね?と俺なりに考えてみた、もしくはあーあーしか喋れないようにする呪いをかけられた誰かだろう


「なにか、お困りでしょうか?」


「あー!ぎゃあああ」


泣かれてしまった…いったいどうしろっていうんだ!?


「あの…なにか泣くようなことがあったんでしょうか?お聞きしますよ」


これも仕事、これも仕事、と自分に言い聞かせてはいるけど、自分のことが馬鹿なのか、と思いたくなる一場面だ


きっと周りに誰かいたら、なにいたずら電話に対応してるの?と言われそう


「あー…あ!あ!あ?あーーー!」


「そうなんですか!それは苦労しましたね」


「あ?あー?あーー!」


「わかりますよ、俺も昔そうだったんですよ」


「あー!!」


一見あーあー言ってるように聞こえるが、実はイントネーションや言葉を理解してるとか、そんなことはなく、俺が勝手に言ってるだけだったりする…


「あーーーー……」プッ…ツーツー


最後に何かを言い残して赤ん坊(仮)は消え去っていった


まともな相談はこないのか!?まともって言っても本人達は死活問題だったりするのかもしれないけども!


はぁ…とため息をついた後、給料でないかもなぁと思いつつ求人をあさりつつ電話を待つことにした



そして今日は珍しく(とは言っても今日で2日目である)電話二件目の非通知だ


いや、非通知といっても仕事とは限らないけど…


「はい、なんでしょうか?」


「エリー!エリー君なのかい!?」


間違い電話ですよ…と言いたいが、我慢…

てか色々とおかしいだろう!?俺は絶賛性別男なのにもかかわらずエリーなんてきゅーとな名前してねえよ!!


しかし、成りすますことも必要っぽい職場、ここは心を女にしてやりきらねば…


「エリーですが、あなたは?」


「ぼくだよ!エレクニス・シェインだよ!覚えているかい!?」


「え!あのエレクニス・シェイン!?私もあなたと話したかったのよー」


誰だよ!!しかも違和感覚えろよ!どう聴いてもミッ◯ー声の俺がどうしてエリーに聞こえるんだよ!


しかも俺に突っ込みてえよ!話したいなんて思ってねえよ!


「あはは、君と話せるなんて僕は幸せだなぁ」


「私も話せるだなんて思ってなかったわ」


「色々話したいことも山々だけど、どうしても聞きたいことがあるんだ!」


「ん?なにかしら?」


「あの男は君のところに行ってるかい?」


ん?誰のことだ、とか思ってもまぁ、知るわけないんだが


しかしさっきから無難なことしか言ってないからな


今回声色も、変わって真面目に聞いてるっぽいし、いると答えて代わってくれとか言われても困る、いないと答えるべきか…


「もし、あの男がそこにいるなら僕はもう一度殺さなければいけない…いるかい?いないのかい?」


ん!!んんん!?なんだこいつ、何言ってんだ?


「い、いないわ!」


「そっか!よかった!あの男はちゃんと地獄に行ったんだね!」


やべー殺人鬼さんからのお電話でしたか…


「それじゃあ、僕も今から死んで君のところに行くから待っていてくれよ!」プッ…ツーツー


…………


…………


どう反応していいかわからねえよ!!


止める暇もなく切られたのだが…というか話的にエリーは死んだ?殺された?らしく、彼氏?愛人?てきな奴も殺して


エレクニなんとかは殺人鬼、もしくは殺人を企てたなにか…あー!頭がこんがらがる


ま、もう関係ないか


しかし昨日も含め、仕事というか間違い電話とかいたずら電話を対応してるだけの気がする


仮にエリーさんが本当に殺されて死者と話せる電話!みたいな扱いで俺のところに電話がくるより、本人にそのままつなげればいいんじゃないのか?


いや、けど、殺人鬼とは話したくないか、自分を殺した相手かもしれないし


まぁ、エレなんとか君はきっと会えると思って笑顔で死んだだろうから放っておこう…次だ!次!


〜数時間後〜


着信が来た!ようやくきた!


「はい、なんでしょうか?」


「あ、すんません間違えました」プッ…ツーツー


……泣けるぜ…

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