番外編! 陰陽師ラグナと正体不明の妖し その三
話が浮かんだので書きました
それと少しだけ書き方を変えてみました。わかるかな?
私は、封獣ぬえ。この都を恐怖で貶めるためにやってきた大妖怪様だ。
だが、逆にトラウマを作ることになるとは思わなかった。あの二人、特に金髪の女に――。
時をさかのぼることかれこれ数分。
「普通に女の子に見えるけど」
「え、女ですか?」
なぜか正体がバレてしまった。おかしい、私の能力が効いてないだと!? いやだけど、隣の白髪は首をかしげているし。
「私の姿に恐れ戦くがいい!」
そういうと金髪の女は腹を抱えて笑い出した。それも豪快に。
「ふふ……あははは」
「お、お姉様大丈夫ですか!?」
隣の白髪はおろおろと金髪の周りをまわっている。私はというと。
「え?ばれてる? 嘘、なんで?」と顔を真っ赤にして焦っていた。
「焦りだしたわ。ふふ」
「あの泥棒猫殺す……」
焦りのせいで能力が解けた瞬間、白髪が私を鬼の形相というべき睨みを見せつけてきた。
「あはははぁ……さてそろそろ仕事に取り掛かりますか」
「あの泥棒猫をボコボコにしてやります!」
どうやら笑いが収まった金髪からとてつもない量の霊力が放出され始めた。
その量はあの安倍晴明ですら遠く及ばないだろう。
それ故に私は金髪から目を外せず動けないでいた。
「雪夢、ボコらずに捕まえてきなさい」
「わかりました!」
そして気づいた時にはもう遅い、白髪が目の前に現れた瞬間、私の身体は地へと落ちていた。
◇
雪夢の強烈な蹴りをもろに喰らった鵺は「きゃあ!」というかわいい悲鳴と共に地面に落ちた。
「やりすぎだ」
「確実に気絶させました!」
鼻歌を歌い陽気に近づいていく雪夢は気絶していた鵺を叩き起こした。
目を覚ました鵺は「あぁ……く……くるな!」と怯えたように走って逃げだす。
しかし、そうは問屋が卸さない。雪夢が霊力で仕込みあげた縄で封獣ぬえを縛り上げる。
「こんな縄すぐに抜けてやる!」
縄で縛られた鵺は暴れて縄をほどこうとする。だが、その縄には。
「あ、その縄無理やり解こうとしたら体が凍りますよ」
「へ?」
「だから大人しくしてくださいね?」
「は、はい」
ガタガタと体を揺らし始めた鵺は自分の名前、目的を話した。
そして、自分から封印してくれと頼んできた。どうやら、雪夢のせいでとんでもない精神状態になっていたようだ。
「じゃあ封印するわね」
「う、うん」
私は封印の術をぬえに掛けた。少しするとぬえを包むように光が起き、ぬえは消えた。
「じゃあ帰りましょうか、お姉ちゃん」
「そうだな、帰るか」
次の日、晴明にぬえの件を話し、無事に依頼を達成した。
この話は私と雪夢の思い出話。また語ることができれば良い話を語ろう。
番外編! 陰陽師ラグナと正体不明の妖 完
次回からは普通通りに戻します、ではまた次回!ノシ




