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3

王都アイズに戻ったケリーは、酒場に行き、エルマーという男を探した。

そして3件目の酒場でエルマーに会う事が出来た。


「俺は、ケリーと言います。

 ヒューゴさんの紹介で貴方を探していました」


「ヒューゴか、アイツは元気にやっているのか」


「はい、殺しても死なない位に元気ですよ」


「そうか、それで俺に聞きたい事でもあるのか」


そう言うと、エルマーは手を出して来た。

ケリーは、懐からお金を取り出して渡した。

エルマーは、その金額を見てから話しを続けた。


「聞きたい事があるんだろ」


「ああ、実は、この街に竜から奪った秘宝があるんだ。

 それについての情報が欲しい」


「そういう事なら、オークションだろうな」


「オークション?」


「ああ、明日、この街で秘密裏にオークションがある。

 そこに出品されるだろうな」


「オークションの場所を教えてくれ」


「ここだ」


ケリーは、エルマーから地図を貰った。


「感謝する」


ケリーは、酒代を置いて店を出た。

翌日、ケリーは、エルマーに書いて貰った地図に従い、オークション会場に足を運んだ。

オークションが開催されると表では売れない物ばかりが出品されていた。

次々と商品が出品される中、到頭順番が回って来た。


「今回の目玉商品は竜の秘宝です。

 滅多に出回る者では、ありません。

 金貨50枚からスタートです」


オークションが始まると、あっという間に値段が吊り上がっていった。

結局、最後には、本日最高の落札価格での落札となった。

そして、落札したのは、大商人のセオンドという人物だった。


オークション終了後、ケリーは、その足でセオンドに面会を求めた。

セオンドに会う事の出来たケリーは、竜の秘宝について語った。


「そうですか、そんな危険な物なんですね」


「はい、ですからその卵は、竜に返した方がいいと思います」


「ですが、それは本当ですか」


「事実です」


「そうですか、では、その証拠を見せて下さい」


「証拠になるかどうかは分かりませんが、

 ここ最近、竜が村や町を襲っている事は御存じでしょう」


「ええ、存じております」


「それは、竜が卵を探しているからなんですよ」


「そうですか、わかりました」


「では、お返し頂けるのですね」


「いえ、それは無理です。

 そこまで貴重な物なら余計に手放したくはありません」


「この街が襲われるのですよ!」


「それは、決まっている訳ではありませんよね」


「いえ、襲われますよ」


「ハハハ、私も忙しい身でしてね、そろそろお帰り頂けませんか」


「しかし、」


「しつこい方ですね、お帰り下さい!」


ケリーは、諦めてフローランドに戻る事にした。

その数日後、王都アイズの上空には、竜の大群が飛び交っていた。

そして、一際大きな竜が咆哮を上げると、竜たちは一斉に襲い掛かってきた。

竜たちは、それぞれに炎を吐き、街を焼き尽くし、

逃げ惑う人々には容赦なく襲い掛かかった。

そして、竜の興味は、王城に向き、数匹の竜が襲い掛かった。

王城に逃げ込んでいた者達に竜は、炎を吐き、城の中の人々を蒸し焼きにし、

外に逃げ出した者達を踏みつけた。

その時、一匹の竜が、とある屋敷の中に竜の卵を見つけ

拾い上げると、近くにいた竜達が咆哮を上げた。

すると攻撃は止み、街から飛び去っていった。

竜が去った後、街は焼けた人々と倒壊した家屋しかなく、

繁栄していた面影は何処にも残っていなかった。


そして、王城は、見るも無残な姿になって生活する場所は残っていなかった。

それは、王族の全滅を物語っていた。



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