二十八尾 幻想の郷
幽々子と出会って一年の月日が経った。私は幽々子の屋敷の近くにあった村の一角でなんでも屋を営んでいた。
そして今現在、私は空中を凄い速さで落ちている。
「なぜこうなった……」
こうなった理由は今朝のことだった。
~回想~
「んー今日は休みだから何をするかねぇー」
久方ぶりに仕事が休みなので寛いでいるとどこからともなく声が聞こえてきた。
「あら? 仕事をやめて引きこもってるの? ラグナ」
「別に仕事はやめてないし今日は久しぶりの休みなの。ところでなんの用かしら、紫」
何もない空間から現れたこの女性は八雲紫。スキマ妖怪という種族の妖怪であり、ラグナの友人だ。
「用事ならあるわよ。藍があなたに会いたいってうるさくてね。それと私の夢を覚えてるかしら?」
紫の夢と言えば、人と妖怪の共存。妖怪は人がいないと存在できない。しかし、この世は無常、人と妖怪は分かり合えず理解できないのだ。しかし、紫は人と妖怪の共存という夢の為に今まで努力してきたのだ。
「えぇ、覚えているよ。人間と妖怪の共存だったな」
「覚えていてくれてうれしいわ。……妖怪と人間の共存する世界が遂に完成したの。
名前は幻想郷。ラグナ、あなたに見てほしいの私の作った幻想郷を」
紫は不安そうに私を見ていたが、私の答えはただ一つだった。
「……もちろんいくよ。ぜひ案内してほしいわ」
「ありがとう。じゃあ案内するわね」
私の返答を聞くと笑顔で扇子で空を切った。
その瞬間、私の視界が変わった、いや下に落ちていた。
そして、上から紫の「一名様ごあんな~い」と言う声が聞こえた気がした
~現在~
「紫。絶対許さない」
さてそろそろ地面に落ちそうだ。しかし人間状態じゃ空を飛ぶのが大変難しい。
だがしかし、妖怪状態になるのもめんどくさい。ならばそのまま着地すればいい。
「ん? あの神社は……なんだ?」
落下中にふと前を見ると一山を超えたところに神社が立っていた。ほかには里のような場所が遠目に映ったがさすがに遠すぎる。
「あの神社に着地しようか」
足の裏に霊力を集め一気に放射。これで前には進むことができる。これを利用して疑似空中飛行で神社まで向かうことに成功した。
この動きの難点はひたすら前にしか進めないことだろうか。
「……っと……ふぅ。なんとか付いた」
山を超えて謎の神社に無事到着した私が見たモノは八雲紫だった。
「紫、神罰の時間だ」
「ご、ごめんなさーい!」
「たく……でここが幻想郷?」
「え……え……そうよ」
狐火で燃え、ぷすぷすと煙を吹いている紫を扇子で扇いでいると神社の中から
何かが飛び出してきた。
「なに!? なんの音?!」
飛び出してきたのは巫女服姿の女の子だった。彼女は周りを見渡して私に向かってきた。
「今の音なに?!」
「えーと、とりあえず落ち着いて」
「あ、そうだね。私の名前は博麗 霊歌よ。よろしく!」
突然の自己紹介ですこし驚いていたが霊歌の次はお前だと言わんばかりの顔を見て私も自己紹介をすることにした。
「えーと、私はラグナ。よろしく霊歌」
この霊歌との出会いがまた一つ物語を進めた。
つづく
2018 1129 修正




