十三尾 陰陽師はじめました
2016 0811修正
雪夢と旅に出て早くも五年がたった。私達は今、都で陰陽師として過ごしている。
なぜ、陰陽師になった理由としては雪夢が霊力を使えるのが判明したのと紫からの依頼があったからだ。
「しかし、本当にびっくりしたわね。まさか、雪夢、あなたが霊力を使えるなんて」
「お姉ちゃん! 凄いでしょ! 褒めて!」
「えぇ、よしよし」
「ふにゃーー」
最近、雪夢が犬に見えてきた……ふぅ……紫からの依頼だが
安倍晴明という男について探ってほしいとのことだ。ついでに都で有名なかぐや姫に会うためだが、もっぱらの目的は後者だ。
「おう、ラグナ! 任務が入ったぜ!」
おっと、噂をすればなんとやらだ
「晴明、いつも言っているだろ。玄関から挨拶をしろと、なんでお前はいつも縁側から来るんだ」
「おう、すまねえ」
このムキムキで歯を白く光らせている男が安倍清明。風のうわさでは紳士な優男だとか言われているがただの暑苦しいゴツ男だ。
「それでだ、任務だ」
「どんな、任務ですか? あと、お茶です」
さっきまで、ふにゃってた雪夢がきりっとした顔でお茶を出している……外と中の顔が違うんだよなあの娘……
「おう、雪夢ちゃんありがとうよ」
あ、晴明の奴、私の可愛い妹の頭を撫でがった!?
「私の頭を撫でていいのはお姉様だけです」
あ、完全にキレた。殺気とわずかながら妖力がでてるじゃないか
「雪夢!」
「はっ?! す、すいません」
「おうよ! おれぇが悪かったよすまねぇ!」
危なかった……もしばれたら……
「さてだ。依頼の件なんだがよう、封印されていた大黒猫って奴だ」
大黒猫と言えば結構前に死体を盗み出したり生きてる人を攫って喰らっていた奴か。
「たしか、おまえが封印したんじゃなかったか?」
「あぁ、上の馬鹿が力欲しさに封印を解かせたんだとよ、封印を解いた陰陽師は喰らわれて馬鹿のほうは俺が処分することになったんだ。んで、おめえさんに大黒猫の封印を頼みに来たってわけだ」
「ねぇ、晴明さん。大黒猫ってどんな奴なの?」
そういえば雪夢は大黒猫のことは知らないんだったな。
「おうよ! 奴はある村の死体をすべて盗み出した挙句その村を全滅させるような奴さ……馬鹿が封印をとかなけりゃめんどくせぇことにゃあならんのによう」
「それで、晴明。いつやればいい?」
「んー出来るだけぇ速く頼めるか?」
「じゃあ、今日の夜に行く」
「お姉様、お供します」
「もちろん、雪夢にも協力してもらうさ」
「わかりました!」
「んじゃあ……そろそろ、おりゃあ、帰るぜ」
「はやく、仕事を終わらせに行け!」
「晴明さん。またいらしてください」
「おう。あ、ラグナァ、殺すなよ? あいつを殺したらその近辺が死ぬぞ」
「大丈夫だ、下に封印する」
「そうかい、んじゃ、今度こそ帰る」
「清明は帰ったことだし、準備するか」
「はい!」
~夜~
さて、大黒猫が隠れているらしい森に来たが……ふむ、動いているな
「さて、ついたわけだが」
「お姉ちゃん、本当にこんなところに居るの?」
「あぁ、いつでも動けるようにしときなさい」
「はい」
ガサガサと草を揺らす音と低いうなり声が夜の森に響く……
「噂をすればなんとやか……」
「きます!」
「ギャア!」
黒い塊が狐姉妹に向かって飛び出してきたが雪夢が雪で遮った。
「グルル ナニシニキタ」
「おっと、喋れるのか。何しに来たかと言われればお前を封印しに来た」
「ワタシハフウインモサレナイ コロサレモシナイ ギャクニオマエタチヲコロシテヤル!!」
「殺す……ね。面白い冗談だわ。アハッ」
「ナ ナンナンダ!?」
「サァ 始めマしョうか。一方的な殺戮ヲ……アハハッハ!!」
続く
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