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成り下がった者達

アーロン達が始末した貴族の事で一時は、騒がしかった王都だったが

今は、落ち着きを取り戻しつつあった。

しかし、商人の屋敷を狙う野盗が暴れ回り、深夜でも火がともらない日が無い程に

荒れ始めていた。

その為、商業ギルドも冒険者ギルドに依頼を出したりして対応していたが

捕まえる事も出来ず、困っていた。

そんなある日の夜、大手の商家、ツール商会が襲われ、金品と娘2人を奪われた。

商業ギルドの対応に痺れを切らしたセイン商会の会長セインは

アイビー子爵家に相談に行った。


「子爵様、お忙しい所を申し訳ございません。

 この度は、今、王都を騒がせている野盗についてお願いがございます」


「お願いというのは、野盗の討伐か?」


「左様でございます。

 どうか、お願いできないでしょうか」


「その件については、私達も頭を悩ませているのだ。

 実は、兵を出す話も出ているのだが、中々、話が進まなくてな、

 もう少し、待っていてはくれないか」


「そうでしたか、わかりました、私共にも何か出来る事がありましたら

 お言いつけ下さい」


「感謝する、私の方も出来るだけ努力しよう」


セインは、アイビー子爵家から、昨日、被害に合ったツール商会に向かって行った。

ツール商会に着いた、セインは、ツールに面会し、先程の事を伝えた。


「今、アイビー子爵様にお願いに行って来た所だ」


「そうか、子爵様は何と?」


「貴族の方々でも兵を出すか出さないかの話し合いになっているそうだ」


「出来れば、出して欲しいな」


「そうだな・・・」


「それから、冒険者ギルドの方はどうなっているか知っているか」


「いや、何も連絡は無い」


2人は、ため息を吐いて、落ち込んだ。

しかし、その日の夜も商人の屋敷が襲われ、全員が殺された。

その事で、商人達は、商業ギルドに見切りを付け、個人で冒険者を雇うようになった。

だが、次の日、予算が無く、低ランクの冒険者しか雇えなかった商人の屋敷が

襲撃され、冒険者共々殺されてしまった。

その事で、セインはアイビス伯爵邸を訪れた。


「暫く待つと、グラン アイビス伯爵が姿を現し、セインは慌てて立ち上がり挨拶をした」


「この度は、急な訪問をお許し頂き有難う御座います」


「いや、セインさんも最近大変そうですね」


「はい、実はお願いがありまして、お伺いさせて頂きました」


「それは、どの様な事ですか?」


「はい、この度の野盗の件で御座います」


「という事は、兵を出して欲しいと言う事ですか」


「はい、伯爵様は、ご自身の兵をお持ちとお聞きしましたので

 ぜひ、お力をお貸し頂けないかと・・・」


アイビス伯爵は、暫く考えた後、セインに返事をした。


「私としては、兵を出しても構いませんがその為に貴方達はどれ程のお力を

 貸して頂けるのですか?」


「私共としては、出来るだけのお力添えはしたいと考えておりますので

 兵の武器と物資はご準備させて頂きます。

 それと僅かですが賃金もご準備させて頂きます」


「分かりました、兵を50人出しましょう」


「有難う御座います」


セインは、アイビス伯爵の屋敷を出てから、商人ギルドで物資と武器の準備を手配した。

そして、2日後、全ての準備が整ったのでその日の夜から警備に加わった。

5グループに分かれて警備をしていると、

その中の1グループが野盗と鉢合わせになり、そのまま戦いに発展した。

だが、実戦で鍛えている野盗と訓練が殆どで

実戦経験が少ない兵士では戦闘にならず、蹂躙に近かったので

あっという間に、兵士達は倒された。

そして、野盗は武器を奪いそのまま逃走した。

それから、2日、3日と経ち、日に日に野盗に倒され、戦力は減って行き、

4日目には到頭、伯爵の自身の兵は居なくなっていた。



不定期投稿ですが宜しくお願い致します。

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