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箱庭の王様  作者: 山司
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第18章 命 3

第18章

命 3





▪️▪️▪️▪️





7月29日、なんだか久しぶりの全員揃っての円卓会議だ。

モルツェン達が戻って来た今日の会議に合わせて、デラトリ王国に行っていた諜報局の幹部も戻って来て貰った。



「…………と云う形で、古代遺跡都市の3ヶ所の探索は終了しました。

参謀部との協議の結果、発見出来た2ヶ所の魔導具工場は回収計画を組む予定です。


対振動機構に関しては、アエルエンタープライズで製造可能と云う事なので、破壊して引き抜く、時間短縮型の回収を予定しています」


「分かった、ありがとうワルトルットゥ、その予定で進めて。

因みに、報告内容以外で、気になった事はある?」


そう言って、ワルトルットゥ師団の面々に目を向ける。

すると、元狼弾会メンバーのゲーイエルが手を上げる。



「特に問題があった訳では無いのですが、どの古代遺跡都市でも、以前アルコーラル商国を調査していた頃よりも、明らかにハンターの人数が少ないと思われます。


もしかしたら、イジャラン・バダ帝国の奴隷としてハンターを集めていると云う噂が真実で、イジャラン・バダ帝国が本格的な戦争準備を行っているのかもしれません」


「…………イジャラン・バダ帝国とガンヒンリン帝国の戦争か…………

ガンヒンリン帝国は、本気で世界征服なんて、御伽噺以前のレベルの事を考えているのかなぁ〜……」



僕の言葉に、イカルツウィンとデンツウィンがほんの僅かに反応する。

多分、気付いたのは僕だけだろう、相変わらず大した技術だ。



「しかし、ガンヒンリン帝国の考えは別として、戦争となれば世間は荒れるでしょうね。

まあ、ルベスタリア王国としては、難民の受け入れで国力の増強が見込めますけど」


…………ハンジーズが7歳とは思えないワルい顔をしている…………

その横の、同じく参謀部のトリーカも、美少女になった外見でしてはいけない様なワルい顔だ…………



「しかし、もし戦争が起きてしまったとして、難民を受け入れるなら、今迄の様な身辺調査が行えないですね、大丈夫でしょうか?」



現在進行形で、新たな国民の人選を行っている諜報局のネクジェーから、疑問の声が上がる。

諜報局は、現在アルコーラル商国とデラトリ王国で、情報収集と共に移民を探して、連れ帰っている。


殆どは孤児だが、生活に喘ぐ貧困層の人間で、性格に問題が無ければ大人も居る。

ただ、大人に関しては、性格を判断する為に、大抵は暫く様子を見て普段の行動を監視してから決定している。


だが、難民となれば、その場で助けるかどうかの判断をする必要がある。

残念ながら、ルベスタリア王国は、誰でも彼でも受け入れる程、国王の心が広く無いのだ。



「其処については、戦争の状況次第で幾つかのパターンを考えていますが、概ね、アルコーラル商国で人選をしてからルベスタリア王国へと連れて来るつもりです。


大まかな方法としては、ハンターを装って、難民の移動を助け、アルコーラル商国へと導きます。

その後、炊き出しなどで、最低限の援助をしつつ、人間性を見て、問題無ければ連れ帰る形です。


まあ、此れはイジャラン・バダ帝国側が敗戦する事を前提ですが」


「…………ハンジーズは、イジャラン・バダ帝国が負けると考えてるの?」


「はい、ノッド様。

あくまで、諜報局が得た噂を統合しただけの憶測でしかありませんが、イジャラン・バダ帝国の将軍がよっぽど優秀な人物か、何か大きな影響を与える秘密兵器が無ければ、恐らくイジャラン・バダ帝国が敗戦すると思われます」


「……ガンヒンリン帝国に“東の勇者団”が居るから?」



ガンヒンリン帝国 皇帝直属騎士団 第1師団、通称“東の勇者団”。

ワルトルットゥが伝説の聖剣“レイブラント”を使える様になって、西の勇者と言われる様になって間も無く現れたと言われる、東の帝国ガンヒンリン帝国の伝説の聖剣を使える様になった男が師団長を務める、ガンヒンリン帝国最強の軍団だ。


10万人を超える皇帝直属騎士団の中にあって、僅か2,000人程にも関わらず、一師団を名乗るくらいの強さで、全員が魔導具で完全武装した集団らしい。


特に東の勇者は、文字通り一騎当千で、たった1人で千人を本当に斬り伏せたと言われている。



「……そうですね、確かに“東の勇者団”は強力な軍隊の様ですが、イジャラン・バダ帝国とガンヒンリン帝国とでは、そもそもの軍事力と士気が違います。


両国家は、人口と支配地域はほぼ同等ですが、現在のガンヒンリン帝国は人口の1割弱が軍隊と云う完全なる軍事国家です。


そして、ガンヒンリン帝国の軍事力では、次々と戦争と略奪を繰り返さなければ国家の運営が困難ですから、奪い続ける以外の生き方を知りません。


今迄は、両国家の間に在る国家を奪い合っていた様ですが、恐らくその争いに決着が見えて来たのでしょう。


そして、お互いに全戦力での衝突となれば、ガンヒンリン帝国の戦力は恐らくイジャラン•バダ帝国の倍近いモノとなる筈です」


「その、圧倒的な数の暴力でガンヒンリン帝国が勝利するだろうって事か…………


イカルツウィン、デンツウィン。

2人が敵将の首を取っても、戦争に負けたって言ってたけど、そんなに野蛮人の集まりな国なの?」


「そうですな、確かに戦争を繰り返すと云う意味では野蛮人かもしれませんが」

「ヤツらは、貪欲なのです。

上官が死んだ後で、自分が敵を滅ぼせば出世出来ると考えていた様でした」


「…………其れって、皆殺しにしないと勝てないって事?」


「仰る通り」

「ヤツらは絶対に引きません」



僕は腕を組んで、考えを纏める…………


現在、諜報局の集めた噂ではガンヒンリン帝国の兵力は70万くらいだ。

僕としては、雑兵の数は余り気にしていなかったが、国と国との戦争で、正面衝突するなら、もちろん、雑兵の削り合いから始まるだろう。


そうなれば、ガンヒンリン帝国の70万の兵がイジャラン・バダ帝国の30万の兵をすり潰して行くだろう。


一般的に兵力の3割を失ったら、敗戦確実で降伏すると言われているが、最初から倍の戦力と戦うつもりならば、もう少し粘って、5割くらい消耗する迄は戦うかもしれない。


其れでも、15万の兵力で10万削ったとして、15万の兵力が新たにガンヒンリン帝国の軍事力に加わり、ガンヒンリン帝国の兵力は75万。


ガンヒンリン帝国がそのまま西に攻め入って、アルコーラル商国とアルアックス王国を攻撃するなら、恐らく両国は戦闘をせずに降伏するだろう。


何故なら、両国共に兵力は2、3万しか居ないから、戦争にすらならない。

そうなると、ルベスタリア王国の南に80万の兵力を持つ国家が横たわる事になる…………


更に不味いのは、アルアックス王国が占拠された場合、アルランスの街の人口魔導具工場がガンヒンリン帝国のモノとなり、更に軍事力を高めてしまう可能性が高い…………



「…………はぁ〜〜…………

迷惑な国だなぁ〜〜…………」


「そうですね、このままでは近い将来、100万の軍にルベスタリア王国が包囲され兼ねません。

滅ぼす事は簡単ですが…………」


「其れは僕の理念に沿わないよねぇ〜……」


「ですね。1番良いのは、戦争で引き分けてくれて、その後、内乱が起こって双方共倒れで、両帝国が解体してくれるのが望ましいですよね」


「そうだね、ルベスタリア王国が干渉する事無くね」


「……………………」



恐らく、僕の「そうなったら良い」と云う言質を取ろうとしたハンジーズが無言で視線を逸らす。

こう云う子供らしい仕草は可愛らしいのだが、間違い無く、計算されたあざと可愛いを狙っている…………



「……ハンジーズ、一応、アイディアは聞いておこうか」


「はい、ノッド様を崇める宗教を起こし、両国家に広めながら、施しをして行く作戦です。

そして、間違い無く、その宗教を受け入れられない現在の政権を宗教戦争による内乱で混乱させ、両国家の戦争を終わらせて、そのまま、内乱による国家の崩壊へと導いて行く感じです」



「なるほど!!」、「其れは良いアイディアなのでは?」と、ハンジーズの意見に肯定する者が僅かに居る…………

多分、さっき僕の言質をとって、この流れを強調したかったのだろう…………



「はぁ〜〜……

良く無いでしょ、其れって普通に戦争するよりも大量に人が死んじゃうじゃん。


確かに勝手に戦争して、勝手に死んじゃうんだけど、僕を崇めて死ぬんなら、其れは僕の責任でしょ?


其れなら、僕がガンヒンリン帝国の兵力70万も、イジャラン・バダ帝国の兵力30万も、1人で皆殺しにした方が、よっぽど死者が少ないよ」



「た、確かに……」

「申し訳御座いません……」


「お巫山戯が過ぎたね、ハンジーズ参謀長。

お許しください、ノッディード陛下。ハンジーズ参謀長は実戦に自分だけが出られていないと、少し焦っているのです」



そう言ったトリーカをハンジーズがガバッと見た。

多分、平気そうに振る舞っていたのが見抜かれていた事に驚いたのだろう。


まあ、トリーカは現在見た目10代半ばくらいの美少女になってしまっているが、ハンジーズの年齢なら祖母でもおかしく無い年齢だ。


きっと、ハンジーズが色々悩んだりしているのも見守って、普段からフォローしてくれているのだろう。



「そっか、この間のトンネル掘りで、リティラ師団の幹部達も実戦を経験したから、軍部でハンジーズだけが実戦未経験の幹部になっちゃってたんだね。


ごめん、ごめん、気付かなかった。


ハンジーズは4歳で既に魔獣と戦ってるところに着いて来てたから、ハンジーズ自身が戦って無い事を忘れてた。


じゃあ、今度の休みにでも、一緒にルベスタリア森林に狩りにでも行こうか」


「は、はい!!!!」


「其れで、トリーカ。

参謀部としては、戦争に対してどんなプランのアイディアがあるの?」


「申し訳ありません、現状有効な手段は有りません。

両国家の軍内部での反乱を起こせるならば、其れが1番良いのではないかとは考えているのですが、いかんせん、情報不足です。


開戦は、どれほど早くても来春以降でしょうから、今からでも両国での情報収集をお願い出来ればと……」


「…………仕方がないか…………

出来れば関わりたく無いけど、そうも言っていられないね…………


分かった。

情報収集については許可するよ、ただ、手を出すかどうかは状況次第だ。

其れと、危険度が高過ぎたら、無理せず引く様にして。


他に、何か気になる事は有る?


…………じゃあ、次はネクジェー、デラトリ王国の現状を報告してくれる?」



「はい、では先ず国家情勢についてですが、今朝最新の情報が入りました。


国王が崩御したそうです」


「!!もしかして…………」


「はい、以前、ノッド様が懸念されていた次期国王について、明言されないまま亡くなったそうです…………」


「…………王位継承争いが起きるのか…………」





デラトリ王国、此処は僕の生まれた国だ。


王家は比較的、各貴族家に対して競わせる風潮が有り、ちょくちょくと陞爵や降爵が起こる。

なので、貴族間の派閥争いが非常に活発だ。


そんな中、現在の国王は、次期国王たる王太子を名言しないまま、ズルズルと放置して来た。


理由は、3人の王子の後ろ盾の問題だ。



普通なら、第1王子がそのまま王太子となれば良いのだが、第1王子は、第2妃の息子で、第2妃は伯爵家の娘だ。

第2妃は、3人の王妃の中で1番爵位の低い家の生まれなのだ。


しかし、この第1王子には、爵位の低い生まれの官僚や、平民から叙爵された官僚が着いている。

彼らは、王妃の実家の爵位の高さで、王位を決める事を良しとしないからだ。



次に第2王子だが、彼は第3妃の息子で、第3妃は、最大派閥の公爵家の娘だ。

最大派閥の公爵家の娘が何故第3妃かと云うと、第3妃は、2度目の結婚だからだ。


本来なら、王家の血筋の混乱を防ぐ為、王家へと妃として嫁ぐ者は処女に限られるが、公爵家が強引にねじ込んだのと、国王にとって第3妃は、子供の頃の憧れのお姉さんだったかららしい…………


もちろん、第2王子の支持層は、最大派閥の公爵家だ。



最後の第3王子は、正妃の息子だ。

正妃は侯爵家の娘なのだが、所謂、幼少期からの許嫁だった。

王妃になる為に、育てられ、あらゆる作法や芸術を叩き込まれた女性だったのだが…………


超奥手だった…………


国王と手を繋いだだけで、わざわざ小さな僕に自慢するくらいの奥手だった…………

その所為で、最初に結婚しながらも、子供が出来たのが最後だった…………


…………正妃は父上の妹、僕の叔母で、第3王子は僕の従兄弟だ。

そして、第3王子の後ろ盾は父上の派閥だ…………



因みに、最も優勢なのは恐らく、父上の派閥の第3王子だろう。

息子の僕が言うのもなんだが、父上は優秀だ。


今回の国王の崩御は、病いによる急逝だったそうだが、恐らく父上はいつ国王が亡くなっても良い様に準備をしていた筈だ。

王太子を指名すれば、其処に付ける様にしつつ、もしも、指名しないままであれば、第3王子を国王にする為の準備を…………



しかし、何処が優勢だろうが争いは起きるだろう…………


ついさっき、戦争の話しが終わったのに…………



「…………ネクジェー、デラトリ王国からは撤収しよう。

間違い無く内乱が起こる。


せっかく手に入れた海産物の輸入ルートは勿体無いけど仕方がない、出来るだけ購入して帰って来て貰って。


其れと、隣のオオマー王国への調査も一時中断だ。

デラトリ王国の内乱で、オオマー王国がどう動くか分からないから」


「はい、では直ぐに連絡します。

少々お待ち下さい」



そう言って、ネクジェーがデラトリ王国に居る諜報局員と、“エヴィエイションクルーザー”へと連絡を入れる。

暫く、やり取りがあったが、今夜の内に撤収出来そうだ。



「…………お待たせ致しました。

一応、デラトリ王国での“エタヒシーガム教会”についてもご報告致しましょうか?」


「うん、お願い」


「はい、教会については、以前報告した通り、ノッド様のご記憶の頃よりも勢力を拡大している様です。

やはり、聖女の誕生が大きく影響を与えていると思われます」


「!!あ、あのネクジェー、やっぱり聖女も、その、丸出しなんですか?」


「…………キルシュシュさん…………

とっても言い難いんだけど、聖女もお尻を丸出しだったの…………


其れと、もっと言い難いんだけど、聖女のお尻の星形の刺青に触ると幸運が訪れるって言われてて、信者に撫でくり回されてたの、結構な寄付金を貰って…………」


「そ、そんな…………

聖女っていったい…………」


「……完全に聖女じゃ無くて痴女ね…………」


「ああ、其れに信者も信仰よりも下心で集まっている者の方が多そうだ」




“エタヒシーガム教会”の信者は男は右、女は左の尻に星形の刺青を入れている。

そして、例えどんな服装であっても必ず尻の部分に穴を空けて尻を丸出しにしているのだ。


其れは、聖女であっても例外では無いと云うネクジェーからの報告だった訳だが、其れを聞いたキルシュシュは、多分、聖女に対してのイメージから、崩れ落ちたのだろう。


しかし、ルベスタリア王国の三聖女の残りの2人、ティヤーロとレアストマーセは、“エタヒシーガム教会”に対して見下した様な雰囲気はあっても、聖女のイメージダウンは気にしてない様だ。



「あの、ティヤーロとレアストマーセさんは、聖女がそんな事になっていても何とも無いんですか?」


「もちろん、気にしないけど?

だって、その丸出し聖女は“エタヒシーガム教会”の聖女で、私達はルベスタリア法聖庁の聖女でしょ?」


「ああ、全く別の存在なんだから、関係無いだろう」


「そ、そう云うモノでしょうか…………」


「そう云うモノよ。

だって、そんな事気にしてたら、変な人を見る度に、『同じ人間なのに……』って落ち込まないといけないじゃない」


「た、確かにそうですね!!」


「ああ、だから“エタヒシーガム教会”の聖女は、“エタヒシーガム教会”の聖女。

私達は私達だ」


「そうですね、ごめんなさい、変な事を言って」



どうやら、キルシュシュも吹っ切れた様だ。

まあ、今の話しは、最初期から居るS級代理官のみんなには、色んな場面で僕が言って来た事なので、ティヤーロとレアストマーセが心からそう思える様になってくれて嬉しい限りだ。



「では、教会についての報告の続きですが、先程話題に出た聖女なのですが、どうやら、回復系の固有魔法を持っている様で、この能力を“エタヒシーガム教会”では、“ギフト”と呼んで、魔法とは違う新たな人類の力だと言っています。

そして、その“ギフト”を持つ者を探して集めている様です」


「なるほどね。

魔獣や魔物が使う魔法は悪い力で、人間が使う“ギフト”は神の与えてくれた良い力って事か。

まあ、アイツららしい適当な思い付き理論だなぁ〜……


其れにしても、僕の考えていた想定の真逆の理由で、賢者 ラノイツロバーの情報を知られる訳にはいかなくなったなんて、相変わらず僕とは本当に相入れない連中だよ」



どうも僕は昔から、“エタヒシーガム教会”の連中とは反りが合わない。


余りにも熱心に勧誘して来るから、教義を調べても適当だったし、尻を出している理由もめちゃくちゃだし、おまけに可愛い女の子を使って強引に勧誘しておきながら当時僕が貞操帯を着けていて尻が出せないからと断って来たのだ!!


最早、教会は僕にとって敵対組織と言っても過言では無い!!



「……正直言って、あの組織が力を増強させるのは気に入らないけど、当面はデラトリ王国方面とは関わらない方向だから、内乱が終わったら、もう一度調べて欲しい。


他に諜報局から何かある?」


「其れでは、あくまでも僅かな噂だったのですが、デラトリ王国の南方の海に海竜が現れたと…………」


「ああ、其れはきっとウロヴォロスだね。

海の端から端まである、とんでもなく長い竜の噂で、その噂をしてた人達も特に怯えたりしてなかったでしょ?」


「あ、はい、仰る通りです」


「じゃあ、其れは気にしなくて良いよ。

ウロヴォロスの噂はデラトリ王国とオオマー王国では昔から時々あって、見に行こうとしてウロヴォロスの下に向かった人は帰って来ないか、諦めるかのどっちかなんだけど、昔から陸に近付いて来たり、向こうから危害を加えて来たって事は無いみたいなんだ。


ずっと、世界を周り続けてて、何年かに一度、やって来てるんじゃないかって言われてるよ」


「な、なるほど…………」


「まあ、人間がどうこう出来る様な魔獣じゃあ無いよ。

何十キロ有るのか分からないレベルの大きさだし。


諜報局からは以上かな?


…………じゃあ、モルツェン師団の報告を聞こうか」


「はい、其れでは…………」





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