表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/18

最終回 勇者、魔王になる。

 悪の人間の国が滅終わってからあっという間に時が流れて、100年。


 俺、ルーザーはあのあと王がいなくなったハラクローイの新たな支配者になった。

 国名はハラクローイのままだとなんだから、オモシローイに変えてあげた。


 魔族の皆様とは不可侵条約を結んでいるから、今後魔物が人間を襲うことはないし、オモシローイの皆さんも魔物を絶対に狩ってはいけないという法律を作ってある。



 だから魔族も普通にオモシローイの城下町で暮らしている。

 世界から見ても唯一の魔族と人間が共存する国となった。


 人間同士がたまに町中で小競り合いすることはあれど、絶対的平和である。

 というわけで俺はオモシローイの初代国王にして現国王である。



 俺は普通に王様のつもりだけど、なぜか国民からは魔王ルーザーと呼ばれているんだ。



『魔王を全員殺すまで本当の意味で死ねない』のがユーちゃん様の主になったときにかかった魔法だから、俺に魔王を倒す意思がない以上はずっと魔法にかかったときの姿……若造のまんまなのだ。



 そんな王様生活をしていた起きて早々に、ドラコが俺の部屋の扉をぶっ飛ばしながら押し入ってきた。



「ルーザー。起きろ。最高に美味いメシができたぞ!」

「だからドラコ、いい加減ノックを覚えてくれ」

「してもしなくてもどのみち部屋に入るからいいじゃないか」


 悲しいかな。

 見た目は人間換算15歳くらいに成長したのに 中身は小さい頃のドラコのまんま。


 俺のことをペット? 犬? と思うのはやめてくれたが謎クッキングは今も続いている。


 日に1回は死ぬからやめてくんないかな。

 食堂に向かう途中、チビドラゴンが2匹城の中を駆け抜けていく。


 この子達はアストモの子どもである。


「ルーザーだ。おはよ!」

「ルーザー! はよ!」

「おー。今日も元気だなお前ら」


 朝食のあとこっそり町に下りる。


 配下を持つ王様になったあとでも、俺は昔とそう変わらない服装で城下を歩いている。


「どうだユーちゃん様。今日はどこに行く?」

『そっすねー。北方の国に遊びに行ってみようっす。誰かの背に乗っけてもらうかワープで』

「いいねぇ」


 ユーちゃん様は1000年退屈な生活をしていた分、世界中見てみたいと言うから、俺もそれに付き合っている。

 手から離れない一心同体だし。


『わかってるじゃないっすかルーくん☆』


 ハラクローイを滅ぼしたあとに、普通のワープ魔法も覚えたから、魔法で北の国にひとっ飛び。


 世界は広いから、100年じゃまだまだ一部しか見れていない。

 1000年かければいけるか。

 あちこち行ってみるか。なぁ、ユーちゃん様。




END

これにて寝返った勇者の物語は完結。

ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 完結おめでとうございます! ラストのザマァがまさかで、めっちゃ笑いました! 平和なハッピーエンドで良かったです(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ