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七夕の悲劇 ~必ず願いが叶う村~

作者: ナベノヂ
掲載日:2025/10/09

七夕、あなたの願い事は叶いましたか?

『七夕の願い事が必ず叶う村』


「会長、どこにいるんだろう」

学校の中、僕は会長の姿を探している。

「折角小説家になれたのに、会長がいないと意味ないじゃないか」

小説家になりたいと思っていた僕を、唯一応援してくれた会長。

七夕の次の日、大手出版社から電話が掛かってきた。僕は作品を1回も書いたことがなかったけど、七夕に願ったから見事叶った訳だ。

村万歳。村人でよかった。

「どこ行ったんだ? 会長」

早く報告したいのに。

結局。

1日中探したけど、見つからなかった。




「はっ、はっ。会長、生きててくださいよ…!」

森の中、必死に僕は走る。

僕を呼ぶ会長の声がした。

『絶対に立ち入ってはいけないエリア』

から、会長の声が。

すごく不吉な予感がする。

「何かが、燃えている…!?」

パチパチという、燃える音。

そして、会長は見つかった。

「会長!」

「おやおや。ダメじゃないか、ここに入ってきては。今見ているものは忘れて帰りなさい」

「村長、これは一体。どうして会長が燃やされているんですか!」

「七夕のためだよ」

「七夕」

「毎年、七夕の翌日に、村の神に生け贄を捧げる。皆の願いを叶えて下さりありがとうございます、とね。

この子は、今年の生け贄。今年の生け贄は特に逸材だ、高校を卒業したら村から出るそうだったからな、出る前に神に捧げた」

村長は会長に顔を向け、

「見ろ。穏やかな顔。初めてだ、こんな顔の生け贄は」

膝をつき、呆然とする僕。

村長は穏やか顔で僕に近寄り、

「よかったじゃないか、小説家になれて」




誰もいなくなった後。

「くそっ、くそっ!」

地面に何回も拳を振り下ろす。

小説家になんかなれなくてよかった!

それよりも大切な存在が、そばにいたのに!

「僕は、なんで会長と一緒にいたいって願わなかったんだ…!」

神の力か、偶然の連続か。


読んで頂き、ありがとうございました。

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