閑話 いつもと変わらない日常
2019124 修正
翌朝、目を覚ました私は朝食の準備をするために台所へと向かった。昨日のあまりの鍋とご飯を能力を使い温めなおす。
「朝から鍋は重いかしら?」
まあ、大丈夫だろうと温めた鍋を居間へ能力を使い運んだ。
食事の準備が終わり、時計を見るといい時間になっていた。いつまでも起きてこない藍を起こすために私は藍の部屋へと向かった。
◇
部屋につくと布団を蹴り飛ばした藍がすやすやと眠っている。
「藍、起きて。もう朝よ」
「ゆかり……しゃま?――あっ⁉」
起こしに来た私を見て藍は少しの間あとに部屋から飛び出てしまった。どうやら寝坊したことに気づいたようだ。
藍のあとを追いかけるとやはり台所にいた。どうやら慌てて割烹着を着たのか所々着崩しているが本人は気づいていない。
「朝食の準備ならもうすんでいるわよ。冷めないうちに早く食べましょう」
「うーごめんなしゃい。ゆかり様」
俯き涙声になっている藍の頭を撫で怒っていないことを伝えるとすぐに顔を上げ笑顔を浮かべた。
そして安心したのかグゥーとお腹をならし顔を真っ赤に染めた。
「うぅ、恥ずかしいです」
「あらあら、藍ったらお腹がすいていたのね。それじゃあ早く食べに行きましょうか」
「わかりました!」
「大きな声で返事ができて偉いわ。さあ行きましょ」
頭をまた撫でてから居間へと向かった。
居間につくと藍は先ほどの挽回をするかのようにご飯を注ぎ朝食の準備を一人で終わらせた。
「あら、藍ご飯を盛ってくれたのね。ありがとう」
「えへへ、ゆかり様に褒められた」
こうして、八雲家のいつもと変わらない一日が始まった。
つづく




