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無関心な私と奇人な奴ら  作者: 亜沙
私と奇人たち
6/7

私と金髪と意味不明

初めての2000字オーバー!!

今回はかなり頑張った気がします。

読んで頂ければ幸いです。

どうしてこうなった。


「君はいつもこうなのか?」


どうしてこうなった。


「君はいつも一人で行動しているのか?」


どうしてこうなった。


「君はもっと人と関わった方がいい」


ど う し て こ う な っ た っ⁉


何で私の後ろに生徒会長の三島雄大みしま ゆうだいがいるのよっ‼

しかも、何でついて来るの?授業はどうした。会長としての仕事はどうした。てか、何で私の後をついてくるの?ここ三階のB棟の端っこ何ですけど?

とか、色々考えている私をよそに金髪(もとい生徒会長・三島雄大)は私の横に並ぶか並ばないかのギリギリの距離を保ちながら私の後をついてくる。

結構速く歩いているバズなのに、一行に距離が縮まらない。やはり手足か、手足の長さの差なのか…物凄く解せぬ。


「おい、聞いているのか?桐ヶ谷夜空きりがや よぞら


そう言いながら、金髪は私の肩を掴む。しかも結構思いっきり掴まれたから凄く痛いのですが…。

金髪の手を思いっきり払いのけ、振り向く。心なしかいつもより目がしんでいる気がする。


「何なんですか、きんぱ…生徒会長。私に何か御用ですか?て言うか、会長としての仕事はどうしたんですか」


さっさと私の前から消えてくれと切に願いながら金髪に冷たく言い放つ。途中『金髪』って言いそうになったけど、多分この人は気付かない。…と思う。


「ああ、生徒会の仕事はあらかた片付いているから心配しなくても大丈夫だ。それと君に用と言うのはだな…」


そう言った金髪は一呼吸吐いてから再び私に向き直った。金髪の瞳は何かを決意したような色を帯びていた。


「昨日の、ある大学に属している女生徒二人を助けた少女は君なのだろう?桐ヶ谷夜空」


金髪のその言葉に絶句した。

あの時は確かに夕方でまだ明かり無しでも相手の姿を確認する事ができる。

でも、あの時の私は前髪で顔を分からなくしていた。例え制服やリボンの色でこの学校の二年生だと分かったとしても、顔が分からなかったら突き止める事なんて出来ないはず…って何で私が悪役みたいな事を考えているんだ?

とにかく、これ以上この人と関わったらろくな事が無い。確信はないけど私の本能がそう言っている気がする。なら、やる事は一つだ。


「……何の事かは存じ上げませんが、私ではありませんよ」


他人のふりをする。

それ以外に道は無い。

それに、例え嘘だと見破られても自分は知らないと言い続ければそのうち呆れて去って行くだろう。そして二度と私の前に姿を表さないでくれ。頼むから。


「嘘だな。君はあの少女本人なのだろう?」

「だから違いますって言っているじゃないですか」

「いいや、その言葉こそが嘘だ」


…この金髪ウザい。

基本的に人に興味とか持ってないから誰がどうしようが何とも思わなかったのに、こいつはウザい。

てか、このまま押し問答を続けてても意味が無い。仕方ない…


「てか、その女性二人を助けた少女が私だと思った理由を聞かせて下さい」


私がその言葉を口にした瞬間、金髪はまるで私のその言葉を待っていたかのように口元に笑みを浮かべた。はたから見ればイケメンスマイルとか言って黄色い悲鳴を挙がるのだろうけど、私にはただのドヤ顔にか見えなくて物凄くイラっとする。


「理由か、そうかそうか。君はどうして俺が昨日の少女が君だと判断した理由が知りたいのか。そうかそうか」


いや、ささっと理由を話せよ。

自慢げな顔してないでささっと理由を話せよ。これ以上私をイライラさせんなやその顔に一発入れるぞこの金髪野郎。てか、何であんたは日本人のくせして金髪なんだ?本当に日本人か?ここはアニメや漫画、ましてや小説の世界じゃないんだぞ?

自分でもよく分からない事を考え始めているのをよそに金髪はまだドヤ顔をしている。…本当に顔に一発グー入れるぞ。


「昨日の少女が君だと判断した理由はずばり、この俺の勘だ!!」


そう言った金髪はこれでもかというくらい目を輝かせていた。


………よし、一発入れよう。


物理的証拠も確かな理由も無いのに、こんなに付きまとうとかどうなんだよ。

そう思いながら、密かに殴る体勢に入る。


「どうだ?俺の勘はよく当たるのだが、当たっていたか?」


金髪は嬉々とした表情のまま私を見つめる。

その金髪の顎あたりを狙って思いっきり一発お見舞いする。


「ガッ…!!」


小説とかの表現でよくありそうな呻き声を挙げながら、金髪はバランスを崩して転んだ。下を向いているせいで表情は見えないけど、きっとこれで私の前から姿を消してくれるはず。誰も暴力を振るう人の近くになんか居たく無いはずたし。

まだ俯いている金髪を無視して歩き出そうとした時。


「……みだ」


金髪が何か呟いた気がして振り返る。


「君だったのだな…」


そう呟いた金髪はゆっくりと立ち上がった。

…何が私だったんだ?


「君だ。君だったんだ」


金髪はブツブツと呟きながら、私に近づいてきた。しかも結構な速さで。


…あ、これはヤバいやつだ。


そう思って逃げる態勢に入るも、先に動いていた金髪に両肩を掴まれてしまう。心なしかさっきより痛い気がする。


「やはり君だったんだなっ‼昨日の少女は」


やっと顔をあげた金髪の目はさっきよりも輝いていた。正直気持ち悪い。


「い、いや、だから私じゃ」

「頼むっ‼」


いや、頼むじゃなくて人の話を聞けよ。

人の話を全く聞く気がない金髪の姿に呆れつつ、痛いからそろそろ両肩を掴んでいる手をどけて欲しいと考え始める。我ながら随分落ち着いていると思う。


「俺の師匠になってくれっ‼」


金髪の言葉に我に帰った私はその言葉を理解するのに戸惑った。


「………は?」


金髪が発した言葉に対して、私が思った事はただ一つ。


何言っているんだこいつは。


この一言に尽きる。

読んで下さり有り難うございました。

金髪よ、お前は何が言いたいんだ?

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