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箱庭の王様  作者: 山司
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第15章 組織編成 3

第15章

組織編成 3





▪️▪️▪️▪️





12月のある日、僕は今日のお供のネイザーと、いつものお供のエルヴァと共に、アエルゲインの下を訪れていた。



奥さんの弔いを終えたアエルゲインには現在多数の魔導具研究依頼をしている。

“イモータルウォール”の切断に分解、遠方への連絡手段など、古代魔導文明時代にも無かった魔導具の開発や、“不可侵領域結界柱”の結界の形状変化や、“エアーバイク”の小型化などの現在有る魔導具の改良なんかも依頼している。



今日は、その中で、幾つかの成果が出たモノの実証に来ていた。



「……じゃあ、アエルゲイン、早速教えて欲しい」


「はい、其れでは。


先ずは、この“半球開閉式不可侵領域結界柱”です。

この“結界柱”の形状に関しては、もう、完成としても良いでしょう。


ノッディード陛下のご提案通り、柱を8本にする事で、開閉幅を狭く出来ました。

これで、半球状の結界部分を8分の1づつ選んでの、1部開閉が可能になりました」



説明をしながら、アエルゲインが手に持ったパネルを操作して行く。

僕達の頭上に設置された結界柱から、半球状の結界が張られて行く。

今迄の結界柱と違い、球状では無く半球状となっていて、下部には結界は無い。

そして、アエルゲインが操作する度に、半球の結界の一部が消えたり、現れたりしている。



「…………さすがだよ、アエルゲイン。

もちろん、強度の低下も無くて、今、見せて貰ってるくらいの速度で、大きくしても開閉が出来るんだよね?」


「はい、もちろんです。

ただ、結界面積が半分で、柱の数が2倍なので、通常の結界の4倍の強度と行きたかったのですが、さすがにそこ迄は都合良くは行かず、2.5倍くらいの強度となっています」


「其れでも十分凄いじゃないか。

是非、王都の結界柱は、全て、アエルゲインの作った新型に切り替え…………


……春になったらだね…………」


「ハッハッハ…………


ノッディード陛下に、其処迄、喜んで頂けて、私も研究者冥利に尽きると云うモノですが、確かに仰られる通り、春になってからの切り替えが望ましいでしょう」


「そうですね。

今、結界を解いてしまったら、空からどれ程の雪の塊が降って来るか分からないですからね。


しかし、王都の結界柱を全て変えられるのですね。

僕はてっきり、エアポート発着場用だと思っていました」


「いやいや、ネイザー、そもそもがこの開閉式を作って欲しかったのは、王都の中心円の結界を開閉する為だよ。


王城横にも小さなエアポートを作って、“エヴィエイションクルーザー”と、将来的には、ナエラークも自由に行き来が出来る様にしたかったからなんだから」


「おお、なるほど。

ナエラーク様の為でしたか。


此れは、“イモータルウォール”を早く何とかせねばなりませんな」


「そうだね、宜しく頼むよ。

まあ、本人は急いで無いみたいだけどね。


じゃあ、アエルゲイン、次をお願い」


「はい、其れでは…………」



そう言って、アエルゲインが持って来たのは、小盾、ブレストプレート、太めのブレスレットの3点だ。


僕は、この3点を見て、『アレが出来たんだな』と、思いつつもアエルゲインの説明を待った。

アエルゲインは、さっきの“半球開閉式不可侵領域結界柱”の時とは違い、ちょっと申し訳無さそうに説明を始める。



「……既にお気付きかと思いますが、此れらは、“リフレクションプロテクト”の新型、“リフレクションプロテクトダブル”です。


従来の“リフレクションプロテクト”と同様に、“魔法”と“物理”に対して、反射結界を張り、新型に関しては、2つの反射結界を同時にも展開出来る様になりました。


しかし…………


残念ながら、ノッディード陛下の希望されていた、空気のみは通す仕様には出来ていません。

ただ、この状態でも、現状のモノよりも遥かに利便性は向上すると思い、ご報告させて頂いた次第です」


「うん、間違いなく今の“リフレクションプロテクト”よりも凄く良いよ。

ごめんね、アエルゲイン。

やっぱり、物理を防ぐと空気も遮断しちゃうのは、どうしようも無いって事なんだよね?」


「はい、どうしても空気と云う物質も防いでしまいます。

一部に穴を作る方法も考えましたが、其れでは、その穴からの攻撃が防げません」


「なるほどね、確かに無茶な注文だったかもね。

了解、とりあえずコレをみんなに支給出来る様に…………


どうしたの、ネイザー?」


「……いえ、外から空気が取り込め無いなら、中で作れば良いのでは有りませんか?

空気清浄機の魔導具の小型化が出来れば、解決するのでは?」


「「!!其れだぁ!!」」


「アエルゲイン、其れなら出来るよね?」


「はい!!可能です!!

腕輪型は中に組み込むのは無理ですが、もう1つ腕輪を用意すれば良いでしょう。

盾型と胸鎧型については、中に組み込んで、作成出来ると思われます」


「盲点だったよ、ネイザー、ありがとう。

言われてみれば、普段から結界柱の中で、そうやって生活してたのに、ついつい、“リフレクションプロテクト”を防具の枠だけで考えてしまっていた」


「いえいえ、これで少しでもみんなの安全が向上するなら嬉しい限りです」


「じゃあ、アエルゲイン。

“リフレクションプロテクトダブル”は、空気清浄機機能の追加が出来たら完成としよう」


「はい、畏まりました。


では、次は、此方です」



アエルゲインが差し出したのは、一本の刀だ。

刀の注文は1つしかしていない。


僕の新たな愛刀が出来上がったと云う事だろう。



「ノッディード陛下の新しい刀、“千変万化”です」



僕は頷き、その“千変万化”を受け取ると、ゆっくりと引き抜く。


愛刀“天地鳴動”の黒を基調とした拵えに対して、対を成す様に、白を基調とした拵えに、刃紋の真っ直ぐ伸びた直刃の刀身。


美しい姿だけでも十分に価値ある一刀だが、この“千変万化”の真骨頂は、魔導具としての性能だ。



「この“千変万化”は、ノッディード陛下のご要望を完全にお応え出来ております。


元となった“フレキシビリティーソード”の伸長、拡幅能力は倍の100m、10mまで拡張され、更に、0.1m単位での微調整も可能になっています。


そして、短縮と増重能力も追加出来ています。


短縮も0.1m単位で最短10cmまで行え、増重も0.1倍単位で最大10倍まで調節が可能です。


更に、斬撃を飛ばす能力、透明化の能力、無刃化の能力もご要望通り、備えています」



僕は、アエルゲインの説明を聞きつつ、ゆっくりと納刀する。


キーーーーン…………


と、云う澄んだ音が響いて、僅かな静寂が訪れる…………



「アエルゲイン…………


完璧だ!!」



僕の満面の笑顔に、アエルゲインも笑顔で、「ありがとうございます」と、応える。



この“千変万化”は、魔法特化の“天地鳴動”に対して、物理特化の武器として作って貰った。


僕は今でもポーションを使った訓練を続けているので、Sランクの魔物でも楽勝だ。

しかし、上には上がいるのが世の理だ。


僕のいつも掛けている、“ジーニアスグラス”には、魔獣の情報は有っても、魔物の情報は無かった。

其れは、“ジーニアスグラス”の情報が、“サードストライク”以前のモノだからだ。


なので、“ジーニアスグラス”には、僕がハンターギルドで得た魔物の情報と、僕が実際に戦った魔物の情報しか無い。


しかし魔獣に関しては、大量に情報が有る。


そして、そのランク付けは、危険度として表示されるのだが、Sランク迄しか無いハンターギルドの基準と違って、危険度Sの上に危険度SSと危険度SSSと云うモノが存在する。



久遠の空の女王こと、ナエラーク ファースト エタニティスカイは、この危険度SSSだった。


初めて会った時も、檻の中に居るのに、即撤退が頭に浮かぶ程の圧倒的な存在感だった。

今でも、とてもじゃ無いが、戦ってどうこうなる様な存在じゃあ無い。


まあ、ナエラークと争う事は無いだろうが、世界にはナエラークの他に5体のドラゴンが今でも生きていると言われている。

その5体のドラゴンとは、争わないとは言い切れないし、ドラゴン以外にも伝説の存在である魔獣も多数居ると言われていて、其れらの魔獣が、ナエラーク並みだった場合には、今の僕では勝てないだろう。



なので、万が一の備えとして、僕自身の強化も怠る訳にはいかない。



そこで、物理攻撃しか効かないモノに対しての、“千変万化”を作って貰ったのだ。

長さ100m、幅10mと云う有り得ないくらいの大きさになるのも、重さを10倍に出来るのも、そう言った伝説の魔獣が、得手して巨大な魔獣である事が多いからだ。


逆に、短くなったり、無刃化出来たりするのは、人間相手の時に、うっかり殺さない様にだ。





僕が新たな愛刀を得た感動を噛み締めていると、「では、最後に……」と、言って、アエルゲインが新たな魔導具を出して来た。


其れは、魔導具に良くくっ付いていたり、代理官のみんなのセキュリティと操作権限を与える為に持たせている、操作パネルを4分の1くらいに小さくした様な魔導具だった。


画面にA、B、Cと表示されたモノが2個づつ、計6個、同じモノが置かれている。



「……本日、わざわざ来て頂いたのは、コレが完成したからです。


とうとう、現れたのです。

魔導具エンジニアの夢と言われるモノの1つ。


“長距離無線通話魔導具”です!!」


「!!本当かい?!アエルゲイン?」


「はい、完成しました…………


魔導文明が唯一古代科学文明に劣ったと云われる、長距離無線通信技術。


その根幹とも云える、“長距離無線通話魔導具”がとうとう実現されました…………」





古代魔導文明時代は、歴史上、最も豊かな時代だったと言われている。

“セカンドストライク”で、滅んでしまった科学技術を新たに生まれた魔法と云う技術で、次々と再現して行き、物質もエネルギーも全てが魔法によって賄われて行った。



しかし、魔法が生まれなければ、再現する事は出来ない。



そして、生まれて来なかった魔法の1つが、“電磁波で情報を飛ばす魔法”だ。


古代科学文明時代には、世界中で、この電磁波を飛ばして、情報が行き来していたと云う。


其れは、世界の反対側に居る人とも会話をして、映像を見せ合い、手紙を送り合う事が瞬時に出来たそうだ。


だが、この技術の情報は有っても、“電磁波で情報を飛ばす魔法”が無ければ再現出来ない。



僕の持っている“アーカイブ”の様に、情報をデータ化して保存する魔導具は生まれた。

そして、その“アーカイブ”と“ジーニアスグラス”の様に、僕の身体を伝って情報をやり取り出来る魔導具も生まれた。

そして、防犯カメラの魔導具や電話の魔導具の様に、ミスリルラインを用いての、音声や映像のやり取りも出来る様になった。


しかし、“電磁波で情報を飛ばす魔法”が生まれない事で、遠く離れた場所に情報を飛ばす事だけが出来なかった…………



本でも読んだし、アエルゲインやナエラークとも色々と話したが、嘗ては、電磁波の代わりに、雷魔法や光魔法、音波なんかでも代用が出来ないか研究されたらしい。


しかし、雷魔法では、そもそもの破壊力が強すぎて、光魔法では、強くすれば威力が高すぎ、弱くすると周囲の太陽光に情報が拡散して伝わらず、音波では距離が全く足りなかったらしい。



そういった数々の失敗が延々と続き、いつしか、“7大不可能魔法”と、言われる様になって研究をするのはただの変人扱いになって行ったそうだ。


だが、僕はこの“7大不可能魔法”を無視して、研究を依頼した。

因みに、この“7大不可能魔法”とは、“電磁波で情報を飛ばす魔法”、“時間を操作する魔法”、“空間を操作する魔法”、“魔素を生み出す魔法”、“命を生み出す魔法”、“死者蘇生の魔法”、“不老不死の魔法”だ。


そう、この“7大不可能魔法”は、既に崩れているのだ。


“不老不死”である僕の存在が、其れを生み出した、賢者 ウィーセマーが、この“7大不可能魔法”を崩している。



更に、僕には、“長距離無線通話”に関して、可能性が有った。

ディティカ、イデティカ姉妹の特別な力、“心の会話”だ。


この心の会話は、どれだけ離れていても、リアルタイムで行える。

この力を、アエルゲインの“ラーニング•プラクティス”で解析して、魔導具化出来れば、“長距離無線通話魔導具”を生み出せるのではないかと思ったのだ。



まあ、最初は失敗した。

そんなに簡単なモノでは無かったのだ。


しかし、アエルゲインは、完成させたと言う。

一体、どうやって完成させたのか…………



「アエルゲイン、一体どうやって完成させたんだい?」


「はい、其れはノッディード陛下が提供して下さった、ノッディード陛下の血が鍵でした」


「え?!僕の血?」


「はい。

先ずは、前回、全く反応しなかった理由ですが、ディティカ様、イデティカ様の“心の会話”が、本当に、“心の会話”だったからです」


「本当に“心の会話”だった?」


「はい。

“電磁波で情報を飛ばす魔法”が、“7大不可能魔法”だと云うお話しは以前しましたが、今回の魔導具は、この問題を一切解決していません。


何故なら、“心の会話”は、電磁波どころか、一切の媒体を介さずに直接行われていたからです。

ディティカ様とイデティカ様の“心の会話”は、お互いの魂に直接話し掛けていたのです。


ですから、前回は、“心の会話”を再現しても、話し掛けるべき魂が無かった為に上手く行きませんでした。

当然、魔導具に魂は有りませんから。



魔導具に魂を込める事は、同じく“7大不可能魔法”の、“命を生み出す魔法”です。

なので、一旦保留にして、他の魔導具の御依頼に着手していたのですが、ナエラーク様とノッディード陛下の不老不死について話していた時、不意に、ナエラーク様が、「そもそも、“不老不死”とは一体どういった状態なのだろうな?」と、仰られたのです。


妻の遺体の様に、肉体が仮に元に戻ったとしても、本来なら生き返る事は有りません。


ならば、『ノッディード陛下は何故、生き返る事が出来るのか?』

正直言って、ナエラーク様とのただの雑談で、答えの出る様な会話では無かったのですが、そこに、ペアクーレ様がたまたま、ノッディード陛下からの“エヴィエイションクルーザー”の製造計画を伝えに来られたのです。


そして、ちょうど、会話を聞かれたペアクーレ様が、ティヤーロ様の演説について教えてくれました。

そして、こう仰られたのです。


『ノッド様は、生き返ってるんじゃ無い。

ノッド様は、ノッド様だから、不滅の存在なの』と…………


私とナエラーク様は、ハッとしました。

私達は、ノッディード陛下が、『死んでも生き返る』と、思っていましたが、そもそも、『死なないからこその不老不死』なのではないかと。


ならば、ノッディード陛下は、『存在そのものが魂を固定している』のではないか?と。


その会話を聞いたペアクーレ様が、更に仰られたのです。


『ノッド様の魂は、血の一滴にすら宿っている』と…………



私とナエラーク様は、再度、ハッとしました。

ナエラーク様の血が、“飛行魔法の概念”を宿している様に、ノッディード陛下の血が、“魂の存在”を宿しているのではないか?と…………



そして、ノッディード陛下の血を魔導具に組み込んだところ、なんと、直ぐに成功してしまったのです。


しかし、そのままでは、相手が選べなかったので、試しに私の血を混ぜてみたところ、個別に認識する事が出来る様になり、このAには私の血が、このBにはナエラーク様の血が、このCにはリティラ様の血が混ぜてあり、其々が其々で、認識し合う事が確認出来ました。


なので、今後、幾らでも増やす事が出来るモノと思います」



「…………毎度の事だけど、僕は本当に運が良いな…………

其れと、ペアクーレの助言は、何でこんなにも事態が好転するんだろう…………


まあ、其れを言ったら、ペアクーレに限らず、みんななんだけど…………」


「其れを言うなら、S級代理官の皆様が集まられた事も含めて、ノッディード様の御力だと思いますよ。

僕と同じく、ノッディード様に出会わなければ、生きてすら居ない方も多いですから」


「はい、私もネイザー殿と同じ意見ですな。

私自身もノッディード陛下に救われて此処に居るのですから」


「ありがとう。

でも、ちょっと、僕を持ち上げ過ぎじゃない?


この魔導具が生まれたのは、アエルゲインの努力と、ディティカとイデティカの力と、ナエラークとペアクーレの助言の集大成なんだから」


「はは……。そう云うところがノッディード様の御力ですよ」


「ネイザー殿の仰るとおりですな。


では、早速試してみましょう」





この後、“長距離無線通話魔導具”の実証を確認して、アエルゲインを褒めちぎった。


この“長距離無線通話魔導具”は、対になるA-1とA-2で通話が出来るのだが、先ずA-1から連絡すると、A-2に通知が行く。

通知方法は、通知音と通知振動、上部の点滅、画面表示の4種類があり、複数の選択も出来る。

そして、画面の操作で通話を受けるか拒否するかの選択が出来る。


更に、通知の履歴も残って、通話を受けたか、拒否したかの確認も出来る。


此れだけでも十分に機能的だが、何と、アエルゲインは隠し玉を用意していた。

なんと、A-2とB-2を重ね合わせると、A-1とB-1とで直接通話が出来るのだ!!


コレはつまり、通信所を作って、そこにA-2とB-2を置いておくと、A-1から通信所に連絡して、B-1に繋いでくれと言う。

そして、通信所の人間が、B-2からB-1に連絡して、A-2とB-2を重ねたら、A-1とB-1を持つ2人は、どこにいても会話が可能になると云う事だ!!


此れは最早、古代科学文明時代の世界中、何処に居ても誰とでも連絡を取り合えた時代の再来と言っても良い凄まじい魔導具だ!!



実はアエルゲインは製作に伴って、古代科学文明時代の情報を集めて、今後の運用迄考えて作ってくれていたのだ。



僕は、翌日、緊急の会議を開いて、S級代理官とA級代理官を全員招集した!!

そして、この“長距離無線通話魔導具”の凄さを語りまくってから、今後の運用方法を話し合った。



先ずは、“長距離無線通話魔導具”の名前だが、此れは、『魂の通信機』、“スピリットコミュニケーションデバイス”、と云う名称で決定した。

ちょっと、長いので、普段は、“スピリット”と呼ぶ事になった。



次に、ルベスタリア王城20階の軍管理階を大幅にリフォームして、各種記録を残している資料室、防犯カメラの映像の監視と保存をする情報室、そして、新たに“長距離無線通話魔導具”の通信交換を行う通信室の3つの施設だけの階に作り直す事になった。


その他の元々有った会議室や各将官の執務室は、全て、エアポートタワーへと引っ越す事にした。

エアポートタワーはかなり空部屋だらけ状態だったので丁度良いし、我がルベスタリア王国軍の将官達はみんな働き者過ぎて、余り、執務室を使って居なかったから、全く困る事も無かった。


因みに、事務仕事をサボっていたから、執務室を使って居なかったのでは無く、訓練場に机を持って行って、部下の訓練を見ながら、事務仕事をする程の働き者と云う意味だ。



そして、この“スピリットコミュニケーションデバイス”は、個人に対しては、S級代理官とA級代理官は全員が常時所持で、B級代理官には、各任務に応じての貸し出しと云う形になった。

其れと、各国営施設に3台づつ配置して、S級A級代理官への緊急の連絡や、各施設同士での連絡のやり取りに使われる事になった。



最後に、全く別の利用として、全ての“エヴィエイションクルーザー”に1台づつ搭載して、エアポート管理棟との直接連絡用として配置する事にした。


コレで、“エヴィエイションクルーザー”の着陸時に光でサインを送り合わなくても、“スピリットコミュニケーションデバイス”で連絡してからスムーズにエアポートに入港出来る様になるし、外国への諜報活動に出る者も、通信室に連絡を入れて、通信室からエアポートタワー、エアポートタワーから、迎えの“エヴィエイションクルーザー”迄連絡をする事が出来る様になる。



現状配布分も200セット以上必要だし、此れからも多数必要になって来るので、全ての代理官から血液を貰って、アエルエンタープライズに専用の製造ラインを準備して一応、500セット迄は製造する事にした。



会議が終わってからは、アエルゲイン、ディティカ、イデティカ、ペアクーレの功績を讃えて、盛大にパーティーを行った。


本当はナエラークも呼んであげたいところだが、生憎とナエラークはエアポートタワー地下1階から動けない。


なので、僕が個別に褒めに行ってあげた。


いつもは、視察のついでに立ち寄る事が多いのだが、その日は、ずっとナエラークと過ごして、研究中の魔導具の話しや、此れからのルベスタリア王国の未来についてなど、色々な話しをした。


本人には、言わなかったが、僕としては、早くナエラークをあの檻から出してあげたいと思った…………






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