表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/18

第16話 勇者魔族連合軍VSハラクローイ兵士団

 薬草採取の人たちを追い返して数日。

 第二陣がやってきた。

 前回の奴らより冒険者ランクが高いメンバーだ。


「うーん。そんなすぐに兵士はこないか。みんなまたオナシャッス」

「おっけー☆ 前より手応えあるといいなあ」

「ふーむ。今回は少しは戦えるかな」


 トレントさんにアストモ、前回ぜんぜん遊べなくて退屈だったって言ってたもんね。

 弓兵をちゃんと連れてきているあたり、金に目がくらんでメンバーを減らしちゃだめって勉強したのかな。


 厳選冒険者たちも、魔物の皆さんとレベル差がありすぎて5分持たなかったよ。


 そして第三陣。

 ついに兵士団のみんながやってきた。

 リューガさん大歓喜!


「あの白マントつけてる人が兵士長ですよ、リューガさん」

「そうか。では皆の衆。打って出ようか」


 竜人族の戦士部隊の皆さん大集合。

 まずこんなド田舎に現れるはずもないドラゴンの群れに、兵士のみなさんは逃げ出した。


「まじかよドラゴンがこんなに!? 死にたくない。こんな仕事やってられるか!!」

「ま、待てお前ら!!」


 兵士のみんなのレベルや弱点も調査済みだから、竜人族に死角なし。

 一人だけは残って戦おうと頑張っている。


 その唯一が兵士長。


「我が子たちを奪った報いを受けよ!」


 魔族の言葉がわからない兵士長には、ただの咆哮にしか聞こえない。


「くそ、報告と違う。なぜこんなにドラゴンがいるんだ」


 一体だけならまだなんとかなったかもしれないが、数えることを諦めるほどの大群だ。

 必死に剣を振るっているけれど、リューガさんのウロコにはかすり傷ひとつつかない。

 兵士長は右腕を食いちぎられて、利き手ではない左でなんとか剣を持っていた。


「ルーザーはなにをしているんだ。ルーザーがさっさと魔王を仕留めていればこんなことには」


「あれま、なんで俺のせいになってんのさ兵士長」


 物陰から様子をうかがっていたけれど、名前が出てきたから顔を出した。


「ルーザー! おまえ、なんでこいつらを斬らない。勇者の剣ならこいつらを斬ることくらいたやすいだろう! なぜおれひとりが戦わなければならない」


「なに矛盾したこと言ってるんすか。俺は今のあんたみたいに全身ズタボロになっても、何度死んでも、一人だけで戦えって言われている。だから一人でがんばってくださいね」


 挨拶だけして、その場を離れる。


「な、なんだとルーザー! おまえ、勇者だろう! 勇者の仕事は魔族と戦うこと……」


 俺を追おうとしても、今の兵士長にドラゴンの群れを突っ切る力はない。


 竜人族の皆さんの大活躍で、ハラクローイ兵士団は1日にして壊滅した。

 リューガさんも、食いちぎった腕を息子さん夫婦の墓前に供えるんだって。



ルーザー「さらばハラクローイ兵士団!」

ユーちゃん様『一応古巣っすよね。ルーくん勇者より魔王のほうが似合うっす』


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] やはりすぐに王都を守る兵士たちは出してこないんだなぁ ようやくやってきた兵士たちもそうそう見ないドラゴン(竜族)達にビビる! 兵士長、勇者(ルーくん)はいつも一人で戦って、死んではまた行か…
2023/09/24 12:24 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ