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東方狐著聞集  作者: 稜の幻想日記
幻想郷 日常の始まり
137/152

百十一尾 神霊異変完

私たちが部屋の奥に着いたのは、霊夢と妖夢が異変の黒幕を倒した後だった。


「くそっ、霊夢達に先を越されちまった! 」


「あら、魔理沙とラグナじゃない。随分遅かったわね」


「というか何で霊夢達が先にきてるんだよ! いつ私たちを越したんだ」


「越したも何も普通にこの部屋に出ましたけど……それに二人の姿を見なかったし」


どうやら妖夢の説明によると霊夢の後ろを付いて行ったらこの部屋についたようだ。だけど、私たちが先に進んだ時は他の道はなかったはずだがな……あの仙人の仕業か?


「それで、そこに倒れているのが今回の異変の黒幕か?」


「えぇ、そうよ。名前は確か、なんとか耳だったけ?」


「違います! 豊聡耳神子です!」


「豊聡耳神子……聖徳太子か?」


「そう呼ばれて時期もありましたね。ところで貴女はーー神獣ですね」


私を見た瞬間、正体に気づくとは。やはり、聖徳太子というわけか。

聖徳太子ーー私が守矢神社から旅立って数年経ったくらいの頃にいろんなところで噂になっていた人間の名前だ。確か噂は十人の声を同時に聞くことができる人間がいるという噂だったか。


「ご名答。まぁ、妖獣からの成り上がりだがな。それとなーー私は今、『怒っている』」


「ふぇ? 」


「私の部屋を滅茶苦茶にされた恨みを晴らさせてもらうぞ!」


とぼけた顔の豊聡耳神子に私は、妖力と霊力を混ぜた弾幕を豊聡耳神子にぶち込んだ。弾幕は豊聡耳神子に触れた瞬間、爆発した。


「ふぅ……よし帰るか」


そう言って私が元来た道を歩き出そうとすると、爆発した中心からレーザーが飛んで来た。


「残念、そんな速度じゃ当たらないよ」


「っく、無念」


レーザーを放った豊聡耳神子はそう呟くと完全に気を失った。どうやらさっきのレーザーで完全に霊力が切れたようだ。


「霊夢、魔理沙それと妖夢、私は先に帰ってるからな」


今度こそ私は元来た道を歩き出した。


「……私たちも帰りましょうよ」


そう提案する妖夢に二人は頷いて歩き出した。



「……むむっ、太子様! 大丈夫ですか?!」


誰もいなくなった部屋に駆け込んで来た物部布都は地面に倒れている豊聡耳神子に駆け寄る。

どうやら彼女は眠っているようだ。しかし、眠っていることに気づかなかった布都は。


「おぉ、太子様。目を開けてくだされ! 死んではなりませんぞ!」


と言いながら豊聡耳神子を揺さぶっていたそうな。



「はーようやく神社に帰ってこれた。早く部屋を片付けないといけないな」


おや? 神社のそれも私の部屋に人の気配が……盗っ人か?


「私の部屋にいるのは誰だっ!」


勢いよく襖を開けるとそこには。


「……藍?」


私の大切な末妹が部屋を片付けていた。


「あ、姉様。部屋がすごいことになっていたので片付けさせてもらいました」


「そうだったのか。ありがとう、藍」


頭を撫でてやると目を細め気持ちよさそうにしていた。 しばらく撫でいると部屋の外からトタトタと走る音が聞こえて来た。


「藍しゃま!」


部屋に飛び込んで来たのは猫又の少女だった。

藍しゃま? この子はもしかして……。


「こら、橙。ちゃんと挨拶をしないと駄目だろう」


「あうぅ……ごめんなしゃい、藍しゃま」


橙と呼ばれた猫又の少女は耳をしゅんとさせて今にも泣きそうだ。


「えーと、君は藍の式かな?」


「は、はい。そうです。名前は藍しゃまがつけてくださった、橙といいます! 」


「うん、元気があってよろしい。昔の藍を見ているようだ」


「昔の藍しゃまですか?」


「あぁ、そうだよ。昔は紫しゃま、紫しゃまって紫の後ろを追いかけていたんだよ」


「ちょ、姉様!? 橙に昔のことを話さないでくださーい!!」


ーーその後、帰宅した博麗霊夢が神社を八雲の狐に乗っ取られたと勘違いして夢想封印したのはまた別の話。


これにて神霊異変解決


つづく

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