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東方狐著聞集  作者: 稜の幻想日記
古代幻想入り編 陰陽師はじめました
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番外編! 陰陽師ラグナと正体不明の妖し その二

 人が眠り、妖たちの蠢く時間。私と雪夢は空を見上げていた。

不気味と虫の音すらしない過の空間は風のなびく音だけが聞こえていた。



 今は丁度日付が変わるくらいの時間だろう。


私と雪夢は天皇の屋敷の外で門番をしていた。一応念を込めて屋敷に結界を張っているが虫どころか妖怪の香りすらしない。




「本当に鵺なんて妖怪がいるんだろうか」



「話によると牛の刻とか話してましたよ!」



「そんな遅い時間に来るのか……もう少し遅くてもよかったんじゃないか?」


「だめです! お姉ちゃんはすぐに寝てしまうでしょ? だから早めに出たほうがよかったんです」


「はぁ……めんどくさい仕事を受けてしまった」


「どうしました?」



 おっと、危ない危ない雪夢に聞かれるところだった。しかし、遅い時間に襲いに来るとはひどい奴だな。

まぁ、妖怪に文句を言ってもどうにもならないか。



「時間的にもうすぐなんですけど、いつくるんですかね、鵺の奴」


「雪夢の話とおりならもうすぐか」


 一応、朝のうちに色々情報を集めて回ったが鵺に関する情報はあまり得られなかった。が、情報の一つに鵺の正体は見る人によって姿が変わるらしい。

 例えば村人Aが鵺を見たとしよう。Aがみた鵺は鬼だった

 しかし、村人Bがみた鵺は天狗だったと。そんな風に本当の正体がわからない妖怪が鵺と呼ばれるというわけだ。

  もう一つ、鵺と戦った陰陽師に話を聞くことができたのだが。鵺の飛ばした蛇が実は拳ほどの大きさの岩だったとか。以上をもって能力持ちの妖怪判断した。


「なぁ、雪夢」


「どうしたの? お姉ちゃん」


「鵺が来たみたいだ」


 私が指を指した方向につられて雪夢が顔を向けた。どうやら彼女も気づいたようだ。


「あれ? もしかしてあれですか? なんですか……あれ? 雪だるま?」

 

どうやら雪夢には雪だるまに見えているようだ。


「……ふむ、なるほど」


「お姉ちゃん?」


「私には人型の妖怪に見えているんだが」


どうやら私が見ている姿が本当の姿のようだ。話を聞いていた鵺も慌てた様子になっている。しかし、なぜ私だけ姿を見破れたんだ?

となりの雪夢は驚いた顔で見てくるし。なに? 本当に能力持っていないのかだって? 馬鹿を言うな。


「私に能力だなんてあるわけがないだろ」






 つづく

みじかいですが今回はここまで

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