(54)暗殺者
アトランティス島中央地下、約三〇〇メートルの深さにある管理中枢センターは、あたかもニニ世紀現在の最新データセンターのような、ライムグリーンの幾何学的な光が無数に走る、地上の古風な街並みとは正反対の機械的空間だった。最奥部にあるアトランティス島のエネルギーを管理するメインコンピューターが、このエクストラステージのゴールだった。
地下深くに続く螺旋状の通路を、警備ロボットの妨害をかい潜りながら、レンレンとクリシュナはスケボーで駆け抜けた。
「非常に残念だな。よく作り込まれてはいるが、実際に存在したアトランティスの管理中枢とは、似ても似つかない」
クリシュナの、いかにも残念そうな口調にレンレンは眉をひそめた。
「さっきから何のジョークだ。まるで、本物のアトランティスを見たことがあるような口ぶりだな。方舟ってのは、勉強に飽きて妄想を書き散らす中学生と同類か」
「何を言っているんだろうね。君だっていたじゃないか、あの偉大な国に」
「わけのわからない会話はいい。どうせ、まともに話をする気はないだろう!」
レンレンはコース前方左の壁からせり出した四角い機械に、クリシュナを押し付けるようにラインを取った。だがクリシュナはそれを読み取って、一瞬早くオーリーを決め、機械を華麗に飛び越える。そのアクションのために消費したわずかな時間によって、クリシュナが少しだけ後退した。
「油断も隙もないな」
「体当たりの妨害以外は、全てルールの範囲内だ」
「ゲーマーの常套句だね! だが、これが人間の国家間の戦争ならどうだろう? ルール無用、それがルールだ。ゆうべ約束した休戦協定は、朝食のパンを焼く前に破られるものだ!」
クリシュナは、レンレンの操作キャラに接近する素振りを見せた。レンレンは警戒したが、クリシュナが妨害行動を起こす事はなかった。
「楽しいな! そうじゃないか? 僕らの世界では、こんなふうに勝敗を決するゲームは存在しなかった。なぜなら、勝ち負けの概念がないからだ」
「それはまた、楽園のような世界だな。なら、今ここであたしがもう一度、負けるってことを教えてやる」
「構わないとも! 世界に、勝敗などというものは存在しないが、それを体験する事はできる。勝つ事も負ける事も、その楽しさも悔しさも、この現実世界という名の幻想のもとでしか、体験できないものだ!」
クリシュナは、ほとんど直角のコーナーのインをギリギリのラインで取り、レンレンからほんの僅かなリードを取り戻す。だが、レンレンがアウト側を選んだのは、次のコーナーでインを取るためだった。
ほんの数秒の間に互いがリードを奪い合う、凄まじいレースにオーディエンスは沸き立った。もう、ゴールまで二〇〇メートルを切り、地下から地上へと突き抜けるようにそびえる、プリズムのラインが走るコントロールタワーが姿を現した。
残る障害物は床面のわずかな凹凸のみとなり、レンレンもクリシュナも、無言で限界のラインを読み取ることに集中した。
三〇〇メートルの高さの空間を持つ、アトランティス島エネルギーコントロール中枢ルームに両者がゴールした時、およそ世界中のプレーヤーが見たことのない判定が表示された。
『判定不能』
レース結果を表示する画面は、両者のゴールタイム差がゼロコンマ一六桁よりも小さな、測定限界以下の数値であることを告げていた。アルファベット順でクリシュナのプレイヤー名が上に表示されただけで、扱いは同着だった。ちなみにこの時、アトランティスステージのコースレコードは〇・二三秒更新される事になる。
瞬く間にネットワーク上では、このレース記録が「伝説のレース」として、記録・複製されて世界中に拡散することになる。レンレンは、いかにも不完全燃焼という気分でハッカ味のドリンクをあおった。これだけ全力でやって、決着が着かないなんて話があるか。負けなら負けで、白黒ついた方がすっきりする。横で通信端末のディスプレイを睨むリネットは、ちらりとレース結果を見やると、ゲームに異様な心血を注ぐ一〇代の少年に怪訝そうな視線を送った。
立体スクリーン上では、コースレコードを更新した時にだけ見られるスペシャルムービー『アトランティスの崩壊』の、恐ろしくも大迫力の映像が展開されていた。島中央のエネルギー中枢、ツーオイ石が暴走し、そこからエネルギーを遠隔供給されていた島や無数の船舶、航空機がコントロールを失って爆発、沈没してゆく。さらにそれは島北部の火山の噴火を誘発させ、七重のリング状の巨大な帝国は、炎と轟音を立てて大海の底へと沈んでいった。
「これは『史実』と較べてどうなんだ」
半笑いでレンレンは訊ねた。皮肉を込めたつもりだったが、クリシュナの反応は少しばかり予想と異なっていた。
「崩壊の仕方なんて、どうだっていい。重要なのは、アトランティスが滅びた、その原因だ」
「エネルギー中枢が、コントロールを失ったからだろう?」
「その、失った原因は何だと思う?」
それまでの、人をくったような態度はなりを潜め、レンレンは返答に戸惑った。スクリーンはやがてムービーが終わり、レースモードから好きなフィールドを自由に走るフリーモードに切り替わる。クリシュナの操る赤い髪のスケーターは、何事もなかったかのように元に戻った、アトランティス島の市街地を走り出した。仕方ないので、レンレンもついて行く。
ゲーム内のアトランティス島は、古代ギリシャ風の石造りの空間でありながら、現代のホバービークルのような移動機械や、ほとんど異星人の宇宙船じみたデザインの、大小さまざまな航空機や船舶が動く世界だった。色々パターンはあっても、「超古代に現代を超える文明が存在した」という、古典的なSFお定まりのイメージから逸脱してはいない。
「このステージはゲームのリリース年から遡ること、一一八二八年前の時代という設定になっている。紀元前九七三〇年頃だね」
「もっともらしい、ずいぶん細かな設定だが、まあ当てずっぽうだな」
「そのとおりだ、正しくない。アトランティスが滅亡したのは正確には、紀元前一〇五九〇年前。今から一二六八八年前の、八月二五日だ」
あまりにも淡々と、先月のカレンダーでも確認したかのように日付を言われると、レンレンは笑う事もできず、脱力するしかなかった。
「そこらの雑貨店か何かが潰れた、みたいななノリで断言されてもな」
「暇があったら調べてみるといい。ところで残念だが、そろそろゲームをしていられる時間もなくなってきたようだ」
クリシュナが、心底残念そうにため息を吐いた。何かしら情報を引き出そうと考えていたレンレンは、どうにか引き留めることを試みた。
「待て! お前は本当に、エリコの行方を知らないのか?」
「行方は知っている。しかし、会う方法は僕にも、誰にもわからない。知っているのはエリコだけだ」
「どういう意味だ!? エリコはどこにいる!」
「答える事はできない。だが、これから海の上で起こる事に注意したまえ。いや、もう起きているかも知れないな」
レンレンとリネットは、目を見合わせて同じことを考えた。海の上。それは間違いなく、南米連合と南パシフィックとの、海戦を指しているはずだ。クリシュナは、また元の人をくったような口調に戻って言った。
「人を救えるはずのエネルギーを戦争に費やしておいて、なぜ我々の世界は荒廃するのだろうかと訝るのが、彼ら人類だ。もっともっと高みに登れる可能性を、何度も自ら放り捨てて、そのたびに原始人からやり直す。まあ、それも神が与えたもうた自由意志だがね」
「待て、クリシュナ!」
「レンレン、こんなに楽しい対戦は初めてだった。いつかまた、機会があれば再戦しよう」
それだけ言うと、クリシュナは通信を切ってしまった。レンレンはコントローラーを床に叩きつけようとしかけて、思いとどまりながらリネットを見た。
「こいつは、海で遭った時もこんな調子だったのか」
「まあ、そうね。思わせぶり、意味深、ケレン味たっぷりの冗長な会話に終始してた。意味があるんだか、ないんだか」
わざとらしく肩をすくめるリネットに、レンレンはクリシュナの言葉を思い出して警戒の視線を向けた。
「あいつは、海の上で起こることに注意しろと言った。いま、戦況はどうなってる」
「ネットワークの情報だけじゃ、何ともね。海の彼方が戦時じゃ、マスコミもおいそれとは近付けない」
「あの男、いったい何を知っているんだ」
稼働しっぱなしだった黒い円筒状のゲーム機をシャットダウンしながら、レンレンは立体映像が消えたコンクリートの空間を睨んだ。
「ひとつだけ……確証はないが、どうやらわかった事がある。エリコは少なくとも、死んだわけではないらしい」
「どこまで信用していいものかしらね」
「乗せられてやる以外に、選択肢はなさそうだ。どのみち、こっちは何も知らない」
レンレンが、フェンリルの人員に連絡を取ろうとした時だった。ヘッドセットに、向こうから連絡が飛んできた。
「レンレン! 無事か!?」
それは、年配の兄貴分の一人だった。レンレンはブラスターを構え、即座に臨戦態勢を取る。
「無事だ。どうした」
「大変な事になった」
兄貴分の声は重い。だが、切迫よりは困惑の色が強く、通信を飛ばす余裕があるらしい事もレンレンはすぐに理解した。
「どうした」
「市内に展開していた陸軍部隊が、何者かによって次々と殺害されている。現在まで、すでに三四名。階級の上下は無差別にだ」
「なんだって!?」
レンレンは、リネットもヘッドセットを装着していることを確認すると、つとめて冷静に訊ね返した。
「市民の反抗か?」
「違う。民間人は、軍が怖くてほとんど出歩いていない」
「まさか、フェンリルの構成員の仕業か?」
レンレンは最悪の想像に背筋が寒くなったが、すぐにそれは訂正された。
「違う。俺たちは陸軍と、半ば睨み合いの状況だ。互いの動きは、おおむね察知している」
「だが、市街地でブラスターなり何なりをぶっ放せば、すぐにそれと気付かれるだろう。なぜ、だれがやったかわからないんだ」
「そうじゃない、レンレン」
その声色から、歴戦の海賊が明らかに困惑し、また不安を隠せないでいるのがわかった。レンレンとリネットは、黙って説明の続きを待った。
「これまで死亡した陸軍兵士の死因は全て、喉を鋭利な刃物で切られたことによる。それも、死に至らしめるのに最小限の労力で、頸動脈を切断しているんだ」
「暗殺ってことか!?」
さすがに、その情報には戦慄を禁じ得なかった。一人二人の人間が暗殺死体で発見された事は、稀ではあっても過去に例がある。だが、数十名の兵士が、白昼に誰にも悟られることなく、短時間に暗殺されるなど、明らかに常軌を逸している。
「暗殺のプロ集団が、このバリクパパンに入り込んだということか!?」
「現状では、そう理解せざるを得ない。うちの組織にだって、こんな鮮やかな手並みで殺れる奴は、数えるほどしかいない」
「そんな連中、いったいどこから……しかも、目的は何だ!?」
「わからん。緊急事態なので、先に本部には連絡した。フェンリルは、市民の安全を最優先で行動せよ、との事だ」
それはつまり、陸軍部隊は放っておけ、という意味でもあった。レンレンは、急速に自身に課せられた責務の重さを実感して、かすかに肩を震わせた。
「あたしの任務はそのままなのか」
「お前は俺達を率いる。それは変わらない。どう動けばいい、レンレン」
「今から、あんたに代わってもらう事はできないんだろうな」
それは冗談が二割、本音が八割というところだった。兄貴分の答えは明快であり、レンレンには冷徹にも聞こえた。
「今、俺達を取り巻く状況には、『普通ではない何か』が関わっているんだろう? それが何なのかは、俺にはわからないが。その状況で、何が起きてるか把握できる奴が司令塔にいなくては困る」
「……わかった」
レンレンは形のいい指先で眉間をつまんで少考すると、自分が指揮する構成員全員に回線を開いた。
「レンレンだ。陸軍兵士の件は確認した。よく聞いてくれ。あたしが持ってる『手品』のことは、みんなも知っていると思う」
それはレンレンの、相手の神経に作用する超能力を指していた。アンダルはじめフェンリル構成員の一部はすでに、そのことを知っている。
「もう明確にしておくが、あたし達の『敵』側にも、あたしのような意味不明の能力を持った奴がいる可能性は高い。それがどういう能力なのかは不明だが、いま起きている暗殺事件に、それが関わっている事もあり得る」
すると、一人の若い構成員から質問が飛んできた。
「見分ける方法はありますか。そんな、特殊な相手を」
「外見的にはない。あたしが、まあ少しばかり女の子っぽい以外は、そこらにいるホモ・サピエンスと区別がつかないのと同じだ」
それがジョークなのかどうか判断がつかないため、笑いを返す者はいなかった。
「問題なのは、相手が超能力者かどうかじゃない。常軌を逸した手段で、何らかの目的を達成しようとしている連中がいる、その事実だ。逃げられる時は逃げろ。そして、仲間や一般市民を守るためなら」
「”自分の命は後回しにしろ。命を捨てると覚悟した、仲間の意志も尊重しろ”」
全員が一斉に『何条目かのフェンリルの掟』を返したので、レンレンは苦笑するしかなかった。
「そういうことだ」
「それで、当面はどう動くべきだと思う?」
改めて兄貴分が質問してきたので、レンレンは再び状況を頭の中で整理した。
「まず、その陸軍兵士たちを殺害したのが誰なのか、把握するのが先だ」
「といっても、該当しそうな集団は心当たりがないぞ。フェンリルの縄張りだ、たとえ黒旗海賊だって簡単には入り込めない」
「そうなると、民間人を偽って侵入してきた何者か、という可能性も……」
そこまで言って、レンレンとリネットは蒼白になって目を見合わせた。
「レンレン」
「ああ。間違いない」
二人はリネットの携帯端末に表示された、ほんの少し前に報道された小さなニュースを改めて確認した。オーストラリア大陸から来た観光客船が、軍事情勢のために港に足止めをくらい、二〇〇人ほどの乗客が文句を言って船を降りた、という記事だ。
この船を降りた二〇〇人の中に、暗殺チームが紛れ込んでいたら? それ以外は考えられない、とレンレンは結論づけた。観光客を装っていれば、フェンリルにも怪しまれない。
「そうなると、問題はそいつらの目的だ。あのノアという女は、自分が助かる目的でエリコに接触してきたが、本来はおそらく、背後にある組織の命令で動いていたはずだ」
「タラカン島で死んでいた、首にバレッタを埋め込まれていた男と同じ組織?」
「おそらくな。想像を飛躍させるなら、陸軍兵士たちを殺害した何者かも、ノア達の背後にいる何者かの指令で動いている可能性は高い」
「だとすると、またバレッタを埋め込まれた連中が現れた可能性もあるわね」
リネットの指摘に、レンレンは背筋を強張らせた。あの、脳に直結された奇怪な装置は、これまでの情報を総合すると、人間に何らかの能力向上をもたらす装置と見て間違いない。それを考慮にいれると、陸軍兵士が容易く暗殺されてしまった事も説明がつくのだ。
レンレンは、改めてフェンリル構成員たちに命じた。
「その暗殺チームは、観光客を装っている可能性が高い。市民に被害が出ないとも限らない、注意してくれ」
「さっき話してた、船から降りた乗客のリストを洗ってみるか?」
一人の、神経質そうな声色の若衆が申し出た。レンレンは二、三考えたのち、付け加えて指示を出した。
「頼む。ついでに、そのデータを本部に送って、調べてもらってくれ。その中に収監中の犯罪者だとか、社会的にペナルティを背負った人間がいないか」
「わかった」
「それと申し訳ないが、エリコ・シュレーディンガーの行方も、継続して追ってほしい。あたしとリネットも、廃デパート周辺を警戒する」
「了解」「了解」
普段はエリコが乗っている、青い改造ホバーバイクの後部座席にレンレンが乗り込むと、キャノピーが閉じられてイオンエンジンの甲高い始動音が唸った。これが、南太平洋の孤島からずっとエリコが見てきた光景か、とレンレンは思った。
「よくトランクにロケットランチャーが収まったな」
「中の荷物は全部出したけどね。それで、どう動くのかしら、司令塔さん」
リネットの軍人らしく歯切れの良い声が、クリスタルモールドのキャノピー内に反響する。
「まずデパート裏側の、旧商店街跡地を見て回ろう。あそこは以前は半スラム化していたが、老朽化した建物の倒壊が進んでいて、今は浮浪者も住み着かない廃虚だ」
「身を隠すにはもってこい、ってわけね」
「ブロックの下敷きになるのが怖くなけりゃあな」
それなりに二人の息も合ってきたところで、キャノピーの外を流れる市街地を眺めながら、リネットはネットワークから流れる陸軍のオールド大将の発表を聞いていた。
「本日、我々陸軍に対する挑戦的なテロ行為が何者かによって行われた! 勇敢なる兵士三四名が、その凶刃の標的となってしまった。私は彼らに哀悼の意を示すものである!」
相変わらず、絵に描いたような軍人のオールド氏は、続けて驚くべき発表を行った。
「これはテロリストが、バリクパパン市内に潜伏しているという証拠である。よって我々陸軍は、超法規的権限をもって、民間の施設や住居に立ち入り捜査を行うこととする! 拒否した場合は反逆的行為と見なし、それ相応の処罰、逮捕勾留も辞さないことを理解していただきたい!」
その剣幕と通告の内容に、レンレンもリネットも、呆れて数秒間、言葉が出なかった。
「ゲシュタポの亡霊にでも取り憑かれたのかしら」
「軍隊が警察の権限を掌握したら、もう民主主義とやらも単なる冗談だ」
「それにしても、こんな騒ぎを起こして軍を焚きつけて、いったい何のメリットがあるの? 動きにくくなるだけじゃないかしら」
リネットの指摘に、レンレンもそのとおりだと頷いた。陸軍を刺激すれば、市内での活動はしにくくなる。だがそこで、レンレンは急速に悪寒が走るのを覚えた。
「……待てよ」
レンレンは、エリコがいたらと心でぼやきながら、現状を頭の中で整理し、展開してみた。
いま、市内は大規模な騒乱などは起きていないが、極度の緊張状態にある。市民の激発を抑えるために、フェンリル団員も総出で治安維持に当たっている。その状況で一箇所だけ、必然的に手薄になる場所がある。
「……大変だ」
レンレンは血の気が失せた顔で、ヘッドセットのボタンを押して叫んだ。
「レンレンだ! さっきの指示を撤回する! 総員、フェンリル本部に戻れ!」
無線を通じて、構成員たちに戦慄が走る。レンレンは、本部に無線を繋いでみたものの、通信が繋がらない。舌打ちするレンレンにリネットは、まさかと思いつつ、急いで確認した。
「フェンリル本部はどこ!?」
「旧オペラハウス跡地の正面だ! 急いでくれ!」
「そういう事なの?」
「そういう事だ。陸軍の件は、陽動にすぎない」
下唇を噛んで、レンレンはブラスターのセーフティーを解除した。
「敵の狙いは、フェンリル本部の占拠だったんだ」




