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無関心な私と奇人な奴ら  作者: 亜沙
私と奇人たち
2/7

少女と金髪とモブなチンピラ

次の話です。

今回は主人公つえーーっ‼な話になっています。

読んで頂ければ幸いです。

私行きつけの本屋は駅前の通りを真っ直ぐ5分くらい行ったところにある。

本の品揃えは良いし、店主のおじさんはとても優しくてたまに煎餅をくれたりする。

いつもお世話になってるから、たまにお茶をしに行ったりもする。簡単に言えば、祖父の家に遊びに来ている孫の図である。


まぁ、それは置いといて…今は新刊であるっ‼今日という日をどれほど待ちわびたことか!新刊の予約が始まったとネットで知った瞬間、本屋に駆け込んで店主のおじさんに予約を頼んでしまったほどだった。おじさんは穏やかに笑って引き受けてくれたけど、きっと他の人たちだったら私の興奮しきった顔を見たら、絶対顔を引きつさせていたと思う。それぐらいひどい顔をしていたと思う。だってお母さんがニヤニヤ顔で「我が娘の滅多にない顔面崩壊(笑)」とか言って何枚も写真を撮っていたほどだったのだから相当だったのだろう。


しかしながら私の選択は間違っていない。

私の好きな作家さんの小説は店頭に並ぶ部数が少なく、またかなりの人気作家のためすぐに本が買われて無くなってしまう。だからこそなのかは分からないけど、取られた処置が予約制である。

予約すれば店頭に並ぶ発行部数とは個別に発行されるため、絶対に手元に本がやって来るのである。それに乗っからない私ではないっ‼今日一日、どんなに放課後が待ち遠しかったことか。本山君には悪いが何でこんな時に話し掛けてくるの?って思ってしまった程だ。…もしかして、彼が固まったのは私のその感情が顔に出ていたせいなのでは?もしそうなら本山君には悪い事をしてしまった。人相の悪さは今更直せないけど、後日ちゃんと謝っておこう。


いろいろ考えながら歩いていれば、あっという間に本屋の近くにある横断歩道の前まで来た。のはいいのだが、駅前の信号は遅い。もう1分くらい待っているはずなのに、一行に青になる気配がない。

信号待ちが以外に嫌いではない私も嫌いになっちゃうレベルである。この信号の長さ変えて欲しい。サラリーマンや学生の切実な願いである。

やっと信号が青に変わった。

私は急いで本屋に向かう。別に予約してあるから急がなくても良いのだが、早く読みたいのとやっと手にいれた感が好きなため、私は毎回走っている。まぁ、おかげで体力ついたから体育の授業でもけっこう良い成績取れてるんだけど…。


本屋に行くとちゃんと私が予約していた新刊は届いていた。店主のおじさんがグッと私に向かって親指を立てていた。その笑顔に癒されますよおじさん…。

お金を払い、おじさんから新刊を受け取る。今日は私の大好きな和菓子をもらった。家に帰ったら早速食べよう。

おじさんにお礼を言ってから店を出る。

新刊が手に入ったから上機嫌だ。


家に帰る途中の建物と建物の間にたむろっている男たちを見かけた。

何をやっているのやらと思い、目を向ける。どうやら男達は誰かを取り囲んでいるらしい、よーく目を凝らしてみるとどうやら高校生らしき2人の女の人たちを大人数で取り囲んでいる最中のようだ。女の人たちはかなり怯えている様子。チンピラに絡まれるなんてお気の毒に……。チンピラもチンピラでいくら夜に近い夕方だからって何警察に捕まるようなことやってんだか。


「おいテメェ、何見てんだコラ」


ありゃりゃりゃ。目つけられちゃったよ。早く家に帰って新刊読みたいのになぁ…。

仕方なく本を鞄にしまい、前髪の長さを利用して顔をうまい具合に隠してからチンピラA(勝手に名ずけておきますか。名前なんて知らないし)に向き直る。彼女2人の心配そんな目が私に向けられるが、気にしない。


「彼女達を解放して下さい。解放する意志が無いのでしたら実力行使も厭いませんが、どうします?」


無表情に淡々とそう男たちに向かって言う。すると男たちは一斉に笑い出した。まぁ、こんな小さい私が何を言っても戯れ言にしか聞こえませんよね。でも、ちょっとカチンときっちゃったなぁ…。


「おいおい嬢ちゃん、冗談もほどほどにしとかないと痛い目見ちゃうぜ?」


気持ち悪い笑みを浮かべながら、チンピラAは私に近づいてくる。

片足と片手を一歩後ろに引いてからその足で一歩思いっきり踏み出しながら、チンピラAの鳩尾に拳をぶち込む。私が攻撃を仕掛けてくるなんて予想していなかったのか、チンピラAが呻き声をあげてそのまま前のめりに倒れる。

仲間が何故倒れたのか未だに理解できていない男たちは口をあんぐりと開けて突っ立っている。彼女達も驚きを隠せないでいる。

私は全く気にしないそぶりで男たちに近づく。すると、周りより一足先に我に帰ったチンピラBが私に向かって殴りかかってくる。それにつられて他の男たちも私に殴りかかろうと走ってくる。

私はそれを回ってかわす。回った勢いをころさないで全部蹴りに乗せてチンピラBにおみまいする。たった一発の蹴りだけでチンピラBは崩れ落ちた。その後もチンピラC、チンピラDやらの鳩尾にもパンチをくらわせる。軟弱なのか何なのか全員一発で気絶した。

周りが静かになったところで彼女たちに向き直る。


「お姉さん達、お怪我はありませんか?」


さっきから一言も話さない彼女達に話しかける。怪我はしてないだろうけど一応は聞いておく。


「えっ、あ、はい…大丈夫です…」


1人が返事してもう1人が頷く。ほんの少し息をついてから彼女達に近づいて手を差し伸べる。1人が安堵の表情を浮かべ私の手を取ろうとした。が、その手は再び強張った表情と共に止まった。不思議に思ったが、後ろに気配があることに気づいて振り返る。そこには一番最初に気絶させたはずのチンピラAが鉄パイプのようなモノを私めがけて振り下ろそうとしている最中だった。


…あ、やば。


この体制では反撃出来ないし、避ければ彼女達が怪我をしてしまう。私に残されている選択肢は防御一択。そう考え、防御の体制に入る。


私が防御の体制に入ったのとチンピラAが鉄パイプみたいなモノを振り下ろしたのは同時だった。


痛みに耐えるために目を瞑り体を強張らせる。が、一向に腕に何かがあった衝撃や肉体に感じる痛みがこない。

不思議に思い薄っすらと目を開けた瞬間、チンピラAが白目を向きながら前のめりに倒れた。何故チンピラAが倒れたのかまだ理解が追いついていないが、私たちの他にもう一つ人影があることに気がついた。

その人影の人物に目を移す。

そこには夕日に照らされて綺麗に光るブロンドの髪をした何処ぞの少女漫画から出てきたヒーロー役なのではないかと思うぐらいの美形な男子が立っていた。





読んで下さり有難うございます。

少女漫画って金髪ヒーロー多いですよね…。ちなみに私は黒髪派です。

次も読んで頂けたら嬉しいです。

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