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1章 初仕事の相談?



朝8時55分


あと5分経てば俺の仕事が始まる

というか、電話対応なんだから、いつ電話がくるかわからないんだよな


まさか9時になった瞬間電話がくるなんてことあるわけないか…


まさか…まさかな…


俺の愛用しているデジタル時計は秒数は表示してくれないが59分の時点で俺は勝手に数えている


あと3.2.1…


9時になった…がかかってこない…


どっとため息がでる…



そしてしばらくというか、12時になっても電話がこず、昨日の話しは嘘だったんじゃないかという疑い始めた時にきた


俺の携帯が非通知を表示しながらシンプルな着信音を鳴らしてる


うわー…本来なら非通知なんて無視するのに、でないとだよなぁ…


勇気をもってコールボタンをタッチし耳に当てて、あらかじめ言おうと思ってメモしてたことを言うだけ!


「お、お、おでんや!ありがとうございまう!こ、こちら!お悩みサポートセンターのクロウともうします!」


最初はつまづいたが、重要な部分は言えたしいいんじゃないだろうかと納得せねば恥ずかしくて死ぬ!?


「あははは!その調子なら大丈夫そうですね」


笑い声を高らかにあげつつ話しかけてくる人は、多分声から察して昨日の面接?電設?した人だと思う


まぁ、NOと言えない男になってたからほとんど覚えてないけど


「クロウさん?で大丈夫ですかね」


「あ、はい」


「一応うちでの仕事は名乗らなくてもいいんだけど、どうする?」


それは昨日言っておけよ!いや、説明とか求人内容に書いてたかもだけど俺の不注意で見てないかもしれないけどさ


「あぁ、聞かれたら偽名でもいいんですかね?」


「ん?んー、別にいいけど…」


さすがに偽名はだめだったか…?


「たまに神様とかと間違えられるからなりきらないと偽物扱いされちゃうよ?」


まさかの成りすまし電話!?


「言いたいことはなんとなくわかるけどね、一応そうやってかないといけない時もあるんだよ、君が知らない世界でのルールなんて君は聞かれたら答えられるかい?」


笑い混じりに聞いてくるってことは、俺以外の会社?のやつも容認してるってことだよな


てか知らない世界のルール以前に知らない世界をしらないんすけど…


「まぁ、無理だよね?そんなとき向こうがこちらを神と呼んできたらこっちからこれはこうだ!なんて言ったら納得してくれるってこと」


たしかに知らない名前のやつが電話に出てきて、いきなりこれはこうなんじゃね?みたいなこと言ったらダメだけど


そもそもいきなり神様扱いされる電話ってどうよ、しかも声だけだし


「俺の言いたいことは、相手を騙してでも相談にのってあげてってことだから深く考えないでね」


あぁ、なるほど、目的のためなら過程がどうあれどうでもよくなっちゃうもんな

努力とか云々以前にこんな怪しいところに電話しなくちゃいけないほど切羽詰まってるなら神様だろうが偽物だろうが頼りたいんだろうし


それなら神様に悩み相談してたって思う方が相手もいいのか…


「そう…なんですね、じゃああまり名乗らないようにします、けど案外電話こないんですね」


「あーそれは俺がまだクロウ君の番号登録してないからだよ」


ん?どういうことだ?


「俺が最初に色々教えようと思ったけどね、忙しくて遅くなっちゃったんだよね、ごめんね」


もっと早く連絡して欲しかったけど、初日緊張して困るより、先にこの人でよかったかもしれない


きっと悩まれても、俺が相談されてることに悩みそうだし


「というわけでまぁ、今の通話切れたら登録するから、これからが本番だよ頑張ろうねお互い」


「はい!頑張ります!」


わならないところがあったら会社に電話してフヌラに繋げてと言えばこの人が出てくれるらしいことを言ってあっさり切られてしまつまった


フヌラさんていうのかな?

フヌラさんもきっと忙しいんだろう、俺もさっきまで油断してたけど、気を引き締めないといけないかもしれないな



そして電話がきた、また非通知だけど、さすがにもうフヌラさんではないだろう、通話切ったら登録すると言ってたし


「はい、なんでしょうか」


フヌラさんに色々言われたし色々省略してみたけど、なんか違和感感じる

もしもしとか、言いたい気持ちになるけどぐっと抑える


「あ、あの…」


これは…男?かな


「なんでしょう?」


「ぼく今好きな人がいて…けどその人好きな人がいるって前から言ってて…ぼく…その…」


やばいわからん


好きな人がどうしたって?爆発しろ


「えーっと…君…の好きな人?に告白はしたのですか?」


口調は若干フヌラさんに似せるよう心がけてるけど、きっと相手からしたら困惑してるのバレバレなんだろうな


「いえ…まだです、ただ前からその話しをよく聞いてて…」



「そら、お前のことが好きなんだよ、安心して告白してこい」


「え…!?」


「お前の事が前から好きで、けど正面から言えないからアピールしてんだよ、男だろ?がんばって告れ」


もちろん推測にすぎない、というかそもそも何も聞いてないからただの予想にすぎない


けど、こうやって悩む奴は告白しなかったらうじうじ悩むし、それに本当に向こうがこいつを好きなら早めに告白した方がいい


結論告白しかないってなるわけだ


「あの…けどぼく…」


まぁ、告白する勇気がないから悩むんだろうけど…俺も仕事のこと忘れて本気になってるのもあるだろうけど…


「告白して、ダメってなってもよ、告白しなくてダメってなってもよ、どっちだっていいんだよ、告白しようとしてダメになる方が俺は大切だと思う」


「……」


あ、やべ


今更だけど相談とかってのは解決するための電話でなく意見とか話しを聞いたりの場なのに言い過ぎた…


は、初めてだから!?言い訳させて!!


「わかりました…」

「無理ならしかた…え?」


「ぼく!勇気だしてみます!ありがとうございます!」


「お、おー!俺も応援してるから頑張ってな!!」


「はい!」


こうして


俺の初仕事は失敗したのかどうかすらわからないまま終わった


てかこれ相談だったのか!?俺怒られるかな!?


やっちゃったよー!!

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