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東方狐著聞集  作者: 稜の幻想日記
幻想郷 日常の始まり
116/152

九十一尾 狐と花妖怪と悪魔

私が食堂に戻ると幽香が得意げな顔を夢月が驚いた顔をしていた。


「なんで、二人ともそんな顔をしているんだ?」

「いえ、なんでもないんです。私、部屋に戻りますね……」

夢月はそう言うと席を立ち食堂から出て行ってしまった。食堂に残ったのは私と幽香だけのようだ。


「そういえば幻月(あいつ)と何を話してたの?」

「ん、あぁ、私の身の上話かな?」

「ふぅん」

あ、この反応は興味なさげな感じを醸し出しておいて実は気になって仕方ないというときの反応だ!

まぁ、それは片隅に払うとして


「それでだ、そろそろ元の世界に戻ろうと思っているのだけれども幽香はどうする?」

「んーそうね。私もお花の手入れがしたいから帰るわ」

幽香も戻るか。それなら


「それじゃあ幻月に言って来るよ」


「あら、呼んだ?」

……? は? 私は夢でも見ているのか?

……頰っぺた痛い、夢じゃないのか……


「はぁい、ラグナ」


それではせーの

「なんで私の背中に張り付いているんだよおおおぉ!??」


「それは、うふふ。ひ・み・つ」

「ふふ、ほんとあなたっていじめがいがあるわね」

幽香も何言い出してるの?! 幻月も頷くんじゃない! 私の味方はいないのか!?


「居ないわね」

「残念。いないわ」

「二人してひていするなぁ!!」

「あら、ラグナが泣いちゃった」

「ぐす……泣いてない!」

泣いてるわけないだろ! あれ? 何かおかしい……なんで、泣いていないはずなのに涙が出ているんだ? 別に悲しいわけじゃないのに。


「おい、幻月。お前何かしたか?」

「いーえ、何もしていないわ。ただ、あなたの本当の性格が出ているだけよ」

「本当の性格? どういうことだ」

「あら、わからないの? 簡単なことでしょ?」

なんだ? 幽香はわかっているのか? というか本当の性格? 本当も何も私の性格が本当なんだが。


「まぁ、ここから出たら元に戻るから気にしなくてもいいわ」

「ねぇ、幻月、早く帰りたいんだけど」

「あら、幽香。もう帰るの?」

ちょっ、私を置いて話が進んでる!? そういえば幻月の羽って綺麗だな……って思考がおかしいぞ?


「なぁ、幻月。思考がおかしいのもここのせいなのか?」

「あら? そこまで浸透しちゃったの? んー、手遅れになる前に早く戻さないと行けないわね」

「なにかやばいのか?」

「えぇ、やばいわ。早く元の世界に戻らないとこの世界に取り込まれるわ」

「え? なら早く元の世界に戻してください!?」


あれ? なんで私、土下座なんかしてるんだ? あれ?


「これはかなり来てるわね。幻月」

「わかってるわ。ラグナ? 目を瞑って元いた場所を思い描きなさい」


その時、私が思い描いた場所は太陽の畑、迷いの竹林、地底の旧都、そして、博麗霊夢のいる博麗神社だったーーーー。


「んぅ……ここは?」

「やっと起きたのね? 」

「幽香? ここは」

「私の家よ」

私は戻ってきたのか。夢幻世界……現実との狭間の世界と言っていたな。 あの世界に行ったのは夢だったのか?


「そんなわけないでしょ? はぁーい」

は? ……夢だよな?

「夢じゃないわ。現実よ」

「なんじゃそりゃあああ!?」

その日から天使のような悪魔姉妹が幽香の家に居候を始めたようだ。 私? 叫んだあとに幽香に拳骨されたよ。 痛かった……


つづく

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