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箱庭の王様  作者: 山司
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第15章 組織編成 4

第15章

組織編成 4





▪️▪️▪️▪️





ルベスタリア暦5年1月


新年を迎えてから、僕達は、イベントの連続だった。


先ずは1月1日から3日に掛けて、ルベスタリア王国初の新年の祭りを開催した。


とは云え、人口7,000人に満たないルベスタリア王国だ。

そこ迄、大規模な事は出来ない。


なので、現在、全ての人が王城内に住んでいる事を利用して、全体の照明を薄暗くし、代わりにあちこちに、色鮮やかな照明の魔導具を設置して、美しく幻想的な街並みになる様に、1階の商業階と6階の国民管理階を彩って、少しだけ、屋台を出して、ちょっと珍しい料理を提供したり、アルアックス王国で買って余っていた服なんかを格安で売ったりした。




1月7日には、リティラの誕生日パーティーを行った。

リティラは今年15歳になった。


本来なら、アルアックス王国での成人の年齢だ。

5歳だったハンジーズの成人よりも後に祝うのは変な感じだが、其れでも祝ってあげたい。


そんな訳で、誕生日&成人祝いパーティーとして盛大にお祝いした。



その後は、1月18日にC級代理官試験。

1月25日にB級代理官試験を行った。


今回からは、学校の卒業試験直後では無くなったので、受験者数も少なくなって、S級代理官も増えてA級代理官もいるので非常に楽になった。


今回の合格者数は、C級代理官が117人、B級代理官が94人で、C級代理官が合計503人、B級代理官が合計674人になった。





月が変わって、2月6日。

この日は、合同結婚式となった。


そもそもの原因は、僕だ。


僕には現在、国王親衛局の4人の内の誰かが常に一緒にいる。

と、云う事は、娼館に行く時も誰かが一緒に居る訳だ。


とは云え、僕は良い国王なので、自分が娼館で楽しんでいる間、控室で、ず〜〜〜〜〜っと待たせるなんて事はしない。


ちゃんと、僕の奢りで、一緒に楽しい時間を過ごして貰っている。

と、なると必然的に同行者は、男性である、ネイザーかヴィアルトだ。



僕の愛する女性達は寛大なので、前以て言っておけば、僕が朝帰りをしても全く問題無い。

そして、僕が朝帰りをするなら、当然、ネイザーかヴィアルトも朝帰りな訳だ。


そんな事が何度もあれば、当然、朝帰りのネイザーに出くわす者も居る。


そして、出くわしたのが、ティエットとイーブレットだ。

ミスターパーフェクトなネイザーは、2人が僕に対して悪感情を抱かない様に、まるで僕のおかげで娼館に行く事が出来たかの様に2人に伝えた。


其れを聞いた2人は、ネイザーが完全に娼館の女性に嵌ってしまう前にと、行動に出た。

すなわち、ネイザーに求婚をしたのだ。


2人がネイザーに対して気が有る事自体は、パーフェクトなネイザーも気付いていた。

しかし、2人同時に交際をすっ飛ばして求婚して来たのは予想外だったらしい。


悩んだネイザーは、ネッグエンとアリシータに相談した。

ネッグエンとアリシータが既に交際をしていて、そろそろ結婚を考えていると聞いていたからだ。


ネイザーの相談としては、即結婚でも本当に問題が無いか?2人同時に結婚というのも本当に問題が無いか?結婚した後も、僕に付き合って娼館に行くのは問題無いか?と、云う内容だった。


即結婚に関しては、ネッグエンもアリシータも直ぐに問題無いだろうと答えた。

もう、ずっと一緒に生活しているのだ。

交際期間が無くても良いだろうと言った。


娼館に行く事に関しては、ネッグエンは迷っていたが、アリシータが問題無いだろうと言った。

そもそも、独占欲が強い娘なら、2人で求婚などして来ない。

2人が焦ったのは、娼館の女性にネイザーが嵌って、結婚に対しての意欲が無くなる事だろうと言った。


此処までは、すんなり答えが出たのだが、2人同時に結婚する事に関しては、ネッグエンもアリシータも悩んだ。

2人の気持ち的には同時でも問題無さそうだが、周囲の目が、2人同時に結婚と云うのをどう捉えるかが問題だろうと云う事になって、3人で頭を悩ませた。


其処にやって来たのが、元勇者パーティー 光の射手 サンティデルテだ。


サンティデルテは、歳上らしく、3人の悩みを聞いた。

そして、4人で悩み出した…………


そして、更にやって来たのがオンレミッドだ。

オンレミッドは、ネイザーの悩みを聞くと笑顔でこう答えた。


「だったら、みんなで結婚式をしちゃおうよ。

ネイザーとティエットとイーブレット。

ネッグエンとアリシータ。

で、サンティデルテさんと私で!!」


その言葉に、ネイザーとネッグエンとアリシータは大声で驚き、サンティデルテは、顔に手をやって、天を仰いだと云う…………


サンティデルテは、この前日にオンレミッドに告白されて、「YES」と答えたばかりだったらしい…………



こうして、僕の愛のキューピッド効果によって、3組7人の合同結婚式が行われる事になったのだ…………




合同結婚式はとても盛大に行われた。


合計7人の新郎新婦は、全員がルタベリスア王国を代表するA級代理官だ。

王国中が祝福の嵐だった。


結婚式を取り仕切ったのは、我らが聖女ティヤーロだ。

本当は、サンティデルテの結婚式なので、キルシュシュに任せたいところだったが、彼女はつわりがまだ続いていて、結婚式も不参加だ。


以前、キルシュシュの予知夢で、自分が居ないから、『サンティデルテは、勇者パーティーを抜けてから結婚するのだろう』と言っていたが、勇者パーティーを抜けた後も一緒に居ながら、つわりで結婚式を欠席したから予知夢で見る事が出来たとは驚きだ。


逆に言えば、他の4人の結婚式には参加が可能なのだろう。



そして、この日、ネイザー ルタベリスア、ティエット ルタベリスア、イーブレット ルタベリスア夫妻と、ネッグエン ファミリア、アリシータ ファミリア夫妻、サンティデルテ アローレイ、オンレミッド アローレイ夫妻が誕生した。



お気付きだろうか?

ネイザーの家名に。


ネイザーの家名は、ルタベリスアだ。

この家名は、ネイザーの策略によって生まれた。


ルベスタリア王国では昨年の建国祭から全ての国民が家名を持った。

その時の法律で、ルベスタリアの文字の並びを禁止したのだが、ネイザーはこの、“並びの禁止”を逆手に取って、あべこべ順にしたのだ。


其れも、他の人が真似をしない様に、決定期限のギリギリに提出する徹底振りでだ。

おそらく、早い段階でこの、ルタベリスアが公になると、真似をする者が現れて、僕が法改正をするかもしれないと思ったのだろう。


ちょっとズルい気もしたが、ネイザーの作戦勝ちにしておいた。





2月10日には、とうとう、“スピリットコミュニケーションデバイス”の支給を開始した。


先ずは100セット分の支給だ。

S級代理官、A級代理官全員と、残りは各国営施設への設置分となった。


其れと同時に、通信室も稼働だ。

通信室もルベスタリア王国軍の管理なので、王国軍の人員が回されている。


今日迄に既に、“スピリットコミュニケーションデバイス”に対しての法整備と、通信室の運用マニュアルは、通知済みなので、実際にやってみるところからだ。


暫くは、大した事の無い内容でも、通信室の練習の為に、積極的に使う様にさせたのだが、S級代理官のみんなからのラブコールが、視察に支障が出るくらい続いたので、必要な時に使う様に直ぐ戻した。





2月14日には、ペアクーレの誕生日パーティーをして、16日には“肌が10歳若返る魔導具”、“スキンレジェブネイション”が早くも稼働を開始した。


予定よりも非常に早いスタートとなったのは、建国際でのトリーカのインパクトが強すぎて、妙齢の代理官達が、休日返上でアエルゲインとサウシーズに手伝いを申し出て来たからだ。


そのおかげで、アエルゲインやサウシーズに無理をさせる事無く、予定していた10台の“スキンレジェブネイション”を準備して、運用方法と手続き方法を決定する事が出来た。



“スキンレジェブネイション”は万が一の事態に備えて、ルベスタリア国立総合病院横に新たに出来た、ルベスタリア国立美容クリニックに設置され、スタッフはルベスタリア国立総合病院から派遣される。


利用は完全予約制で、先ずルベスタリア国営庁で、利用申請をする。

ルベスタリア王国民は、僕を含めて全員が名前、生年月日、家族関係、住所、職業の登録と共に、顔写真と全身写真を登録されていて、全て情報が保管されている。


結婚や出産などで家族関係が変わったり、引っ越しや転職をした場合にも登録内容の変更は必要で、顔写真と全身写真も登録内容の変更時と何も変更が無い場合には、5年に1回の再登録が義務付けられている。


なので、見た目が大きく変わるこの“スキンレジェブネイション”の利用時には、事前に、顔写真と全身写真の提出と、利用後の提出、利用後1年経ってからの提出の計3回の写真提出を行う。


そして、利用後の結果に対して、絶対に不平不満を言ってはならないと云う法律も追加された。



其れでも、申し込み者は後を絶たない。

ルベスタリア王国の人口に対して、こんなに行列が出来る事が信じられないくらいにだ。


30歳以上の女性はほぼ全員で、20代半ばくらいの女性も結構居た様だ。


20代半ばで10歳若返ると10代半ばから前半になってしまう。

其れでも、申し込んだ女性は、胸が小さくなってしまう弊害など、モノともしない、スレンダーな女性達が殆どだった様だ。

彼女達は、まだ代謝の高い今の段階でアンチエイジングを行い、此れから一生、10代の肌を維持し続ける事を狙っているらしい。




そして、2月22日には、今年度の南方遠征会議を行った。


今年の訪問先は、元々アルコーラル商国の予定だ。

アルコーラル商国は、商国の名の通り商人の国だ。


ルベスタリア王国からは、南のワイドラック山脈を越えた南東に位置し、ずっと通っていたアルアックス王国よりも東に在る。


首都アルコーラルは、王都アルアックスの南東のオアシスに在り、そこから更に東に2つの大きな街を持っているらしい。


その3都市に囲まれる形で3つの古代遺跡都市が在るらしく、アルアックス王国に在った魔都 ウニウンの様に未だ未攻略だそうだ。




今年度のアルコーラル商国への訪問の目的は大きく3つ。


1つは、3ヶ所の古代遺跡都市の調査。

もう1つは、アルコーラル商国への拠点作り。

最後の1つは、6月1日に開催される、アルコーラル商国立国祭とその裏で行われる、近隣諸国最大の闇オークションへの参加だ。



1つ目の古代遺跡都市の調査は、基本的にはルベスタリア王国軍が戦闘演習を兼ねて行って、下調べを進め、僕が行った方が良い場合だったり、回収出来そうな製造ラインが残っていれば作戦を組む形だ。


2つ目の拠点作りは、ルベスタリア王国軍 諜報局が予め調査を行ってから、僕が確認したら購入。

その後は、そのまま、諜報局で防衛力強化を行う。


3つ目に関しては、僕が自分で行く必要がある。

先ずは立国祭を堪能…………、もとい、視察して、今後のルベスタリア王国のお祭りの参考にする。

そして、闇オークションに関しては、希少品との出会いは、僕の強運に掛かっているので、僕が行く事に意味がある。


一応、前以て、カジノでガッツリと稼いでおいて、何でも買える様に準備する予定だ。




一通りの内容は特に変更無しで話しが進んだのだが、参謀部のハンジーズ参謀長から、1つ提案が上がった。


其れは、南方遠征の際に、ついでに東と南東の山脈の麓と山頂に、南にあるサウス小屋やワイドラック小屋の様な拠点を作りたいと云うモノだった。


この拠点作りに関しては、以前から話しが有り、採用する予定だった。

採用が決定していなかったのは、時期をいつにするかが決まっていなかったからだ。


ハンジーズは此れを、南方遠征の移動のついでに行う提案をして来た訳だ。



現在、南方への移動は、朝から荷物を準備して、夕方、もしくは深夜に移動を開始、現地に日が沈んだ直後か、日の出頃に到着する形で行っている。


ハンジーズは此れを、荷物の準備を前日に済ませておいて、朝から移動を開始して建設予定地に向かい、夕方まで建設を行ってから、深夜まで“エヴィエイションクルーザー”で睡眠を取りながら、現地に移動すると云う案を出して来た。



今回の南方遠征は、行ったら行きっぱなしでは無く、僕を含めて、全員がちょくちょく行ったり来たりする予定だ。

なので、少しずつ建設を進めても、わざわざ建設の為の遠征を組まなくてもついでに作れてしまうだろう。


ナイスアイディアだ!!


即採用して、その流れでの人員のローテーションを組む事になった。





因みに、拠点作りは、東西南北と、南東南西北東北西の計8ヶ所に行う予定だが、北と北東、北西の3ヶ所の建設には僕が同行する事にしている。


南東南西に関しては、ワイドラック山脈の反対側にはトレジャノスピング大森林が有り、容易に人間が来れる様な場所では無いし、東西に関しては、ワイドラック山頂そのものが続いている。


しかし、北側は注意が必要だ。

先ず、北東には強力な魔獣の生息するルベスタリア森林が麓に有り、更に山脈を越えた先には、賢者 ウィーセマーの残した地図によると、ドラゴンの国、ドラゴンランドが有るらしい。


ナエラークからも恐らく其処にはナエラークの住んでいたドラゴンランドが在るだろうとの事だった。



そして、北西には未だ調査を碌にしていないルベスタリア湖が有る。

此方もウィーセマーの地図とナエラークの記憶からだが、北西の先には、余り高くない山岳地帯が続き、人間も住んでいる可能性が高い。


更に、伝説に残る3体の魔獣の縄張り争いエリアなのだそうだ。



以上の理由から、北側に関しては僕の同行の元で建設を行う予定なのだ。



会議はその後もつつがなく進み、南方遠征の計画は、詳細に決められて行った。





3月に入って、その1日目。


この日、とうとうハンジーズが7歳になった。

3歳でルベスタリア王国にやって来たハンジーズは、その人生の半分以上をルベスタリア王国で過ごして来たと云う事だ。

ハンジーズの誕生日パーティーは感無量だった。





王都ルベスタリア周辺の雪が溶けて、3月3日からの1週間は、王都ルベスタリア全域の“不可侵領域結界柱”と“半球開閉式不可侵領域結界柱”の入れ替えを行った。


今回の“半球開閉式不可侵領域結界柱”は、完全に半球の位置で途切れる為、ただ入れ替えるだけだと、隙間が出来てしまう可能性がある。


もちろん、事前に計算して高さ調整をしてから設置したのだが、念の為に、全ての場所で隙間が無いかのチェックと開閉のテストも行ったので、1週間と云う時間を要した。



最終的には、ちゃんと計算通りの結果となっていて、開閉に関しても全て機能したので、修正するところは無かったが、確認は大切だ。




3月10日、“スピリットコミュニケーションデバイス”の追加支給100セットを行って、予定していた各部署への配布が完了した。


“エヴィエイションクルーザー”にも全機搭載されて、エアポート管理塔への通信室の整備も完了した。



此れで、南方遠征の準備は完了だ。



年明けから続いたイベント尽くしの日々も終わり、気持ちも軽く、新たな国、アルコーラル商国への遠征を開始したのだった…………





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