final Stage 三位一体
突如現れた人物は三人と倒れている一人を一瞥し、やれやれといった風に一歩、また一歩と近づいてきた。
「誰だお前、 返答次第じゃ撃つぞ!」
魔理沙の警告を無視し倒れている純狐へと近づく。
そして、そのまま抱え上げると三人の方へと向き直った。
「さて、純狐を痛めつけたのはそこの三人でいいのかしら?」
有無も言わさず其の者から放たれた弾幕が三人へと降り注いだ。
土煙が晴れそこに居たのは二人を守るように盾になったラグナだった。
「ぐ……」
そのまま地面に倒れ伏せたラグナを嘲笑うと魔理沙と霊夢へと語りかける。
「さてこれで残り二人になったわけだれども遺言は残しておきたい? まぁ、残す時間も与えずに消すけど」
「ラグナ、あんたは少し寝てなさい。あんたの仇すぐに取ってくるから」
そういうと霊夢はお祓い棒を握りしめて笑っている、己の敵に向かって突きつけた。
「あはははははーー。威勢のいい人間ね。気に入ったわ貴方はじわりじわりと殺してあげるわよん。神であるヘカーティア・ラピスラズに楯突いた罰だ」
ヘカーティア・ラピスラズと名乗った三つの球体を浮かせ謎の単語が入った服を着た女性が霊夢に向かって手を向けると地面が爆ぜた。
だが、霊夢はそれがわかっていてかのように軽々と避けてみせた。
「後ろがガラ空きだぜ! 恋符【マスタースパーク】!!!!」
魔理沙の放った一撃はヘカーティアを飲み込んだ……かのように思われた。
しかし、煙が晴れるとそこには傷ひとつないヘカーティアが立っていた。
「ふふ、まるでそよ風ね。魔法っていうものはこうやって使うのよん」
ヘカーティアの背後に無数の魔方陣が出現し魔法陣からマスタースパーク程の大きさのレーザーが放たれた。
「おいおい、冗談じゃないぜ!?」
「あはははは! 避けないと死んじゃうわよん。これも追加してあげるわ」
連続して放たれるレーザーを避ける二人だったが突如背後から魔法陣が現れ挟み撃ちの状態になってしまった。
「魔理沙! あんたのマスパで魔法陣を吹き飛ばしなさい!」
「できるかしらんがやってみるぜ! 霊夢、サポート頼んだ!」
「任せときなさい。夢符【二重結界】」
自分と魔理沙を守るように展開した結界はヘカーティアの怒涛の弾幕を跳ね返した。
しかし、次々と放たれる弾幕によって次第に結界はヒビが入っていった。
「まだなの!? そろそろ破れるわよ!」
「あと少しーーっ解いてくれ!」
結界が解かれた瞬間辺りを光が埋め尽くした。
光が晴れるとそこには二人を苦しめた魔法陣の姿はなかった。
「あらまぁ、やってくれたわね。まさかあの数を全部焼き払うなんて……少し見直したわ」
「はぁ……はぁ悪い霊夢、ガス欠だ……」
そういうと魔理沙はそのまま地面へと倒れこんだ。
霊夢が慌てて駆け寄ると魔理沙は魔力不足で気を失っているだけのようだ。
「全くあんたってやつは……いいわ、後は任せておきなさい。すぐに終わらせるから」
再度お祓い棒を握りしめヘカーティアへと突きつけた。
「そこの魔法使いがいなかったら今頃お前は消し炭だったのに、一人で私を倒すだと? 片腹痛いわ」
「そう、なら両腹痛くしてあげるわ。見せてあげるわ博麗の最終奥義。死にたくなければ大人しく降参しないな」
「なめるなァ! 【トリニタリアンラプソディ】」
ヘカーティアの技は地面を抉り、全てを壊しながら霊夢に降り注いだ。
「所詮人間、跡も残らなかったか」
『それがあんたの敗因よ。それじゃあさようなら』
『夢 思 天 生』
つづく




