表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/18

第4話 勇者の沙汰も金次第。

「おおゆうしゃ、しんでしまうとはなさけない」


 本日、2回目の情けないいただきましたー。

 俺が何か言う前に、兵に掴まれて城外へポイ。まだ2回目なのに手慣れてません先輩たち。


 1日に2回も「しんでしまうとはなさけない」を言われるの、この世界で俺だけじゃね。

 いや、普通は死んだら死にっぱなしだから、そんなこと言われない。

 俺はHP1状態に蘇生してここに戻る。


 もうすぐ日暮れだし、城下町の外に出るのイヤだなー。モンスターは夜に活発になる。


「あ、そうだ。賭場で金作るべ金。布の服一枚で突っ込むから死ぬんだ。宿代もできるし、俺ってばあたまいい!」

『やめといたほうがいいと思うんす』


 いざ尋常に勝負!




 ーーーーボロ負けして所持金がゼロになったぜ!!



 勝てると思ったのに完敗だぜ。

 今夜の宿どころかメシも買えない。

 モンスターがうろつく草原で野宿かよー。



『だーからオラはやめとけってアドバイスしたのに。戦闘力だけでなく運もカスカスっすね』

「カス言うな」


 そもそも俺が自分で装備品用意するのおかしくね?

 人員を出せないにしても、人類の未来がかかってるなら最高級の防具をくれてもいいはずだ。



『オラはこの国で一番すごい武器』

「いや、普段着じゃ防御力0だから、神防御力の鎧渡せって話」


 ユーちゃん様、切れ味はいいんだけどね。防具が平凡な布切れだからスライムにすら負けるわ。


『“攻撃は最大の防御!!!!”って初代勇者が言ってたっす』

「初代勇者ノウキンすぎね?」

『よくわかったっすね。初代勇者はノーキンさんっす』


 誰だよノーキンさん。

 そして剣一本のまま何も解決してねえ。


 いやまてよ。防具を買わなくても、声が聞こえるなら、モンスターと交渉できそうだ。

 


 人間の国同士の戦争でもよくある話。

 そして和平交渉もよくある話。



 意気込んで草原に出た俺の前に、人型モンスターが現れた。


 鱗に覆われた筋骨隆々な肉体にコウモリ系の翼、トカゲのように尖った尾。


 竜人ってやつだ。

 人間で言えば60歳前後の見た目をしている。

 いかにも高貴そうなオーラを持つその人が、俺の前に舞い降りてきた。

 


「ハラクローイに勇者が現れたと聞いた。貴殿がそうだな。その剣、見覚えがあるぞ」 


 竜人は真っ直ぐに俺を見て一礼する。


「我は魔族連合軍の参謀、リューガ。竜人族の王命により参った」

「魔族の参謀様がなんの用でしょ」


 リューガは腰にさげていた布袋を俺に差し出して言った。


「魔族側についてくれ。……ただでとは言わぬ。これは竜人族からの気持ち(・・・)だ」


 袋の中には宝石が山盛り入っていた。売れば10年は遊んで暮らせそう。


「儂はまだるっこしい話が向かんでの。交渉には相応の対価を払うのが礼儀だと考えておる。どうじゃ、前向きにけん……」

「なるなる、なります! 俺、人類を捨てて魔族側につきまっす!」


 挙手して食い気味に答えた。


『エエエェエェ……。ルーくん1秒も迷わないの』

「俺、人情を大事にするタイプなんで。カス王よりリューガを信じる」


 俺をないがしろにする国の未来より、自分の明日のほうが大事に決まってるジャーン?

 勇者の沙汰も金次第ってね。


 勇者就任初日。

 勇者おれは魔王の配下になった。

ルーザー3「マネーいずパワァ!!」


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] これは魔族側について当然ですね(笑) 面白いです!
[良い点] 勇者、大金を前に寝返るの巻。 まぁ、剣一本で突然魔物ばかりの世界に放り出され、死んだら「情けない」の一言しか言わない王様の国より、大金という名の話が分かる魔物を選びたくもなるよねぇ~
2023/07/30 09:16 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ